2009年07月14日
コンテンツ番号6775
綴子神社例祭、鎮座1350年式年大祭
(2009.7.14)
八幡宮綴子神社(武内尊英宮司)の例大祭並びに鎮座1350年式年大祭が7月14日(火)と15日(水)の2日間、同地区で行われ、直径3.71mの大太鼓をはじめ、3張りの大太鼓、また上町、下町の獅子踊りや奴踊りなどの郷土芸能が同神社に奉納されました。
同神社は、第37代斉明天皇5年(659年)創建(豊前國旧官幣大社・宇佐神宮分社)の由緒沿革で、旧比内郡の総社として、東北地方最古の八幡宮ともいわれています。境内の内館文庫(県指定史跡)には、平安時代からの古書文献を所蔵し、氏子による大太鼓・獅子舞の奉納行事は鎌倉時代から行われています。
例祭は、今から約七百年前の弘長2年(西暦1262年)ころから始まったと伝えられています。当時の綴子村は灌漑用水の不足に悩んでいました。そのため雨乞いの神事として天に届くような大きな音を轟かせる大きな太鼓が作られ、明治の末期にはすでに直径6尺(1.8メートル)ほどであったといわれています。
神社への奉納行事はかつて、上町(うえまち)・下町(したまち)両集落が合同で行っていましたが、奉納の先陣争いを張りあい、けが人が出るほどでした。そのため昭和のはじめからは、両集落が1年交代で奉納することになり、今度は太鼓の大きさを競い合うようになりました。昭和6年には下町が2.10mで上町の太鼓は直径2.16mでしたが、以後交互に新調・改造を行ない、現在では両集落とも直径が4m近い巨大なものになっています。
今年は、同神社が創建1350年の節目の年にあたることから、例祭並びに式年大祭が行われ、1929年以来80年ぶりに、獅子舞や奴踊りなどの奉納行事を上町・下町の両方が同日奉納します。また、当番町は下町。下町の大太鼓は最も大きなものが直径3.71mで昭和61年、世界一大きな和太鼓としてギネスブックで認定されました。また2番目に大きなものでも3.18mあります。
本祭りの15日は神社で行われる例祭、鎮座1350年式年大祭のあと、はじめに上町が獅子舞や奴踊りなどが奉納。その後、当番町の下町が綴子基幹集落センターから行列を連ねて、お囃子とともに大太鼓3張りを打ち鳴らし、綴子神社に向かい、地元の人たちや観光客が見守る境内で奉納行事を行いました。
境内では、太夫の口上で始まり、子どもと大人による勇壮な獅子踊りが奉納行事の口火を切りました。獅子踊りは、頭に獅子頭をつけた装束で小太鼓を打ち鳴らしながら3人で踊ります。境内の中を激しく動き回る踊りは、体力の消耗も激しく、10分ほどの演技が終わると、見物客らも大きな拍手を送っていました。
続いて、子ども会による奴踊りがかわいらしさで観衆の目を引くと、トリを飾った青年会の奴が軽快な所作で幾つもの演目を鮮やかに決め、地元の方々や見物客らが、満場の拍手を送りました。
奉納行事の前に神社境内で行われたのが作占いの「湯立ての神事」。大鍋にお湯を沸騰させ、神職や氏子がワラの束でかきまわして立つ湯のしぶきの加減で作物の作況を判断します。武内宮司によると今年の作況は「平年作以上」とのご託宣がありました。