2019年03月04日
コンテンツ番号3045
市の観光資源の在り方などについて3議員が一般質問
平成30年度北秋田市議会の3月定例会の本会議が、3月4日(月)に議事堂で再開され、3議員が「市民提案型まちづくり事業」や「市の観光資源の在り方」などの事項について一般質問を行いました。
このうち、市民提案型まちづくり事業へ積極的に参加するよう広く呼びかけるべきではとの質問に対し、津谷市長は「行政評価委員会からの指摘や、多くの方々からの要望を受け、今年度から小規模でも幅広く申請できるように補助率や上限額を改正しており、今後も市民・団体からの意見をもらいながら幅広く事業をPRしていく」などと答弁。
また、当市が目指す観光産業についてとの質問に対しては「第2次総合計画で示している数値目標を目指し、滞留型観光の推進やトップセールスなどに取り組みながら、観光事業者の経営安定化を図っていく」などと答弁しました。
各議員の質問と、市長ほか市当局の答弁の要旨は次のとおりです。
福岡由已 議員(無会派)
(順位:1-1)
1 市民提案型まちづくり事業について
①市が目指す『市民提案型まちづくり事業』とはどのようなものか
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募集要項には『制度の概要』として、この事業について説明されている。広く募集すべきと考えるが制約はあるか
この事業には要綱以外に特別な制約はありませんが、営利を目的とするものや施設の維持管理、宗教団体等が実施する事業は対象外としており、募集は市の広報紙をはじめ、ホームページや新聞等へ掲載して周知を図っています。
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当局が特に推進したい事業はどのようなものか。また、これまでに実施した事業で、評価しているのはどのようなものか
これまで採択された事業はそれぞれに特徴があり、優劣をつけるものではないと考えています。
今後も市民の皆様には、自らが地域課題の解決や地域振興に取り組み、地域における担い手を育成できるような事業を推進してもらいたいと考えています。
②申込書の提出・受付から結果公表までの流れについて
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申込書を受理するまで当局はかなり指導していると考えられるが、指導のうえ提出しても、採択されない場合があるが、その理由は何か
事業の申し込みについては、予備審査と本審査があり、申請に必要な書類を生活課に提出していただいた段階で、応募要件や収支予算書の見直しが必要なものに対し、予備審査としてアドバイス的な指導をしています。 その後は、本審査である審査会において、事業の内容や添付資料の確認を行い、ヒアリング審査を経たうえで採択の可否が決定される流れとなっています。
なお、本審査では公益性や目的性、計画性などを審査の基準としていますので、予め申請者の方には、申請された事業の全てが採択されるわけではないという旨を伝えています。 -
受付期間や審査の結果の通知はどのようになされているのか
受付期間の周知については、市の広報紙やホームページのほか、市の施設に募集要項を配置していますし、定期的に地元新聞社に募集記事や事業の内容を掲載しています。
また、審査結果については、申込み団体の代表者宛に通知書を交付していますが、不採択となった団体に対しては、その理由を説明の上、通知しているところです。 -
この事業は市民対象のため、県より採択しやすいようにすべきでないか
県の事業である「元気なふるさと秋田づくり活動支援事業」は、申込みが年1回であることに加え、全県で5件程度の採択予定となっています。
一方、当市の事業は申込みを年4回予定しており、対象事業という枠を設けず、市民の皆様の自由な提案による「市のまちづくりに役立つ公益的な事業」として、広く地域課題の解決や地域振興に取り組む活動を対象としています。
③平成31年度募集要項の改善点は何か
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この事業へ積極的に参加するよう、広く呼びかけるべきと考えるが
平成29年度の行政評価委員会からの指摘や、多くの方々からの要望を受け、今年度から小規模な事業でも幅広く申請できるように補助率や上限額を改正していますので、今後も市民・団体からの意見を頂戴しながら、幅広く事業をPRしていきたいと考えています。
