2010年03月01日
コンテンツ番号1982
薬を正しく理解し服用を
第5回すこやか健康講座「知っておきたいくすりの話」
平成21年度「第5回すこやか健康講座」が3月1日(月)、市保健センターで開かれ、各地区から参加した市民約60人が、薬の効能や正しい服用の仕方などについて学習しました。
講座は、検診受診者や健康づくりに関心のある市民を対象に開かれているもので、毎回テーマを変え、5回の開催が予定されています。
最終回となった今回は、秋田県薬剤師会の会員で北秋調剤薬局の薬剤師・石川秀明氏が「知っておきたいくすりの話」と題し、講演しました。
石川氏ははじめに、体内で血液が血管や臓器を通って流れるようすを示したイラストをスクリーンに映し、「薬は血液を介して循環し、体内に吸収され患部に達して効果を発揮するが、薬が血液の中に溶け込んでいる度合い『血中濃度』が適切であることが大切。薬を飲むと血中濃度が高くなるが、次第に体外に排出されて濃度が低くなるため、維持するためにその後も適当な間隔で飲むことになる」などと用法と服用量を守ることで最も薬が効く基本的なしくみを解説しました。
また、「薬は内服薬、外用薬、注射の3種類に分類される。内服薬の一つ・錠剤は飲みやすく、取り扱いが簡単、携帯に便利などのメリットがあるが、異なる成分が胃や腸で順番に溶けるように何層かに被膜で覆われているような薬もある」と薬の種類や構造を紹介。
薬が入っているシートについても、「最近では縦か横かどちらかにしか切れ目が入っていないが、これは、一つづつ小分けできないようにするため。小分けしたため、シートに入ったまま錠剤やカプセルを飲んでしまい、臓器を傷づける事故があったことからの配慮」と説明を加えました。
薬を服用する際の注意としては、▽決められた時間に正しく服用すること。よくある間違いは「食間」と指定されている場合。これは食事と食事の間のことで、一般的には食後2時間以内のこと▽コップ1杯の水やぬるま湯で服用すること。水の量が少ないと、胃まで届く前に喉や食堂で貼り付き、そこで溶けてしまうことがある▽お茶や牛乳、ジュースなどは薬の効き目を妨げる。お酒は薬を飲んだ後でも控えること、などといったポイントをアドバイス。
さらに、「薬の飲み忘れを防ぐためには、100円ショップなどで売っている一週間単位の薬カレンダーを使うのもよい。飲むのを忘れた場合、指示された時間からあまりたっていないようだったらすぐに忘れた分を服用し、次の服用時間を遅らせる。2回分をまとめて服用するのは危険なので絶対にしてはいけない。よくわからなかったら薬剤師に相談を」と勝手な判断での服用に注意を呼びかけました。
薬の副作用については、「薬が正しく作用することが主作用、それ以外の作用が副作用。眠気や発疹、かゆみ、下痢や腹痛、動悸といった症状が現れたらすぐに医師や薬剤師に相談して。また、受診時に過去に経験した副作用についても話しておくべき」と述べ、「薬の飲み合わせで生じる相互作用などの判断もできるように“かかりつけ薬局”を持つとともに、受診時は『お薬手帳』を携帯し、病院やかかりつけ薬局に提示することで、適切な指導が可能になる」と、手帳の活用を勧めていました。
最後に、▽毎日決まった時間に服用▽服用量を守る▽病気が治ったと思っても決められた日まで服用し続ける▽他の人からもらってはいけない▽上げてもいけない▽前の病気の時にもらった薬は使ってはいけない▽薬はいつでも整理して保管する、と薬を服用するときのポイントを7つにまとめ、「薬についてわからないことがあったらいつでも相談してほしい」と、呼びかけていました。