2010年11月13日
コンテンツ番号6671
第5回浜辺の歌音楽祭
第5回浜辺の歌音楽祭(加賀隆寛・実行委員長)が11月13日(土)、北秋田市文化会館で開催され、市内の保育園児や小中学生、コーラスグループが成田為三の楽曲や思考を凝らした合唱曲を発表し、美しい歌声を響かせました。
同音楽祭は、「浜辺の歌」をはじめ、優れた童謡や歌曲などを数多く作曲し、日本を代表する作曲家として知られる米内沢出身の成田為三(1893 -1945)を顕彰するとともに、歌声のあふれる活気あるまちづくりにつなげることを目的として開催されています。
今年の音楽祭には、保育園児、小中学生、一般のコーラスグループなど21団体が参加、約580人が出演しました。
開会式で、三澤仁教育長は「音楽祭は5回目を迎え、ひとつの節目を迎えた。5年前の市町村合併のときに、市民が心から喜べる楽しいイベントとして考えられたもの。成田為三先生が、生前に作曲した楽曲は179曲。今日はその中から、キラリと光る名曲を皆さんで歌ってほしい」などとあいさつ。
佐藤唯直副市長の祝辞のあと、加賀実行委員長が記念演奏者の3人を会場の皆さんに紹介し、午前・午後の2部構成でプログラムが始まりました。
午前中の第1部には「はまべのうたキッズ」「鷹巣中央保育園・鷹巣東保育園」「合川西小学校」「浦田小学校」など12団体、午後からは、「森吉中学校」「鷹巣混声合唱団」「女声合唱団る・それいゆ」など9団体が出演。各団体は、「赤い鳥小鳥」「秋田県民歌」「葉っぱ」など為三が作曲した曲1曲を含めて、それぞれ2曲から3曲を発表しました。
オープニングを飾った「はまべのうたキッズ」の発表では、児童らが「赤い鳥小鳥」「手紙を出したよおばあちゃん」などを合唱。子どもらしい元気溢れる歌声に、満場の観客からは大きな拍手が送られました。また、米内沢小学校の発表では、成田為三が作曲した「秋田県民歌」を合唱。多くの県民に愛される歌を、心をひとつにして美しいハーモニーを響かせました。
今回は、秋田大学から「郷土の音楽素材ライブラリ」として、成田為三の音楽を研究している、齋藤洋(よう)・教育文化学部准教授と爲我井壽一(ためがいひさかず)同学部准教授が出演し、為三の楽曲を演奏しました。齋藤准教授は「メヌエット」「浜辺の歌変奏曲」を演奏し、美しい旋律をピアノで表現しました。また、爲我井准教授は「安房にて」「望郷の歌」「木の洞」をテノールの迫力ある歌声で表現しました。
また、記念演奏では、ソプラノ歌手の佐藤容子さんが「鳩笛の唄」を、メゾソプラノ歌手の佐藤寛子さんが「かなりや」をそれぞれソロで歌い、また、「まっかな秋」「赤とんぼ」「浜辺の歌」をデュエットし、秋の情景が浮かぶような、伸びやかなハーモニーを披露しました。ピアノの前田拓郎さんも、楽曲の美しい旋律を奏でて、2人の歌声とともに為三の魅力を存分伝えました。
音楽祭の最後には、加賀実行委員長の指揮で、出演者全員が会場の観客と一緒になって「秋田県民歌」を合唱し、歌う喜びや楽しさを分かち合い、世代を超えて為三の音楽を歌い継ぎました。
記念演奏者紹介
ソプラノ:佐藤容子(音楽博士)
山形県出身。 東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。同大学院修士課程独唱科修了。
同大学院博士後期課程修了。2010年3月、博士号(音楽)取得。 2010年4月より、東京藝術大学声楽科助手に就任。
第17回奏楽堂日本歌曲コンクール第2位。第75回日本音楽コンクール入選、併せて「木下賞」(日本歌曲最優秀歌唱賞)受賞。「三菱地所賞」受賞。
近年は、専門分野である日本歌曲や童謡・唱歌のコンサート、ワークショップ、 講演等、全国各地で精力的に活動を行っています。
メゾソプラノ:佐藤寛子
山形県出身。東京藝術大学音楽学部声楽家卒業。同大学院修士課程独唱科修了。東京藝術大学音楽学部言語芸術・音楽文芸研究室助手。
第54回全日本学生音楽コンクール声楽部門高等学校の部全国大会第1位。
第73回選抜高校野球開会式で「君が代」独唱。第20回奏楽堂日本歌曲コンクール声楽部門第1位。
現在は、フリーの歌い手として、宗教曲のソリストや日本歌曲、童謡、唱歌のコンサート、ワークショップ等に取り組んでいます。
ピアノ:前田拓郎
長崎県出身。東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程修了。
第4回安川加壽子記念コンクール 第1位、及び安川加壽子音楽賞受賞。第2回ショパン国際ピアノコンクールin ASIA派遣部門 金賞、及びFaith賞受賞。
現在は、東京藝術大学菅打楽器科非常勤講師(伴奏助手)、東京成徳大学非常勤講師を務める傍ら、ソロ演奏をはじめ、室内楽等で各地の演奏会に多数出演、活動の幅を広げています。
(2010.11.13)