2009年02月16日
コンテンツ番号6879
浜辺の歌音楽館第82回演奏会「なつかしいレコードを聴く会」
浜辺の歌音楽館第82回演奏会「なつかしいレコードを聴く会」が2月16日(月)、浜辺の歌音楽館で開催されました。
折から猛吹雪の悪天候でしたが、平成12年に行われて以来久しぶりのレコードを楽しむ会には、音楽好きの市民が集まりました。
この日のチケットはドリンク付きで、参加者らは、コーヒーや紅茶を飲みながら和やかな雰囲気の中で音楽を楽しみました。
今回使われた蓄音機は故・福岡留之助さんから寄贈されたもので、当時は家が一軒建つほどの値段だったという話にみんな驚いていました。
蓄音機でSP盤レコードを聴くと、レコード盤が摩耗しやすいこともあり、実際に蓄音機で音を出したのは「旅愁」(関屋敏子作曲)だけでしが、普段CDのクリアな音を聴きなれた耳には、ノイズさえ新鮮に聴こえます。「ノイズが多いということは聴いた回数が多いということ。気に入られていたということ」という職員の説明に、みんな頷いていました。
そのあとは、回転数を切り換えることができるレコードプレーヤーで童謡や唱歌、戦前の流行歌などを楽しみました。 レコードの針が飛んだり、回転数を間違えてレコードをかけたりする度に、「懐かしい」と声が飛んでいました。
「さやけき朝のあかね雲 浜辺の丘にたたずめば」で始まる、成田為三作曲「浜辺の丘」は、平成3年に音楽館所蔵のレコードを整理していた時見つかったもので、当時マスコミでも報道されました。
このレコードは見本に作られたもので、ついに商品化されることのなかった幻のレコードです。この曲は初めて聞く人も多かったようです。 「かなりや」などの童謡の他、作曲者山田耕筰が自らピアノ伴奏をしている「この道」、藤原歌劇団創始者藤原義江のテノールで「宵待草」、日本で最初の流行歌手佐藤千夜子の「ゴンドラの唄」などに、みんな酔いしれました。
後半は美空ひばり、三波春夫、藤圭子などのヒット曲をSP盤・LP盤を織り交ぜながら聴きました。
参加者からは、「次回は蓄音機でクラシックを聴いてみたい」「ソノシートを聴いてみたい」といった声もあがっていました。
浜辺の歌音楽館のミーティング室にはNHKから寄贈を受けたものなど多数のレコードがあります。次回のレコードを楽しむ会には、その中から聴きたいレコードをご自身で選んで聴いてみませんか。
レコード盤の形状
SP盤(Standard Playing)
回転数 78r.p.m.(SP初期は盤により回転数にバラつきがあった) 直径 30cm(12インチ)または25cm(10インチ) 両面(初期は片面) 記録時間が30cm盤で片面4分30秒程度と短い。当初はラッパに吹き込むアコースティック録音であったが、1920年代より主流はマイクロフォンとアンプなどを用いた電気録音へと移って行く。 ラジオ放送用マスターなど一部の用途では16インチ盤も使われた。 モノラル記録 古くからのレコードは全てこれである。経年変化により特に脆いため、よく「落とすと割れる」と表現される。
LP盤(Long Playing)
回転数 33 1/3r.p.m. 直径 30cm または 25cm 両面 長時間記録できるので、クラシック曲の収録やアルバムとして使用された。 モノラルまたは 45-45 ステレオ記録(一時は4チャンネル記録も) 1分に33 1/3回転という速度は、無声映画のフィルム1巻15分の間に500回まわるというところに由来する。
ソノシート
ソノシートは朝日ソノラマの登録商標で、フォノシート、シートレコードなどが正式名称である。薄く曲げられるビニール材質のレコード。一般的には17cm盤が多く、音質は良くないが製造コストが安いため、ビニール盤が高価だった頃に重宝された。1970年代以降は、単独で販売するより雑誌の付録として綴じ込んで販売されることが多かった。薄い為、折り目が付くとその部分を境に盤面全体が急斜面状に大きく歪み、針飛びの原因になり易かった。
(2009.2.16)