2009年07月25日
コンテンツ番号6782
市文化会館「東北寄席公演2009」
(2009.7.25)
(社)落語協会による寄席演芸公演が7月25日(土)、市文化会館で開催され、詰め掛けた観衆が、落語や江戸曲独楽、紙切り、などで江戸の粋(いき)の文化を堪能しました。
この公演は、地方の人々にも寄席演芸の魅力を知ってもらおうと(社)落語協会が文化庁の支援を受けて行っているもの。北秋田市では平成21年度の自主事業として開催されました。
午後2時から行われた公演では、はじめに落語の柳家喬太郎(やなぎや きょうたろう)師匠が、軽妙なトークを交えながら、寄席で落語家が登場する際の「出ばやし」について説明しました。
三味線の松尾あさ師匠が、公演出演の入船亭遊一、また会場からのリクエストで三遊亭楽太郎や林家三平など著名な落語家の出囃子を披露すると、その落語家のイメージが見事に浮かび上がる「演奏」にお客さんらも感心しきり。
この後、入船亭遊一、入船亭扇辰師匠の落語、三増紋之助師匠の江戸曲独楽、林家二楽の紙切り、が披露され、会場は一気に寄席のムードに包まれました。二つ目の入船亭遊一、入船亭扇辰師匠はそれぞれ古典落語の「転失気(てんしき)」と「天狗裁き」を一席。紙切りでは桃太郎やドラえもんなど、江戸伝統の職人芸が披露され、特に「マリナースのイチロウ」という会場からのリクエストに二楽師匠は「打席に立ってバットを立てる姿のイチロウ」という作品で応え会場から感嘆の声が上がっていました。
曲独楽では、三増紋之助師匠が、映画「座頭市」に出演したときのワンシーンの「かざぐるま」を会場に降りて披露し、会場を沸かせてくれました。
トリは、柳家喬太郎師匠による古典落語の名作「禁酒番屋」の一席。ストーリーは、ある藩で家臣が酒の上で大失態をした。そこで、殿様は藩屋敷に禁酒令を出し門のところに禁酒番屋を設けて、持ち込み品を全部検査することになった。 藩一番の大酒のみの近藤が、酒屋を脅かして酒を屋敷に持って来るように命令する。 酒屋は困り果てたが、番屋をごまかすためカステラの下に酒1升を隠して門まで来たが、番屋は大酒飲みの近藤がカステラを頼むとはおかしいと疑う酒屋は「進物用だ」とうまくごまかして通ろうとした。が、箱を持つとき酒屋は思わず「どっこいしょ」と言ってしまい中の酒を飲んで検分され「このいつわり者めがっ」と叱られて逃げ帰った。 次に油屋と言って通ろうとしたが見つかり、番屋に2升も飲まれてしまう。 酒屋は2升も番屋に飲まれたはらいせに、小便を徳利に入れて持って行き、近藤さんの松のこやしにするので小便の注文を受け持って来たと番屋に言う。 番屋はまた酒だろうと、試しに飲んでみようとする。 「燗がしているなぁ・・・・?? こりゃ臭い・・・?」 「だから はじめから小便と申しました」 「うむぅ・・・、この・・・正直者めがっ」 、といった話。滑稽なやり取りの様を登場人物がその場にいるかのように語る絶妙の話芸で、会場は大きな笑いの渦に引き込まれていました。