2010年09月30日
コンテンツ番号6591
消費者問題研修会
消費者問題研修会が9月30日(木)、森吉コミュニティセンターで開かれ、約130人が参加し、悪徳商法や振り込め詐欺などの事例を学び、消費者問題について理解を深めました。
同研修会は北秋田市・上小阿仁連合婦人会(中嶋洋子会長)の主催。悪徳商法や振り込め詐欺、食品偽装表示など、消費者生活の安全・安心を脅かすような出来事が発生していることから、日々安心して暮らしていくためにも、犯罪の手口や事例を学び、被害にあわないようにしようと開かれたものです。
開会にあたり、中嶋会長は「最近、県内で息子を語って年金を振り込ませようする電話がかかっており、美郷町では50万円を振り込んでしまった例もある。悪徳商法等の手口を学ぶことは被害防止に繋がる。もし、被害にあっても相談すると被害回復の道にも開ける。様々な手口の消費者問題が発生している。これらの不安を解消するためにも、しっかりと学び被害にあわないようにして、安心安全な暮らしを実現しましょう」などとあいさつ。
来賓の津谷市長は「世の中がめまぐるしく動いており、昔では考えられない様々消費者問題が発生している。消費者にとっては息つくひまもなく、常に緊張していなければいけないような状態になっている。市としても、相談窓口を設置したり、事例などの啓蒙に務めています。しかし、この問題は消費者一人ひとりが研修等を通じて、手口や事例の情報を得て、被害にあわないようにしていくことが大切です。さらに、その情報を地域内で声を掛け合って、共有していくことが非常に効果がある。この研修会によって、市民の被害が少しでも減るように学んでほしい」などと祝辞。
このあと、山口謙治弁護士(大館市)が「最近の消費者問題の被害防止について」と題し講演。山口弁護士は、消費者金融業者の武富士が会社更生手続きを開始したことにふれ「武富士の金利は、利息制限法より高い金利で消費者にお金を貸していた。ある要件を満たすと高い金利で貸してもいいとされていたが、最高裁で更に様々な要件を満たす必要があるとの判断があり、利息を払いすぎていた債権者から過払いしたお金を請求されてこのような事態になった。私のところにも、5年間で200人以上が相談にきており、多い人は500万円以上請求した方もいる。しかし、今回のように会社自体が倒産すると、回収できなくなるので、早めに対応することが大切です」などと消費者金融の仕組みなどをわかりやすく説明しました。
また、「借りる人は、法律より高い金利で借りているという意識がない。困窮している状態を脱却することしか考えていないので、物事の本質を見失っている。これは貸金だけではなく、訪問販売や振り込め詐欺などにも共通していること。まずは、冷静になってもう一度再考するとか、だれかに相談するなどして行動してほしい」などと消費者心理についても解説しました。
最後に、市から「北秋田市の消費生活相談の現状」として報告。生活課地域推進班の津谷尚志主査と辻永麻美・消費生活相談員が、市に消費生活相談窓口が開設されたことや窓口の役割、被害の事例や相談の状況などについて説明しました。会員らは、身近な情報に耳を傾けて、被害にあわないように理解を深めました。
(2010.9.30)