2 秋田再生可能エネルギー投資事業有限責任組合(ファンド)に対する市の計画について
①市の当面の具体策は何か
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木質バイオマス発電の計画は進展しているか
当市は、平成28年3月31日に秋田県信用組合と地方創生に関する包括協定を締結していますので、市内事業者がファンドを利用した場合の側面的支援を念頭においた記者会見への立ち合いであり、ファンドが立ち上がったばかりであることや、現時点においてファンドを必要とする市内事業者の動きがないことから、当面の具体策は持ち合わせていません。
虻川 敬 議員(新創会)
(順位:1-2)
1 市の観光資源の在り方について
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森吉山一帯を国定公園に
平成29年12月に「森吉山国定公園昇格運動連絡協議会発足に向けた設立趣意書」が当市に提出され、平成30年5月には有志による「森吉山県立自然公園 国立・国定公園昇格運動連絡協議会 設立準備会」が設立されています。 準備会の設立にあたり、当市としても情報を共有していくためにアドバイザーとして出席しましたが、まずは森吉山の素晴らしさや希少性が国民の財産として広く認識されるためにも、昇格運動の方向性について市民レベルでの合意形成が図られる必要があるものと認識しています。
なお、平成29年3月に当市が開催した「森吉山県立自然公園公開セミナー」において、講師の青木氏からは「国立・国定公園への昇格には地元の熱意が重要である」との助言もいただいていることから、個人・団体を核とした連絡協議会を重ねることにより、官民一体となった地元の熱意の醸成につながることを期待しています。 -
森吉山周辺の観光スポット整備について
当市では第2次総合計画に基づきながら、森吉山を中心とした滞留型観光の推進に向けて、周辺の自然資源を有効に活用しながら、既存公園施設の維持管理と更新及び改修に取り組んでおり、平成25年度からは県との協働プロジェクトにより、森吉山阿仁スキー場の整備やビジターセンターを建設しました。
なお、観光スポットの多くが県立自然公園内にあることから、県による自然公園施設の整備に伴い、その経費の一部を市が負担する県営事業として進めており、安の滝歩道の改修については、平成29年度から5か年を目処に進めていますし、平成30年度には阿仁側避難小屋のトイレ増築を行い、平成31年度からは小又峡歩道の橋梁改修事業を予定しています。
森吉山周辺の数々の優れた観光スポットは、その多くが広大な自然環境の中に点在しており、短期間に整備することは困難でありますが、今後も県と連携しながら整備を進めていきたいと考えています。
なお、観光スポットを活かすためには、アクセスの整備が不可欠でありますので、現在当市が行っている森吉山周遊乗合タクシー等への支援を継続しながら、より使い勝手の良いアクセスとなるよう検討を進めていきます。 - 当市を訪れる観光客の経済効果について
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当市が目指す観光産業について
経済効果の指標の一つとなる観光消費額は、県観光統計を参考に試算した場合、平成28年は日帰り観光客の平均消費額単価が4,434円、宿泊客の平均消費額単価が19,241円となっており、秋田犬ツーリズムによる入れ込み数と平均消費額単価を基にした試算では、当市の平成29年の観光消費額は60億3,000万円とされております。
近年は県全体の観光消費額が落ち込む傾向にありますが、当市としては、第2次総合計画で示している数値目標を目指し、滞留型観光の推進やトップセールスなどに取り組みながら、観光事業者の経営安定化を図っていきたいと考えています。 -
宿泊施設の整備について
経済効果を考えた場合、日帰りではなく宿泊してもらいたいところですが、6月定例会でもお答えしたとおり、大規模宿泊施設の誘致によって既存事業者の経営が圧迫される可能性が考えられますので、まずは「宿泊施設パワーアップ事業」の活用により、充実・強化を図るとともに、滞留型観光の推進や広域連携により既存宿泊施設の年間稼働率を高めていくことが重要であると考えています。
