2010年10月30日
コンテンツ番号6621
米内沢高校「ホームカミングデー」
米内沢高校(佐々木潤子校長、生徒数109人)の「ホームカミングデー」が10月30日(土)、同校で行われ、来春4月の統合を前に参加した生徒、同窓生など約350人が65年の歴史と伝統を振り返りました。
同校は、昭和20年に秋田県立大野岱女子農業学校として開校したのが始まりで、昭和22年4月に男女共学の秋田県立米内沢農業学校と改称。昭和23年4月に学制改革により秋田県立米内沢高等学校にとなり男女共学総合高等学校として、農業、普通、家庭の3課程を設置。昭和24年定時制課程を設置し、その後は時代のながれとともに家政科、機械科、電気科など数々の学科の変遷、学級の増減を経て今日まで歩み、卒業生は10,393を数えています。
来春、市内の4高校が統合し、秋田北鷹(あきたほくよう)高等学校が開校となるため、同校は今年度で閉校となります。
ホームカミングデーは「ようこそ懐かしの学舎へ〜語り継ぐ歴史と伝統〜」をキャッチフレーズに統合を控え、これまでお世話になった方々を迎え、生徒とともに65年の歴史と伝統を引き継ぐ会として企画。会の進行は生徒たちが行いました。
はじめに「森吉清掃登山」「カルタ大会」と並ぶ同校の特色ある学校行事の一つの「着付け」が披露されました。着付け大会の歴史は、昭和23年に家庭科が設立され、最初は家庭クラブの一行事でしたが、昭和31年頃に着付け大会を実施し、昭和36年には、全校行事として第1回全校着付け競技会を開催。その後家庭科は家政科と改編し、伝統行事として続けられテレビや新聞等のマスコミにも多数取り上げられました。昭和59年に家政科が廃止されたことをきっかけに、着物を持っている生徒や保護者の減少したこともあり、平成5年に行われた第33回大会を最後に時代の流れの中で自然消滅しましたが、平成20年に米内沢高校の最後を飾る統合への橋渡し行事として14年ぶりに復活しました。ステージで代表7組の生徒が手際よく着付けを行い、参加者は大きな拍手を送りました。
続いて思い出のDVDが上映され卒業アルバムなどから伝統と歴史振り返りました。
佐々木校長は「地域の中の学校、地域に根ざした学校が米内高校の姿でした。卒業生は地元のみならず全国各地で社会の中枢として活躍しています。部活動では柔道部の東北大会優勝をはじめ女子スキー部のインターハイリレー4連覇など輝かしい偉業は秋田県スポーツの歴史に燦然と輝き、近年においてもインターハイリレーや個人種目で素晴らしい成績を上げ伝統を引き継いでいます。今年はスキー部OGからオリンピック選手が出たことは在校生や地域の大きな励ましとなりました。この学舎で青春の貴重な3年間をすごし、勉学や部活動、生徒会活動に励んだ卒業生の方々、生徒の成長と自立を目指して情熱を傾け米内沢高校発展にご尽力くださった旧職員、校舎内外の環境や施設整備の充実などあらゆる面でご支援してくださった地域の方々、保護者のみなさんに感謝します。自分を育んでくれた地域や母校はいつの時代でも誰にとっても自ら生きる原点として大切なものです。森吉山の気高さ、阿仁側の清らかさ、大野台のたくましさを。在校生のみなさんは米内沢高校の体験とその仲間を折に触れ思い出し、自分の拠り所となる地域と米内沢高校という学舎について自信と誇りを持って堂々と説明できるよう大切に心に刻んでください」などとあいさつ。
続いて、同窓生・旧職員でカルタ大会を始められた和田満春さんとインターハイ4連覇の女子スキー部監督だった佐々木淳子さんがそれぞれ米内沢高校の思い出として講演をしました。
生徒代表あいさつでは笠井大勢生徒会長が「米高として最後の年、この記念すべき年に3年生は最後の卒業生になれることを誇りに感じます。先輩たちを見習いどんなことにでも夢や目標を持って自ら進んで挑戦できる人間を目指し、自分の人生を歩んでいきたい。1・2年生は統合校でも他校の生徒と協調し合い、これまでの学校生活で得た米高生としての自信と誇りを新しい学校の反映につなげてほしい」などとあいさつ。
続いて板垣彩さんが「先輩たちと制服が違うことに戸惑いながらも、統合校の1期生であることを実感しました。米内沢高校で行事をはじめ伝統に関わりいろいろな人とふれあい、絆が生まれたと思います。米内沢高校は私たちを成長させてくれた場所でした。1.2年生のみなさん、新しい環境に不安もあると思いますが自分らしく、米高生らしくみんなで支え合って統合校を盛り上げていきましょう」と生徒を代表し決意を述べました。
式の最後に、参加者全員のよる校歌の斉唱が行われました。
また、同窓会記念碑の除幕式が旧正門隣で行われました。松田光朗同窓会会長が「学校がなくなることは心の中では大変なことだと思いますが、記念碑を残してみなさんの心のよりどころにしたいということで寄付をいただき建立できました。米内沢またはこの地域に来たときには是非立ち寄っていただきたい」などとあいさつし除幕が行われました。記念碑は御影石で約幅75センチ、高さ75センチに「65年の星霜を刻む一万有余のわれらの学舎米内沢」と刻まれています。今後台座や隣に校歌プレートなども整備されます。
この後、会場を森吉コミュニティセンターに移し、同窓生、旧職員、地域の方々が参加して思い出を語る会が行われ、閉校を惜しみながら思い出を語り合いました。
(2010.10.30)