2019年04月06日
コンテンツ番号3066
大きくなって帰ってくることを願い稚魚を放流
伊勢堂岱遺跡世界遺産登録推進サケ放流事業「第9回カムバック縄文サーモン」が、4月6日(土)に同遺跡近くを流れる湯車川で行われ、市民ら約20人が参加し、サケの稚魚約2万匹を放流しました。
この放流事業は、伊勢堂岱遺跡の世界遺産登録推進の一環として行っているもの。縄文人も遡上するサケを活用していたと考えられていることから、湯車川をサケが遡上するふるさとの川として環境保護を図り、遺跡周辺を「カムバック縄文サーモン」の中心地とし、世界遺産登録推進にも大きく貢献することを目的に、伊勢堂岱遺跡ワーキンググループ(佐藤善寿代表)、鷹巣漁業協同組合(湊屋啓二組合長)、市教育委員会の共催で行われました。
この日は、同遺跡ワーキンググループのメンバーをはじめ、ボランティアガイド、ジュニアボランティアガイド、秋田県全国豊かな海づくり大会推進室の職員など約20人が参加。縄文館で行われた開会式では、はじめに津谷市長が「湯車川は、縄文時代からサケが遡上してくる地域の貴重な資源である。これまで放流してきた稚魚を見に来る方も多くみられ、地域の活性化につながっている。伊勢堂岱遺跡でボランティアガイドをした子どもたちがふるさとに愛着を感じてもらえればと願う」などとあいさつをしました。
続いて、ワーキンググループの佐藤善寿代表が「縄文時代は湯車川のサケを食していたと言われており、縄文時代の食の土台となっていたのではないかと思う。このような活動を通して縄文人から受け継いだ文化を絶やさないよう、次代に引き継いでいく」などとあいさつ。また、鷹巣漁業協同組合の湊屋組合長は「今回は稚魚を県から1万匹、市教育委員会から1万匹の計2万匹を用意してもらった。秋田県のサケの遡上割合は0.5%と言われており、4年後には約100匹戻ってくる計算になるので、楽しみにしてもらいたい」などとあいさつをしました。
参加者らは、漁業の職員からバケツに入ったサケの稚魚を分けてもらい、川岸に並んで大きくなって帰って来るようにと願いながら放流し、川の中央に向かって泳いでいく姿を見送りました。放流された稚魚は、春の日差しが差し込む川面を力強く泳ぎ回り、下流に向かって泳いでいきました。
今回放流したサケは、体長3センチから4センチほどの稚魚で、平均4年で成長して戻ってくるといわれています。近年は放流事業の効果もあり、10月中旬から11月上旬頃に体長約70センチのサケの遡上が複数確認されています。