2 当市における交通インフラについて
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中心市街地循環バスの運行について
今年度は運行期間を11月1日から3月31日までとしていますので、1月末時点での途中経過となりますが、乗車人員2,472人、平均乗車人員3.88人の利用実績となっており、昨年度の乗車人員1,396人、平均乗車人員1.3人を大きく上回っています。
昨年度の運行期間が6月から11月と異なっていますので、単純に比較することはできませんが、現時点での評価としましては、買い物弱者を念頭においたルート設定と冬期間の運行に対し、ニーズが多くあるように感じています。
今後については、今年度の運行が終了次第、実績を分析評価した上で、本格運行のルートや停留所、料金体系を含めて判断していきたいと考えています。 -
交通インフラの整備について
市内における地域公共交通の現状としましては、JR線・秋田内陸縦貫鉄道、路線バス、タクシーによって市内全域がカバーされており、これまでに路線バスの路線廃止もありましたが、その都度沿線自治会の協力による乗合タクシーやデマンドタクシーによって対応してきていますし、一部交通空白地域においてもデマンドタクシーの導入により、地域公共交通が維持されているところです。
しかしながら、近い将来には路線バス利用者の減少により、路線の統合再編及び廃止が検討されることも見据えながら、市内交通資源の有効活用と議員からご提案のありました市民病院を中心とした巡回バスについても研究していきたいと考えています。
3 健康寿命を延伸する為の施策について
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健康寿命促進について
当市においては、地域包括支援センターによる運動教室のほか、保健センターによる毎月7会場で行われている「のびのび運動教室」や、冬期間集落巡回健康相談により軽運動を行っています。
また、地域のサロンや、自治会館等へ職員を派遣する出前介護予防講座ではご自宅で可能な運動も教えていますので、冬期間に限らず、これらの無料の講座や移動の少ないお近くの自治会館も有効に活用してもらいながらご自身でできる運動習慣を身に付けてもらいと考えています。 -
土床式体育館等の整備について
板垣 淳 議員(共産党議員団)
(順位:1-3)
1 浜辺の歌音楽館について
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運営等について地元米内沢地区の住民の意見を反映する仕組みづくりが必要でないか
浜辺の歌音楽館の運営につきましては、浜辺の歌音楽館運営審議会において協議し、その方針等を決定しているところです。
地域に愛着のある音楽館として、米内沢小学校の歌声集会の開催や定期演奏会における商工会女性部のおもてなし隊活動、周辺のクリーンアップや花壇作業をボランティアとして地域の方々に活動してもらっています。
このような活動の機会に地域の皆さまからご意見をもらいながら、音楽館の機能が一層充実したものとなるよう努めていきます。
2 ハローキティ事業について
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2018年度の各事業内容とそれぞれの費用は
本年度の関連予算総額については、補正予算及び特別会計分を含めまして3,488万7,000円で、これに対する決算見込は現在実施中のものも含めて2,922万4,000円となっています。
なお、個別事業については多数ありますので、費目ごとにご説明しますと、 総務費ではホームページ特設ページ製作73万3,000円、 ふるさと大使就任式48万9,000円、各庁舎玄関装飾38万9,000円、キャラクター利用契約648万円、四季のデザイン製作54万円、 広報きたあきた等キャラクター使用含むデザイン使用監修費67万7,000円、 ノベルティ等ロイヤリティ28万7,000円、テーブルクロス40万1,000円、紙バック28万6,000円、移住定住ポスター6万3,000円、 のぼり旗5万5,000円、名刺用シール17万6,000円、 大館能代空港電照広告28万4,000円、アーケードタペストリー34万6,000円、こぐま亭コラボレストラン238万8,000円、出生・結婚記念証6万8,000円、各庁舎撮影用パネル製作37万5,000円、メッセージボード13万9,000円、改ざん防止用紙印刷26万6,000円となっています。
