2010年09月18日
コンテンツ番号6599
第10回北秋田市縄文まつり
国指定史跡「伊勢堂岱遺跡」など市の縄文遺跡と文化をPRする「第10回縄文まつり」が9月18日(土)、伊勢堂岱遺跡を会場に開催され、子どもたちや考古学ファンらが遺跡見学や勾玉づくりなどで縄文時代を楽しみました。
縄文まつりは、平成13年に同遺跡が国の指定史跡に指定されたのきっかけに、伊勢堂岱遺跡に関心を持ってもらい、また子供たちにも体験学習の場を提供しようと始まったもので今年が10回目。
同遺跡は「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」(秋田県など4道県)として世界遺産暫定リスト入りしたことから関心も高く、多くの人たちが訪れました。
伊勢堂岱遺跡はあきた北空港(大館能代空港)そばの台地上に位置する縄文時代後期前半(今から約4千年前)の遺跡で、平成7年に同空港アクセス道路建設に先立つ発掘調査で発見されました。直径30mを超える4つの環状列石(ストーンサークル)や配石遺構、掘立柱建物跡、土壙墓、捨て場など、多くの祭り・祈りの施設が見つかり、大規模な祭礼の場ではないかと推測されています。
遺存状態がよく学術的価値が高いことから、平成13年1月、国の史跡に指定され、平成19年からは、青森、岩手、秋田の北東北3県と北海道が、伊勢堂岱遺跡や大湯環状列石、三内丸山遺跡など15の縄文遺跡を「北海道・北東北の縄文遺跡群」と名付けて世界遺産登録運動を展開、平成20年12月に暫定リストに登録されています。
この日の開会セレモニーでは、同遺跡のガイドやPRを務めるボランティアグループ「伊勢堂遺跡ワーキンググループ」の佐藤喜美男会長が、「この遺跡は北秋田市の財産だけでなく周辺の財産、秋田県の財産、そして日本の財産。世界遺産登録になるためには市民の応援、後押しが絶対必要。これからますますわれわれの力が必要で、3年後5年後といわず今日から日本の国の宝になるように一生懸命がんばりたい」などとあいさつ。
続いて、三沢教育長が「伊勢堂岱遺跡を含めた縄文遺跡群が世界遺産の登録をめざして4道県が力を合わせて歩んでいます。今から1万年も前に出現した縄文時代であり8千年続いた。縄文人は自然と共生し人々が力を合わせて平和な暮らしを続けた時代で、日本人のふるさとでもあります。何よりも大事なのはここに住む私たち一人一人のあつい思いが世界遺産登録に向けての大事な取り組みとなるのでよろしくお願いします」とあいさつしました。
会場では、ボランティアガイドによる遺跡見学会が行われたほか、土器や当時の装飾品だった「勾玉(まがたま)」づくりコーナー、弓矢の的当て、火おこし体験コーナー、縄文クイズなど盛りだくさんのイベントで、縄文文化をPR。また、縄文時代の衣装を着ての記念撮影や、縄文パンやクッキーが焼かれ来場にサービスビスが行われたほか、「縄文音楽祭」として縄文をイメージした音楽の演奏や踊りが行われました。
各コーナーでは、伊勢堂岱遺跡ワーキンググループのメンバーなどがボランティアスタッフとして協力し、訪れる人たちの指導や遺跡のガイドでまつりを盛り上げていました。
また、最寄りの秋田内陸縦貫鉄道小ヶ田駅では、「ないりっくん」と「じゅうべい」がお出迎え、伊勢堂岱遺跡と合わせて内陸線のPRを行いました。
(2010.9.18)