2010年09月05日
コンテンツ番号6612
大館北秋田支部総合防災訓練
大館北秋田支部総合防災訓練が9月5日(火)、鷹巣地区及びその一円で開かれ、消防団員や市民ら約300人が参加し、消火活動や人命救助などの訓練が本番さながらに行われました。
同訓練は、北秋田市防災訓練計画に基づき、大規模地震による災害等の発生を想定し、各防災関係機関の緊密な連携、協力のもとに実践的な総合訓練を行い、市民と防災関係機関が一体となって連絡、協調体制を確立し、迅速・的確な応急活動を実施するとともに、広く市民に防災思想の普及・啓発を図ることを目的として実施されるものです。
この日の訓練は、9時30分森吉山を震源とするマグニチュード6.9の地震が発生し、鷹巣地区では最大震度6強を記録、余震が頻発している。鷹巣地区では、火災発生や家屋の損壊、ライフラインの寸断、土砂崩れなど甚大な災害が発生。市は災害対策本部を設置し、被害情報等の収集にあたった。他市町村から応援が期待できない中での消火活動や人命救助の活動を実施することを想定して行われました。
9時30分に災害発生が確認され、市長を統監として災害対策本部が設置されると、統監からの指示により、ライフラインの被害調査や支援物資の確保などの対策を行い、各窓口センターから被害情報を収集するなど本番さながらの訓練が始まりました。
水難救助訓練は、米代川河川敷で行われ、鷹巣橋から米代川に車が転落し、2名の救助が必要と想定。1名は救命策発射銃でロープを投入し救助、もう1名はボート及び水中捜索により救助を行いました。
米代児童公園から鷹巣駅前通りでは、消防自動車が出動し、各消防団による火災防御訓練、市民が参加した市民バケツリレーで初期消火訓練も行われました。また、市中央公民館では、2階から怪我をした人を担架に乗せたまま地上に下ろす訓練や屋上に取り残された人をはしご車で下ろす訓練も行われました。
また、日赤奉仕団、婦人消防隊の炊き出し訓練が実施され、ビニール袋に小分けにされた米を、大きな鍋で煮て、大量のご飯を炊きあげて、全員でおにぎりを作りました。
このあと、県防災ヘリコプター「なまはげ」が出動、市交流センターの上空にホバリングしたヘリコプターから隊員が屋上に降りて、隊員が傷病者をヘリコプターに救助し、市民病院に搬送しました。また、市民による消火器訓練も行われ、参加者は消火器を持って大声で周囲に火事ぶれしたあと、煙が充満したテント内を通り、天ぷら鍋から上がった火を消火器で消し止めました。
閉会式で、統監を務めた津谷市長は「今回の訓練は、大規模地震を想定し、水難救助や火災防御訓練など本番さながらの訓練を行った。消防本部はもとより、地元消防団との連携した活動を確認し、非常に心強く思った。災害の際に大切なことは、自助、共助、公助であると思う。災害の初動段階では、自らの身は自分で守るという自助、地域の皆さんの協力体制という共助の精神が非常に重要です。災害は忘れたことにやってくるというが、このような防災訓練を実施することにより、住民の皆さんの防災意識が高まることを期待したい」などとあいさつ。
藤島孝雄消防長は「災害対策本部の立ち上げから情報収集、救急救助活動、消火活動など様々な訓練に行われた、それぞれ真剣に取り組んでいただき、訓練初期の目的は概ね的確に行われたと考えている。しかし、今日の訓練は予め想定された条件のもとで行われたもの、現実の災害現場でも、各機関が連携して、訓練が有効活用できるようにしてもらいたい。消防本部隊員や消防団員は、これに満足することなく、住民の不安と取り除くため、万全を期す必要があることを忘れないでもらいたい。自然災害は止めることはできないが、それに伴う被害は最小限に食い止めることができる。普段からの備えと心構えをもって防災意識の高揚につなげてもらいたい」などと訓練を講評しました。