2009年08月14日
コンテンツ番号6577
第38回合川まと火・第29回合川ふるさとまつり
(2009.8.14)
第38回合川まと火、第29回合川ふるさとまつりが8月14日、合川橋付近と合川公民館付近を会場に開催され、「まと火」や「通り踊り」、「スペシャルステージ」などで見物客らが行く夏の夜を楽しみました。
昨年は、大雨の影響で合川まと火は中止、ふるさとまつりは合川体育館で行なわれましたが、今年は晴天に恵まれ、ふるさとまつりは野外で行なわれ、また、まと火は2年ぶりの開催ということもあり、多くの人が訪れました。
オープニングでは、実行委員会を代表して金森勝三合川ふるさとまつり実行委員長が「昨日降った雨で今年も開催が心配されましたが、皆様の熱意により天気も回復し、まつりをよい天気のもと盛大に開催できます。この2つの行事は旧合川町から長年続いている行事で、合川地区にとっては無くせない行事です。ふるさとでまつりを開催することは、帰省してくる方々にとっても喜ばれること。今日は皆さんで一緒に楽しみましょう」とあいさつ。
続いて、来賓を代表して津谷市長が「合川まと火は、古くから小阿仁川水系を中心に春彼岸の中日の伝統行事として行われてきたもので、現在も合川地区の方々が大切な伝統を守ってくれています。また、まと火で使うダンボは合川地区の全世帯で協力していただいていることに心から感謝します。合川中学校では、ふるさと教育ということでまと火を題材に取り上げ、地域の伝統行事を先輩の方々と一緒になって体験していることはとてもすばらしいこと。先祖の供養のためにもまと火がいつまでも続くよう、また幻想的なまと火が多くの方々に楽しんでもらえるよう願います」と祝辞。
ふるさとまつりは、午後5時アマチュアバンドの演奏で始まり、続いて合川太鼓保存会の迫力ある呼太鼓と続き、メインとなる「通り踊り」は、婦人会・合川中生徒約230人の華麗な踊りに、盛んな拍手が送られていました。
まつりの終盤では、ゆかいな仮装で踊る「タント節」が観衆の笑いを誘い、スペシャルステージでは、元オフコースの大間ジローさんが率いる「天地人(てんちじん)」が、和洋打楽器と津軽三味線、ドラムのユニットで迫力ある演奏を披露し、会場は一段と盛り上がりました。
一方、阿仁川堤防が会場となった「合川まと火」は、午後7時30分に中学生の手で点火され、合川橋を挟み堤防約2にわたり炎の列でかたどられたラインや文字が浮び上がりました。川面に写るまと火は幻想的な光景を一層引き立てていて、まと火を背景に合川橋から記念撮影する人が多く見られました。
「万灯火(まとび)」は、古くから合川・下小阿仁地区や上小阿仁村で行われている春彼岸の伝統行事。「ダンボ」と呼ばれる布切れを丸めたものに灯油をしみこませ、日没を待って点火し、火文字などを浮かび上がらせて祖先を供養します。「合川まと火」はこの伝統行事をお盆の時期に合わせて規模を大きくして開催しているもので、使われる「ダンボ」は、合川地区の全家庭で一個づつ作られ提供されています。
《合川太鼓》
平成元年6月、合川町で県連主催の和太鼓講習会が行われたのをきっかけに、同年8月の生涯学習講座の中で合川太鼓として発足しました。大曲太鼓道場、現在、秋田県太鼓連盟専務理事、鈴木孝喜氏の指導により、合川囃子を修得し、その後、合川太鼓保存会として住民とのふれあい、地域の活性化をめざして活動しています。
《通り踊り》
合川中学校の女子生徒、婦人会など約230人で踊る通り踊りは、大勢にもかかわらず息のピッタリとあった踊りです。合川ふるさと音頭、合川まとび音頭にあわせ、まと火をイメージした先が赤い棒を鮮やかに操ります。
《合川まと火》
「まと火」は古く奈良時代から行われていた記録があり、灯明(とうみょう)は煩悩(ぼんのう)の闇を照らす仏の知恵に例えられ、仏前にともすことは香をたいたり、花を献じたりするとともに功徳(くどく)のあるもので懺悔(ざんげ)、滅罪(めつざい)となるとされています。
合川では、古くから下小阿仁地域を中心に、春彼岸の中日の伝統行事として、墓地に灯かりをともすとともに、山の尾根づたいや沢づたい、あるいは川原にたいまつを灯し先祖の霊を我が家に迎えてもてなし、供養とともに豊年満作、家内安全を祈ってきたと言われています。
そして、このまと火を更に継承発展させ、人々がふるさとに帰省するお盆の14日夜に阿仁川堤防に 延々と灯かりをともし、先祖の供養と郷土愛を培う伝統行事として長く伝えていきます。また、まと火に使うダンポは合川住民総参加のもとに合川地区内全世帯で1個ずつ作られ、中学生の協力を得て阿仁川堤防約2に設置され点火されます。
《タント節》
タント節の由来は旧合川町の旧大野村、現在の東地区の辺りで月明かりの夜、若者達が藁打ち作業で歌った「わら打ち唄」が現在は酒席で歌われるようになったものです。1から10までの数え唄式のような語りで、本来ならば「イロハ口説き」といって非常に長いものです。
このタント節は合川が発祥の地として言われており、後に縁があり仙北地方に伝えられたものとされています。そして、平成5年度から7年度にかけて行われた合川町商工会「中小企業活性化事業」実施の際に、伝統・伝承文化の掘り起こしとして、この「タント節」を取り上げたことをきっかけに、ふるさとまつりりのイベントの1つとして披露されます。