2009年06月19日
コンテンツ番号6820
市議会6月定例会一般質問(2日目)
(2009.6.19)
平成21年北秋田市議会6月定例会の本会議が6月19日(金)、市議事堂で再開され前日に引き続き3人の議員が一般質問を行いました。
この日は、市民病院、木質バイオマスエタノール実証プラント、行財政改革、観光振興などについて質疑が行われました。
このうち、市民病院については、「市民病院の開院に向け現状を一歩でも進めるため、指定管理方針の変更という苦渋の選択をした。厚生連には、医師確保と経営の健全化については継続的に最大限の努力を求めていく」などと答弁。
また、市民病院への交通体制については、米内沢駅から市民病院行きのバスを新設し、また現在の鷹巣から沖田面行きのバスを増便を予定していることを示しました。
また、観光振興については「森吉山麓一帯にある自然、食材、景勝地をフル活用し、体験型観光を主体とする誘客システムづくりに取り組みたい」と述べました。
各議員の質問と、市長ほか市当局の答弁の要旨は次のとおりです。
武藤忠孝 議員(形成会)
順位:2−1
1.市長の政治姿勢について
難問山積する北秋田市長選に駆り立てたものは何であったのかについて
北秋田市が誕生し4年という歳月が過ぎようとしていた当時、地域の人たちから市の将来を憂う声が多く聞こえ、私に、北秋田市政を担ってほしいという市民の声が日増しに高まってきたことが一つ。 合併後4年間の市政運営は、様々な問題が次々に表面化し、その後処理に追われてしまったように感じていたため、いまこそ県議として培った経験と人脈を生かし、地域のためにご恩返しをするべき時ではないか、との考えに至ったというのがもう一つの大きな理由。
新市長には市民の期待が大変に大きい。如何なる手法で活力ある街ちづくり、若者が夢を持って定住できる街へと進めていかれるかについて
基幹産業である「農林業」の活性化は、市のまちづくりのうえで欠かせない課題。 また、農業者が自ら生産したものを自ら加工し、そして流通や販売まで主体的かつ総合的に行う第6次産業の創出にも手掛けたい。若者の働く場の確保や基幹産業の活性化は大事なことだが、それと並行して、10年後20年後の将来を展望し、郷土の発展を支える人材の育成に力を注ぎたい。 加えて、産業の活性化、育児環境の整備、教育環境の充実などのインフラ整備により、将来的に若者が帰ってきて定住できる、都会から移り住む、子育てには「北秋田」が一番と、全国に向けて発信できるようにしたい。
行財政改革は必要であるが、住民への行政サービス低下をさせない、地域的な抜本的改革もあってしかるべきと思うが、その考えについて
職員数の適正化や総合支所方式の見直しによる総合窓口の設置など、効率化を図りながらサービスを落とさないための工夫をしている。広大な面積を有している市であり、地域事情を考慮したうえでの組織改革は大切である。今年度から旧支所に総合窓口を配置して市民サービスに対応したところだが、機構改革の効果を検証しながら、スピード感のある住民サービスの提供と行政のスリム化に取り組んでいきたい。
難問山積する北秋田市における新年度の政策的優先順位をお聞かせ願いたい。
同時並行的に進めなければならない課題が多く、「難問山積」という言葉を身を持って実感している。「活力のあるまちづくり」「若者が夢を持って定住できる街」というのが究極の目標であって政策になろうかと思う。まずは当面の課題である市民病院はじめ阿仁スキー場等について早急に方向性を示し、先送りすることなく、ひとつひとつ取り組んでいくことが最も大事なことだと考える。
2.北秋田市民病院について
北秋田市民病院の厚生連との協定書合意に向けて、総て厚生連側の要求通り譲歩するのは問題があるが、先ずは10月オープンに向けて合意に漕ぎ着けるべきであり、その後について医師確保と赤字解消に努めるようキッチリ条件を付けるべきと思うがどうか。
3ヶ月後には開院を控えているという現実があり、市長として市民の生命と健康を守るという重い責務があるので、現下の厚生連の状況、あるいは、市民病院の開院に向け現状を一歩でも進めるため、指定管理方針の変更という苦渋の選択をした。 開院後の運営状況によっては、今後も継続的に市の負担が発生することから、その根底にある医師確保については、市の最重要課題。厚生連には、医師確保と経営の健全化については継続的に最大限の努力を求めていく。
北秋田市民病院の10月オープンに向けて、利用者への交通体制はどのように整備が進んでいるのか。鷹巣から市民病院行きは、1時間おきなのか30分おきなのか。その料金はどうのようになっているのかについて
