2010年05月26日
コンテンツ番号2265
第1回北秋田市珪藻土等地域資源利活用検討会
第1回北秋田市珪藻土等地域資源利活用検討会が5月26日(水)、市中央公民館で開かれ、珪藻土資源の活用や特性を利用した商品開発の可能性など、多岐にわたって意見を交換しました。
同会は、珪藻土等地域資源の新たな利活用の研究及び製品開発を目指し、地域産業の振興を図るため設置されたもの。市と秋田大学、秋田県立大学、地域振興局、商工会、地元企業で珪藻土を扱う中央シリカ株式会社、昭和化学工業株式会社の代表者ら18名が出席しました。
開会にあたり津谷市長は「地域振興のためには、地域にある多様な資源を利用することが重要。大学のもつ研究知的財産と企業のもつ生産製造ノウハウをマッチングさせて、既存製品の改良や新たな製品の開発、利活用策を検討し、それを県や市、商工会などの情報と共有しながら販売や流通に結びつけていきたい。検討会の取組みが、市の産業振興の起爆剤になるようお願いしたい」などとあいさつしました。
はじめに、座長と副座長の選任が行われ、座長に濱田文男・秋田大学産学連携推進起工長、副座長に中田真一・秋田大学工学資源学部教授が互選されました。
濱田座長は「産学官のそれぞれ立場から、知恵を出し合って同じ目線で進めていくことが大切。地域のニーズを拾い上げ、大学や企業等のシーズを活用し、意識改革を図り大きな成果にたどり着きたい。力を結集し、珪藻土で観光や食品、内陸線を含めた地域資源活用を図っていきたい」などとあいさつ。
続いて行われた取組事例発表では、地元企業などから珪藻土を含んだ土で作った陶器グラスは、ビールの泡が消えにくい性質があることや湿度を調節する性質から住宅用壁材に利用できること、硬度により果樹木の下に敷くことで農耕機械から根を守る効果があることなど具体的な商品や利用方法などが紹介されました。また、中性子の遮へい剤に使用できることや、リンを吸着する性質があるなど専門的な取り組みも発表されました。
このあとの意見交換では、「多くの地元企業や市民に参加してもらい、観光産業や食産業の商品に結び付けていくことが重要」、「市民に珪藻土の性質や効果など周知して、多様な方面から意見を聞くことも大切」、「市が進めているバイオマス事業に活用できないか検討が必要」、「水質浄化剤として利用したい」などと珪藻土を生かした地域活性化について意見を交わしました。
【珪藻土(けいそうど)】
藻類の一種である珪藻の殻の化石よりなる堆積物(堆積岩)である。珪藻が海や湖沼などで大量に増殖し死滅すると、その死骸は水底に沈殿する。死骸の中の有機物の部分は徐々に分解されていき、最終的には二酸化ケイ素を主成分とする殻のみが残る。このようにしてできた珪藻の化石からなる岩石が珪藻土である。
耐火性と断熱性に優れているため建材や保温材として、電気を通さないので絶縁体として、また適度な硬さから研磨剤としても使用されている。
北秋田市の埋蔵量は推定約700万トンで全国一。