2009年06月27日
コンテンツ番号6832
第20回ブナ林と狩人の会「マタギサミット in 阿仁」
(2009.6.27)
第20回ブナ林と狩人の会「マタギサミット in 阿仁」が6月27日、阿仁ふるさと文化センターで開催され、県内外から150名が参加し、狩猟環境の現況や課題などについて理解を深めました。
マタギサミットは、田口洋美 東北芸術工科大学教授の研究活動がきっかけとなり、日本に点在する「マタギ」と呼ばれる伝統狩猟者が一同に会し、狩猟の役割や中山間地域の生き残りや野生動物の保護管理のあり方などについて議論し、理解を深めることを目的に、毎年長野県や山形県、秋田県、新潟県などの各地域で開催されています。
開会式で、津谷永光市長は「第20回と節目にあたるマタギサミットが当市で開催されることは光栄に感じている。マタギ文化が継承されていることは、当地域の重要な特徴であり、貴重な財産と認識している。自然との共生や環境問題などの社会問題についても、いにしえから存在してきたマタギ文化に解決の糸口があるのではないかと思う。北秋田市を存分に堪能いただき、思い出の地として心に刻んでほしい」などと参加者らを歓迎しました。
続いて、田口教授は「狩猟と駆除の違いについて、駆除は地域の安全のために要請によって行われてきたもので、狩猟とは別のものであることが理解されていない。このために狩猟技術が継承されず、狩猟界の後退を招く原因になっている。マタギの技術を再評価し、われわれが訴えていかなければならない」などと技術継承などの問題点を指摘しました。
このあと、村上一馬 仙台高校教諭が「弘前藩におけるガバメントハンター」と題し基調講演。村上さんは「マタギの初出は1664年。マタギは猟師であり、熊の捕獲記録なども残っている。この時代は、熊を楯で捕獲していた。熊を捕獲し、藩に納めると年貢(税金)が減免される制度もあった。秋田のマタギが弘前藩まで来て熊を捕獲した記録もある」などと解読した古文書をもとに研究成果を発表しました。
また、「狩猟と駆除」をテーマに村上教授をコーディネータにパネルティスカッションが行われました。
金澤千昭 秋田県自然保護課長、羽澄俊裕 野生動物保護管理事務所や長野県、山形県、秋田県などの狩猟者が参加。狩猟文化の理解を深め、各地域の課題や問題点について改善策などを探りました。
交流会では、根子番楽が披露されたほか。翌日は比立内や打当の猟場視察なども行われました。