2009年07月27日
コンテンツ番号6788
シンポジウム「文化財とまちづくり」
(2009.7.27)
シンポジウム「文化財とまちづくり」が7月27日(月)、中央公民館で行われ、市民ら約100人が参加し、文化財を核としたまちづくりについて考えました。
文化庁では「文化審議会文化財分科会企画調査会報告書」の提言を踏まえ、各市町村において文化財を周辺環境も含め総合的に保存・活用していくための基本構想(歴史文化基本構想)が策定されるよう、必要な指針を作成することとしています。
このため、複数の市町村に実際に「歴史文化基本構想」等の策定を委託し、指針を作成するに当たっての方向性や課題を明らかにすることを目的として「文化財総合的把握モデル事業」を行っています。
昨年度、当モデル事業の選定委員会において、全国で20件(うち相互に関連性のある市町村3件)が選定されました。このうち、東北では北秋田市と盛岡市(岩手県)、三島町(福島県)が選定されたものです。本シンポジウムは、北秋田市文化財総合的把握事業の一環として行われたものです。
開会にあたり、三澤仁教育長は「北秋田市の文化財を取り巻く状況を市民のみなさんを考える機会としたい。市内の文化財調査を踏まえて、地域の文化と歴史の繋がりなどを総合的把握して歴史文化の構想に備えていきたい。この地域に、生れ育っていく子どもたちに、歴史文化や地域らしい風景を伝えて、自分たちのふるさとにいつもでも好意を抱いてほしい」などとあいさつ。
続いて、毛利和夫氏(NHK解説委員)が「文化的景観とまちづくり」と題して講演。毛利氏は「文化的景観が日本で採用されるあたり、世界遺産の指針が大きく関係している。伊勢堂岱遺跡も北海道。東北の縄文遺跡群のひとつとして世界遺産の暫定リスト登録された。また、縄文時代など古いものが金家住宅や国立西洋美術館など近代の建物なども文化財の対象となってきている」などと説明。
また「文化庁だけではなく、国土交通省や農林水産省なども「歴史的風致維持向上計画」をもとに、都市や個別の建物だけではなく、農村や山村、漁村などを含めて、地域一帯を保全していく動きがある。地域の生活や生業を維持していかないと文化財は残せない。その地域の歴史がどのように生れて、発展していった経緯など保全する必要がある。人々の生活の中でどのように文化財が保存され、この根底にある知恵や技術を継承していかなければならない」などと語りかけました。
このあと、熊谷嘉隆氏(国際教養大学 構想等策定委員)をコーディネーターに「文化財保存活用とまちづくり」と題してパネルディスカッションが行われ、北秋田市の文化財や景観の保護の現状を確認し、歴史文化基本構想策定に向けた議論が展開されました。
役割 | 氏名 | 役職等 |
---|---|---|
コーディネーター | 熊谷 嘉隆 | 国際教養大学 構想等策定委員 |
パネリスト | 毛利 和雄 | NHK解説員 |
津谷 永光 | 北秋田市長 | |
小林 達雄 | 國學院大学名誉教授 構想等策定委員 | |
佐藤 喜美男 | 伊勢堂岱ワーキンググループ 構想等策定委員 | |
堀内 秀悦 | 北秋田市商工会青年部長 | |
照内 捷二 | 北秋田市把握モデル事業文化財調査員 |