2010年03月16日
コンテンツ番号1904
鉄道の楽しみ方など紹介
合川公民館第3回ろばた講座
平成21年度第2回合川ろばた講座が3月16日(火)、合川農村環境改善センターで開かれ、約50人の市民が鉄道の楽しみ方や秋田内陸線をテーマとした講演に耳を傾けました。
ろばた講座は、「明日に向けた社会学」をテーマに地域について理解を深めることなどを目的として昭和52年から合川公民館が開催している市民講座。今回は、「地域編」として鉄道カメラマンでコラムニストの佐藤和博氏(秋田市在住)が、「走れ内陸線〜県内3セク鉄道の活路と未来」と題し講演しました。
佐藤氏は1950年、旧矢島町(現由利本荘市矢島)生まれ。消えゆく蒸気機関車を追って写真を撮り始め、平成8年、由利高原鉄道写真集「由利鉄の詩(うた)」を出版。由利高原鉄道応援大使、秋田内陸線サポーターを務めるほか、秋田内陸線プロモーション、由利高原鉄道応援プロジェクト代表として両路線を紹介するDVDやCDなどの製作・販売を手がけています。第3セクターの経営などにも詳しく、鉄道各社への企画・提案を通して鉄道クリエイターとしての活動を続けています。
はじめに佐藤氏は、旧矢島線矢島駅が生家の近くだったことから、幼少時、散歩で祖母に駅に連れられ列車の入れ替え作業や、客車に貨物列車を連結して走る混合列車を見た思い出に触れ、「このときのことが鉄道にのめり込むことになった原体験」と述べました。
現在の鉄道ブームについては、全国では50万人とも推測される鉄道ファンがいることや、鉄道好きの人たちを、男性は「テツ」、女性は「鉄子」と呼ばれていること、かつては女性ファンはほとんどいなかったが、最近では子供に影響されて鉄道好きになる「ママ鉄」なども増えていることなどを紹介。
同じ鉄道好きでも、全路線乗車を目指したり、特定の列車に乗ろうとする「乗り鉄」や鉄道写真撮影を目的とする「撮り鉄」、鉄道模型にはまる「模鉄」など、さまざまなファンがいるそうです。
また、第3セクターで経営されている鉄道については、最近の資料では全国で35社あり、このうち黒字経営なっている鉄道は鹿島臨海鉄道や北越急行など5社のみで、「JR直通列車の乗り入れにより乗車料以外に大きな収益がある鉄道(北越急行など)や通勤利用者の多い工業地帯に乗り入れている路線(鹿島臨海鉄道)、あとは著名な観光地を走る路線、といった特別な条件でしか黒字にはなれない」と指摘。
その上で、秋田内陸線の存続について、▽住民が率先して乗車する▽旅行エージェントへの営業など会社の経営努力▽行政の適切な指導と支援、の3つが欠かせず、「アテンダントの導入など工夫次第で利用増も望める。鉄道は地域の財産。路線存続にぜひ関心を持ってほしい」と語りかけていました。