民生費では元気ワールド入口看板18万1,000円、 保育園看板39万3,000円、児童福祉施設装飾49万5,000円、子育て応援団缶バッチ6万3,000円、係表示版1万円となっています。
衛生費では食育フェスタ缶バッチ1万3,000円、 商工費では大太鼓の館パネル設置88万3,000円、ゴンドラ装飾46万3,000円、 土木費では米代児童公園とドリームワールドへの遊具設置415万8,000円、 米代児童公園への電飾設置285万1,000円となっております。教育費ではスクールバスラッピング58万7,000円、 ふれあいプラザ館内装飾等320万5,000円、 最後に米内沢診療所特別会計では、小児科診察室等装飾108万円、 診察カード作成38万9,000円となっています。 -
2019年度の新規事業は
プロモーション事業ガイドマップ作成51万円、 キャラクターイベントの実施148万7,000円、ふるさと納税返礼品300万円、観光施設スタンプラリー257万8,000円となっています。
ガイドマップ作成については、今年度に行った各種事業をホームページ上で案内できるガイドマップを作成し、併せてリーフレットも作成してPRを図るものであります。
キャラクターイベントは、市内で実施しているイベントとのコラボを3回程度予定していますし、ふるさと納税返礼品は、オリジナルデザインをあしらったポロシャツまたはTシャツを新たに製作し、返礼品として活用することで新規の寄附に繋げるほか、お土産品や市民の方への一般販売も行う予定としています。
観光施設スタンプラリーについては、市内観光施設を巡り、スタンプを全て集めると認定証と抽選資格が得られるほか、3ヶ所以上集めた方には漏れなく参加賞をプレゼントする企画を考えており、観光で来られた方や市内の子供たちを中心に主要観光エリアへ誘導し、交流人口の増加を図るものです。
新年度の事業は、今年度実施しました各事業のPRと、市内外の方々が参加できる仕掛けに力を入れていきたいと考えています。 -
『税金の無駄遣い』との市民の声をどう受けとめているか
12月26日開催の地元高校生とのタウンミーティングの場では、「とてもいい」という意見もあれば、「他のキャラクターが良かった」という意見や、「興味がない・やらなくてもいい」といった意見が出され、様々なご意見があることは承知しています。また、現時点では数値を用いた指標により、その効果をお伝えすることは中々難しい訳でありますが、既に効果が現れている事業もあります。
観光施設等では、インバウンドを含む市内外から訪れる方が増加傾向にありますし、特に「こぐま亭レストラン事業」では、冬季の閑散期において期間限定のコラボイベントを開催した結果、休日だけでなく平日も賑わいを見せており、コラボメニューを併せた売り上げは12月の前年同月比3倍強と大幅に伸びているとの報告を受けています。
また、大太鼓の館では落ち込んでいた入館者数が前年比を上回り、施設の前で写真撮影をされる方も多いと伺っておりますし、遊具を新設したドリームワールドや米代児童公園では、「かわいい」との声や市外保育園の利用もあり、遊具の順番待ちをしている光景などがありました。この他にも、出産・結婚記念証は大変喜ばれています。
また、ハローキティのふるさと大使就任式とショーには、市内外の親子連れなど約600人が訪れ、小さいお子さんをはじめ幅広い年齢層で大変喜んでいただき、集客力と発信力の凄さを実感したところです。
税金の無駄といわれないよう、新年度はPR分野に力を入れ、市内外の方々が参加できる仕掛けと口コミやSNSなどの拡散効果により、市を訪れる方を増やしながら市の知名度向上と、各施設の誘客等に繋げていきたいと考えています。 -
何年間続ける考えか。一刻も早くやめるべきと考えるが
昨年の3月定例会では、事業実施を検討するにあたり、「たった1年では準備をしているうちにせっかくの仕掛けが効果を発揮する前に終わってしまうこと、また、事業を実施する段階、実施した事業をPRする段階、人を呼び込む段階といったような段階的な取り組みにより効果を高めたいとの思いから、概ね3年程度」とご説明をさせていただきました。
早速効果が形に現れている事業もありますので、何年というお話よりも実施した仕掛けの効果を見極め、継続するか否かを判断していきたいと考えています。