2010年03月31日
コンテンツ番号1154
北秋中央病院で閉院式
(2010.3.31)
JA秋田厚生連が経営する北秋中央病院(神谷彰院長)の閉院式が3月31日(水)、同病院で行われ、創設以来81年間地域医療に貢献してきた歴史に幕を下ろしました。
閉院は、JA秋田厚生連が4月1日開院する北秋田市民病院の指定管理者となることから、北秋中央病院の医師、看護師をはじめ医療機器などの医療機能を市民病院に引き継ぎ、移転することに伴うもので、外来診療は30日で終了しました。
北秋中央病院は、明治22年に鷹巣村外五カ町村立組合公立病院として設立された鷹巣病院が前身。同45年に火事で全焼しますが、財政難で再建の目途がたたず病院組合は解散、昭和4年に有志5人により私立鷹巣病院が発足します。同17年に当時の鷹巣町が買収し町立鷹巣病院になりますが、19年には秋田県農業会が買い取るなど経営母体は変遷を重ね、戦後の23年には法改正により秋田県厚生農業組合連合会に移管となり、北秋中央病院と改称されました。
昭和の合併前から旧鷹巣町、栄村、綴子村、早口村など8カ町村を中心に鷹巣阿仁部の中核病院として地域医療を担ってきたほか、商店街の中心にあったことで地域経済の振興にも貢献してきました。
午後4時から行われた閉院式では、神谷院長が医師、看護師、事務職員など約70人のスタッフの前で、病院の沿革に触れながら「経営母体の変遷はあったが、これまで病院が続いてきたのは行政や議会ほか関係者の誰もがこの地域から中核となる病院をなくしたくない、という強い気持ちがあったから。この間、住民に信頼されてきた私たちの医療や、人材育成にも貢献できたことは誇りでもある。医療業務は非常に過酷で仕事でのあつれきもあっただろう。でも新病院を前にしては小さな思い出。市民病院の芽を大きく開花させることを誓いましょう」とあいさつしました。
北秋中央病院の引越し作業は4日まで5日間の予定。1日には陸上自衛隊第9師団の協力で入院患者の輸送が行われます。市民病院の外来診療は5日から始まります。