2010年10月09日
コンテンツ番号6646
県立鷹巣農林高等学校閉校式
県立鷹巣農林高等学校(佐藤英樹校長、生徒数239人)の「閉校式」と「思い出を語る会」が10月9日(土)、同校と中央公民館で行われ、地域と歩んだ1世紀の歴史と伝統を振り返えりながら思い出を語り合いました。
同校は、明治42年に本県としては初めての郡立実業学校となる北秋田郡立農林学校として旧鷹巣町七日市に開校しました。大正2年に新校舎が現在の伊勢堂岱に完成し、県立農林学校として歩み出しました。昭和25年に町立鷹巣高等女学校の普通科、被服科を併合し、総合性高校となりますが、昭和42年に普通科、家政科が県立鷹巣高等学校として分離・独立して、今日まで農林専門高校として歩んできました。来春、市内の4高校が統合し、秋田北鷹(あきたほくよう)高等学校が開校となるため、同校は今年度で閉校となります。
閉校式を前に、昨年創立100周年を迎え、同校敷地内に記念碑が建立され、その除幕式が行われました。記念碑は、黒御影石で幅117センチ、高さ86センチで校歌が刻まれています。100周年記念事業実行委員長の秋元哲郎さんが「今日の除幕式を持ちまして、100周年事業が終了したことになります。このあと統合で学校名が変わります。慣れ親しんだ人にとっては残念でありますが、若い人たちにすべてを託して校名を上げてもらいたい。故きを温めて新しいものに邁進していくことも大事。碑はものを言わないが心ある人には必ず語りかけてくれる」とあいさつしました。
式典では、佐藤校長が「創立当時から秋田杉の保護育成と豪雪寒冷地の農業振興を課せられてきたが、歴代の校長先生を始め有能な教職員が献身的に生徒の指導にあたり、16,000有余名を輩出し、各分野で先駆的な役割を果たして、全国で活躍していることを誇りとする。同窓生の皆さん、お互いに学んだ時代は違えど学舎での素晴らしい一コマ一コマを後世に末永く語り継いでください。在校生の皆さん、豊かな未来を担うため地域を支え何事にも積極的に取り組み、自分の役割を果たしてください。1.2年生は統合後の伊勢堂の森で学べる喜びをかみしめ、夢の実現に向けて自分の可能性を追い求めてください」などと式辞を述べました。
続いて、閉校記念行事実行委員長の佐藤将人さんが「鷹巣農林高校の1世紀の歩みにピリオドを打つことは残念であるが鷹巣農林の名は思い出とともに私たちの心の中に刻まれるはずです。歴史ある鷹巣農林高校の伝統を受け継ぐ秋田北鷹高校の飛躍を願います」などとあいさつ。
来賓として津谷市長は「農と林の実学を修める学校という特色を発揮しながら、地域との関わりが大きいものがあったと思います。地域に愛され、地域の誇りとして歴史を積み重ねてきた鷹巣農林高等学校が統合により名前がなくなることは大変寂しい思いがするが、これまでの歴史と伝統は新たに秋田北鷹高校へと確実に引き継がれ、さらに大きく発展されるものと確信しています。在校生の皆さんは秋田北鷹高校に引き継がれることに立ち会うことを誇りに、さらに自らの研鑚に励み大きな可能性に向かって邁進されることを望みます」などとあいさつしました。
また、同窓会長の九嶋賢鋭さんが100年にわたる長い歴史の中で母校の教育にあたってこられた教職員や温かく見守ってくれた方々に感謝しながら「新たな歴史を歩み始める生徒の皆さん、来春から秋田北鷹高校に学ぶ皆さんが確かな歩みができるように同窓が力を合わせ、支援する仕組みを整え生徒の皆さんの各種活動を支えていきたい 」などとあいさつを述べました。
引き続き、鷹巣農林高校の教育振興、発展に寄与した個人や団体に感謝状、永年勤続された教職員の皆さんに表彰状の贈呈が行われました。
最後に、3年生の岩本大幸生徒会長は「今年は鷹巣農林高校最後の年ということで、学校行事を始め部活動などさまざまな分野で鷹農の名を残すよう努力を重ねてきました。3年生は入学して以来最後の生徒と言われてきたが、鷹巣農林と言う名を背に克つ責任の重さと共にこのような記念すべき年に在学できたことを大いに誇りに思います。この学舎で大切な若き日々をすごした諸先輩の笑顔と声があちこちあふれているのが感じられます。諸先輩が築かれた伝統と歴史、この校舎で過ごした日々は色あせることなくいつまでも私たちの母校として存在し続けることと思います。鷹巣農林高校の魂は北鷹高校という新しい命に引き継がれ、より一層発展するものと確信します」などと在校生を代表してあいさつをしました。
式典終了後、「伊勢堂の森を語る会」が中央公民館で開催され、卒業生や旧職員などが閉校を惜しみながら思い出を語り合っていました。
(2010.10.9)