阿仁地区、森吉地区の方は、米内沢駅から市民病院行きのバスを新設し、鷹巣地区・合川地区の方は、現在の鷹巣から上小阿仁村線の増便を予定している。鷹巣から市民病院までの具体的な運行時間は、鷹巣駅から午前が7時、7時30分、8時30分、10時30分、11時52分、市民病院からは12時50分、14時5分、15時20分。料金は、鷹巣駅から市民病院まで440円を予定している。
北秋中央病院の解体には県が3/4の補助金を出す事になっているようであり、残り1/4相当額を市が支払う事で厚生連との交渉を合意出来ないかものか。
土地は厚生連の資産であり、現段階では時価評価額での購入で協議を進めている。ご質問の解体費における厚生連負担額相当による跡地取得については、厚生連側では不可能であり、解体は厚生連、跡地は市で取得という方針。
3.木質バイオマスエタノール実証プラント稼動開始後に於ける対応について
北秋田市の将来展望を大きく左右しかねない、新規産業に今後市はどのように対応するつもりなのかについて。
木質バイオエタノール製造実証プラントでは、平成24年度までバイオエタノール生産技術を実証することになっている。エタノールそのものに加え、副産物の二次製品化など産業化の可能性も持っているが、コスト面など課題もあり、今後の状況を見ながら検討する。また、昨年策定した「バイオマスタウン構想」に基づいて、木質バイオマスを含むバイオマス利活用事業の具体化に向けた計画を年度内に策定する予定。
全国からの視察団が、かならずや押し寄せると森林総研では見ておりますので、その準備対応についてお聞かせ願いたい。
全国からの視察に対応するため、実施主体である森林総研と協議しながら資料等の準備を進めるとともに、緊急雇用対策として説明員の雇用を検討している。また、秋田県商工会連合会が県内の環境施設関連を結びつけた観光コースを検討し、案内人養成も行なう事業計画をもっており、調査事業推進委員会に市も入ることになっている。こうした団体とも連携しながら視察の受け入れ態勢を整え、北秋田市を全国に発信する絶好の機会と捉えて対応していく。
長崎克彦 議員(千光会)
順位:2−2
1.行財政改革について
自治体財政健全化法の施行にともない4指標(実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債比率、将来負担比率)の現状と見通しは。
「実質赤字比率」および「連結実質赤字比率」は、平成19年度決算において、実質収支が黒字となっているため、比率は算定されていない。平成20年度決算における「実質赤字比率」「連結実質赤字比率」も、一般会計が黒字決算となっているほか、平成20年度に合川診療所特別会計と宅地造成事業特別会計の赤字を解消したので、平成19年度と同様に、赤字の比率は生じない見込み。「将来負担比率」は、平成19年度決算で134.7%と、早期健全化基準である350%を大きく下回っており、概ね良好な状況。「実質公債費比率」は、平成19年度決算で17.9 %、県内13市の平均では17.3%だが、今後も漸増を続け、平成23年度には19.3%と、ピークを迎える見込み。比率は早期健全化基準である25%を下回ってはいるが、森吉山ダムに関わる統合簡易水道事業や下水道事業の拡大に伴い、地方債の発行が増加しており、今後ますます比率の上昇が予想されるため、事業の見直しや計画期間の繰り延べなど、起債事業の精査に努めていかなければならない。
特別職の報酬、議員定数についての認識と今後の対応策は。
特別職の報酬については、昨今の日本経済の冷え込みや特に厳しい地域経済の状況も考慮し、減額は避けて通れない問題と考えており、今後、特別職報酬等審議会に諮ります。 また、議員定数については議会に主権があるので、議員の皆様の討議を待ちたいと考えている。
市の財政規模と人口動向を考慮した場合、一般行政職員の適正規模(人数)についての考えは。
合併当初709人の職員が、本年4月1日現在では554人、適正化に向け着実に進めているところ。しかしながら、現在の人口一千人当たりの職員数は13.81人で、これは類似団体の平均9.75人に比較して多い現状。 また、職員の適正規模を類似団体の平均から試算すると371人となるが、行政区が広範囲であることもあり、行政サービス維持のため必要な職員数を確保しながら、適正化に努めていく。
未納金、未収金の合計額と回収のための対策は。
