2009年06月23日
コンテンツ番号6828
木質バイオエタノール製造実証プラント竣工
(2009.6.23)
市が建設誘致をして坊沢字大野宮後地内で建設を進めていた、独立行政法人 森林総合研究所(茨城県つくば市)の木質バイオエタノール製造実証プラントがこのほど完成、23日、北秋田市交流センターでの竣工式の後、現地でテープカットが行われました。
竣工した木質バイオエタノール製造実証プラントは、森林総合研究所が事業実施主体となり林野庁の森林資源活用型ニュービジネス創造対策事業の「木質バイオエタノール製造システム構築の実証事業」で建設したものです。
実証プラントでは、平成24年度まで東大、早大、県立大と共同で未利用森林資源を活用し、木質バイオマスから新たなエタノール製造システムの確立をめざす実証試験が行われます。
木質バイオマスは、エネルギー利用、製品の原料利用が進んでいる一方、林地残材、間伐材などについては、収集・運搬コストの問題で利用されておらず、木質バイオマス発生量の約4割が利用されていないのが現状。新たな製造システムの確立で、化石に由来する燃料のバイオエタノール代替が推進され、社会的効果として地球温暖化防止、低炭素社会実現などが挙げられるます。
竣工式での来賓あいさつで津谷市長は、「木質バイオエタノール製造システムの実証には、木材による石油代替エネルギーの確保のみならず、林業における新たな産業を創出するなど、そうした課題の解決にも寄与し、林業の振興に結びつけていけるのではないかと大きな期待をよせており、バイオエタノール、ペレットなどの木質バイオマス資源の価値に大きな夢を抱くとともに、バイオマスを活用した地域振興、新たな産業の創出を本市から全国に向けて発信したい」と述べ、建設により豊富な森林資源を活用した地域産業の振興面から事業化に期待を寄せた。
バイオマスとは
- 再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの
- 太陽のエネルギーを使って生物が合成したものであり、生命と太陽がある限り、枯渇しない資源
- 焼却等しても大気中の二酸化炭素を増加させない、カーボンニュートラル(長期的に大気中のCO2を増加させない)な資源
廃棄物系バイオマス
- 廃棄される紙
- 家畜廃せつ物
- 食品廃棄物
- 建設発生木材
- 製材工場残材
- 黒液(パルプ工場廃液)
- 下水汚泥
- し尿汚泥
未利用バイオマス
- 稲わら、麦わら
- もみ殻
- 林地残材(間伐材、被害木等)
資源作物
- 飼料作物
- でんぷん系作物 等
バイオマスの特質
- 農林水産業、農山漁村から発生するものが多い
- 広く薄い存在
- 取り扱いずらい
- 地域偏在
- カーボンニュートラル(長期的に大気中のCO2を増加させない)
- 廃棄物処理されていたものが再利用できる