2010年03月14日
コンテンツ番号1906
療養環境に優れた市民病院が竣工
4月1日開院診療は5日から
北秋田市下杉字上清水地内で建設が進められていた北秋田市民病院の竣工式が3月14日(日)、同病院で行われ、津谷市長ほか関係者が式典と祝賀会で新病院の完成を祝いました。
北秋田市では、圏域住民の約半数が他医療圏の病院に流出している現状から、圏域内で完結できる医療体制の構築を目的に平成17年9月、市医療整備基本構想を策定しました。
この構想のもと、北秋田市内の北秋中央病院、米内沢病院、阿仁病院の3病院の機能を再編統合し新たな地域医療を提供する中核病院の建設を計画、平成19年11月に建設に着手し、平成21年10月の開院をめざし建設を進めてきました。建設費は本体、外構工事合わせ約84億円。
運営形態は、北秋中央病院などを運営する秋田県厚生農業協同組合(厚生連)を指定管理者とする秋田県初の公設民営方式。病院本体は同年8月に完成していましたが、医療機器及び医療情報システムの導入が間に合わないなどの事情により22年4月に開院が延期されました。また、指定管理についても度重なる協議を行い、昨年10月に基本協定を締結、紆余曲折を経てこの日の竣工式となったものです。
セレモニーには市及び県、厚生連、医療関係者、工事関係者、県及び国会議員など約130人が出席。神事のあと、正面玄関前で津谷市長、佐竹知事など10人でテープカットを行いました。
エントランスホールでの竣工式典で津谷市長は、「病院は完成したが、医師確保など地域医療の充実は永続的な課題。間もなく4月1日にスタートするが、一日も早く市民に満足してもらえる医療体制を築きたい。指定管理者の厚生連には、健全な経営と良質な医療の提供について尽力してほしい。医療を取り巻く環境は厳しいが、地域住民の命と健康を守るため努力したい」などとあいさつしました。
工事経過の報告、関係者への感謝状贈呈のあと、来賓の佐竹知事は、「県では、このほど策定した地域医療再生計画により、来年度から各地域における医療体制の再構築をめざす。医師不足など大きな課題もあるが、北秋田市民病院を中核とする市の医療体制についても全力で支援する」と述べました。
この後、出席者は市内のホテルに会場を移し、竣工祝賀会で病院の完成を喜び合いました。
市民病院の建設規模は、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造、地下1階地上4階建、延床面積2万7303.7平方メートル。大きな地震にも耐える免震構造が特徴です。また、県立北欧の杜公園に隣接し、院内から森吉山を眺望できるなど豊かな自然に囲まれ、療養環境に適した立地になっています。
診療科目は内科、呼吸器科、循環器科、精神科、産婦人科など21科。病床数は一般病床272床、精神科病床40床、結核病床4床、感染症病床4床の計320床。医師、看護師ほかスタッフは基本的に現在の北秋中央病院から移り、医師15人(うち歯科医師2人)、看護師110人(准看護師含む)、助産師11人、このほか検査技師など27人、事務員30人となっています。医師については、当初計画では31人で開院の予定でしたが、医師確保が進まず、15人体制でのスタートとなります。
院長には現在の北秋中央病院の神谷彰院長が就任、4月1日から入院患者を受け入れ、5日から外来診療が始まります。これに伴い北秋中央病院は3月30日で外来診療を終え31日で閉院、病院の機能を市民病院に移し、昭和4年以来地域医療に貢献してきた81年の歴史を閉じます。
なお、基本協定では市が厚生連に対して指定管理料(22年度は4億1千万円)を、厚生連からは病院の減価償却費相当分が支払われることになっています(22年度は免除)。また、病院運営については赤字が生じた場合は、市が補てん、黒字の場合は市に戻し入れすることになっています。