5月31日現在では、市税等の平成20年度の未納・未収金の合計額は、現年分・滞納繰越分で6億1611万1499円。現年分では、調定額58億3292万7961円に対し収納額56億8055万5025円で、収納率は97.39%、未収率2.61%、1億5203万1681円の未収金。滞納繰越分は、調定額26億9404万805円に対し収納額21億4039万9885円で、収納率は79.45%、未収率20.55%、4億6407万9818円の未収金。回収の対策として、催告の見直しやインターネット公売の実施、昨年度に引き続き県の収納専門職員の派遣による収納強化、滞納整理機関の広域組織化を推進するプロジェクト等を通じ徴収体制の強化を検討していく。 また、保育料、介護保険料、水道料金、住宅使用料、学校給食費負担金等についても、督促、電話催告、自宅訪問、納付相談による計画的な分割納付等、継続して収納率向上に努める。
2.農業振興について
農業従事者の高齢化、後継者不足の現状に対し基幹産業の農業振興への対策は。
品目横断的経営安定対策を契機に、認定農業者を中心として集落営農組織が42組織設立され、これら組織体制の構築により、農家人口の減少及び高齢化に対して対応できるものと考えている。 また、集落営農組織を法人化することにより、労働力の低減やコスト低減により、経営上も発展できる可能性があるので、今後も法人化に向け各関係機関と連携を図りながら進めていく。
集落営農へ国、県では法人化を進めているが行政の指導は。
効率的かつ安定的な農業経営に向けた営農組織の法人化への誘導を、各関係機関が構成員となっている北秋田地域担い手育成総合支援協議会及び一昨年から県振興局主催で行われている「北秋田未来塾」等を活用し、引き続き鷹巣町農協管内4組織、あきた北央農協管内6組織を重点支援対象組織として法人化への誘導を進めたい。
3.教育について
高校統合後に県有施設の用地、建物について、利活用の考えは。(県では建物は解体予定)
市として高校跡地や建物について取得するかは、現在白紙。
国指定の伊勢堂岱遺跡、国重要文化財指定の胡桃館遺跡等について今後の保存、活用の取り組みは。
伊勢堂岱遺跡は、平成19年に整備基本計画を策定し、平成28年度まで発掘調査を計画している。出土品は文化会館で展示公開しているが、これからも積極的に公開していきたい。胡桃館遺跡は、出土品が全国植樹祭で公開され話題を呼びました。現在、収蔵庫に温度、湿度を管理して保存している。収蔵庫の開け閉めで温度湿度が変化し、出土品が劣化する恐れがあるため一般公開はしていない。
体育館、公民館などの利用時間、使用料について各団体から要望があるが、解決策は。
使用料、利用時間は条例に基づき設定しているのでご理解願いたいが、高齢者が楽しみながら健康の保持増進を図ることは介護予防にも繋がるので、検討課題としたい。
吉田仁吉郎 議員(無会派)
順位:2−3
1.職員の意識改革について
職員のレベルアップのためウィークリー講座を。
今後機会をみて、幹部職員をはじめ全職員と情報を共有しあえる研修の場として、実施に向け検討したい。
日本一親切、ていねいな市役所作りを。
元気で活力のある北秋田市を創るためには、職員の意識改革が必要であり、今後とも指導を図っていきたい。
2.北秋田市の観光振興について
森吉山を中心とする観光振興を。
森吉山麓には、花の百名山をはじめ、ノロ川のブナの原生林など魅力のある観光資源が豊富にある。しかし、まだまだ全国へのPRが十分とは言えない状況にあり、今後も、商工会、観光協会等幅広い関係者の連携体制をより深め、森吉山麓一帯にある自然、食材、景勝地をフル活用し、体験型観光を主体とする誘客システムづくりに取り組みたい。
阿仁スキー場のゴンドラ運行にどのように対処しようとしているか
森吉山を中心とした観光振興や内陸線の利活用にとってもゴンドラ運行は欠かせない。スキー場を運営しているウインター社が休止の意向のため、施設を借り受けて運行に取り組もうとしている地元NPO法人が索道事業の許認可を取得するまで、ウインター社には営業してもらえるよう協議中であり、その後の法人による運行については支援を行いたいと考えている。
森吉山ダム完成後の周辺観光を図るべきと思うが。
現在、周辺利用方針に基づく整備計画を、周辺基盤整備工事はダム工事事務所、上物工事及び利活用経費は市とする方向で検討を進めている。 周辺整備施設や広報館について市と委託管理契約締結を行って、移管をする方向にあり、将来の施設運営管理経費による財政圧迫も予想されることから、阿仁前田から奥森吉方面の資源を十分考慮し、必要最小限の周辺整備に止めたい考えている。今後充分な協議を行い、有効活用を図りたい。
3.秋田国体アーチュリー会場の活用について
跡地利用は。
この土地は、平成4年に旧阿仁町が運動公園用地として所得した土地で、国体終了後、アーチェリー協会より、競技会場として継続してほしい旨の要望がだされたが、競技人口の少なさや、維持費等の理由により断念したと聞いている。今後、この土地に運動公園を作ることは、財源的な問題もあり難しい。工場用地等のような土地の活用については、具体的な動きが出てきた段階で検討したい。