2019年03月16日
コンテンツ番号3035
心臓病の怖イイ話
北秋田市医療講演会が、3月16日(土)に市民ふれあいプラザで行われ、市民約650人が心臓病の基礎知識や予防方法などについて理解を深めました。
今年度の医療講演会は、北秋田市民病院循環器内科の佐藤誠診療部長を講師に「心臓病の怖イイ話~予防と治療と119番」と題し、心臓病の基礎知識や対処法、予防方法などについて講演を行いました。
開会にあたり、津谷市長が「秋田県医療福祉計画によると、秋田県の主な死因の2位が心疾患となっており、亡くなった方の13.8パーセントを占めている。全国では心疾患は8位ということを考えると、秋田県は心疾患の多い地域であることがわかる。本日の講演会は、心臓病の基本から予防方法までを学ぶことができる貴重な機会ですので、皆さまの健康や長寿に対する家庭での取り組みに役立ててもらいたい。今後も北秋田市では、市民の皆さまが安心して暮らすことができるように医療、介護、福祉の向上に努めたい」などとあいさつを述べました。
続いて北秋田市地域医療連携センター運営協議会の神谷彰会長が「佐藤誠先生は、昨年4月に北秋田市民病院の循環器内科診療部長として赴任された。佐藤先生が市民病院に来られてからは、最新の治療や検査が行われるようになり、病院内に新風を吹き込んでもらっている。また、患者さん本位の医療を行う姿勢を強くもっており、病気の背景にある問題も含めて、患者さんのためにという考えを持っている。今日の講演をとおして、皆さんが心臓病への理解を深める一助となり、この地域の医療がどうあるべきかを考えるきっかけになってほしい」などとあいさつを述べました。
講演会で佐藤診療部長は、心臓病の治療方法等を解説しながら「心臓病といっても、高血圧や心筋梗塞、心筋症、弁膜症、不整脈などがあり、そのままにしておくと、突然死や塞栓症、重症心不全などを引き起こしてしまう。心臓病の症状が出るタイミングは、過度な運動や怒ったり、寒いときなど血圧が急に上がったときが心臓発作等が起こりやすい。家族が心臓病で倒れたときには、まず119番で救急車呼んでほしい。1分1秒でも早く病院で適切な治療を受けることが、救命につながる」などともしも時の対応を呼びかけました。
また、心筋梗塞の予防については「危険因子として、喫煙や高血圧、糖尿病、コレステロールなどがあり、その中でも喫煙者で高血圧の人は循環器が原因による死亡率が高い。喫煙者の平均的な人生は、非喫煙者より寿命が短いだけではなく、闘病生活が5年も長く、健康寿命が12年短い。喫煙者には、健康問題と絡めて必ず禁煙指導をしている」と喫煙が及ぼす危険性を訴えました。
そして、心臓病にならないためには「ウォーキングや軽いジョギングなど適度な運動に心掛けること。塩分の取りすぎやアルコールの過度な摂取など食生活を改善すること。適度な運動と食生活の改善により、適正体重を維持すること。禁煙の実行とストレスをためないことが重要です。近くの大切な人を守るために、改めて一声かけてみてほしい」などと生活習慣を改善することの大切さを述べました。
このあとの質疑応答では、参加者から「たばこはダメだといいますが、加熱式たばこはどうですか」との質疑があり、佐藤診療部長は「加熱式たばこは、ふつうのたばこよりは不完全燃焼による酸化物質が相当減るが、同等もしくはたばこ以上のニコチンを摂取しており、ニコチン依存症ということ変わりはない。ニコチン物質は、血管を縮め心臓発作の原因となる。加熱式たばこにしたから安心ということではない」などと説明しました。