2010年02月01日
コンテンツ番号7700
今年の作占いは『やや不作』とのご託宣
小正月に行われる民俗行事「雪中田植え」の稲刈りが2月1日、綴子地内の大太鼓の館前で行われ、今年の稲作の豊凶を占いました。
今年の「稲」は、直立で実の入らないものや倒れたものが多く、不稔(ふねん)が見られたことから、今年は『やや不作』とのご託宣が下りました。
雪中田植えは、農家が一年の仕事始めの儀式として水田に見立てた雪の上に、稲わらや豆がらを束ねた“稲”を植え、その稲の倒れ方や実の入り方などで作柄を占います。
綴子地区では、戦後の一時期行われたのを最後に途絶えていましたが、昭和58年に篤農家の故・高橋佐一郎さんが復活させました。その後、昭和63年から旧綴子農協青年部が高橋さんの遺志を継いで再復活、現在は、JA鷹巣町青年部が継承しており、田植えは1月15日、稲刈りが2月1日に行われます。
刈り手は、稲を植えたJA鷹巣町青年部長の堀内英俊さん(37歳)。農業関係者らが見守る中、田植えのときと同じ昔ながらのけら、菅笠姿で鎌を使い、稲の束を一株ごと慎重に刈り取っていきました。
刈り取られた稲は、JA鷹巣町組合員で篤農家の畠山喜久雄さん(57歳)によって見立てが行われました。占いでは、たわわに実る稲穂のように頭(こうべ)を垂れた状態であれば豊作、直立していれば実が入らない不稔、倒れていれば風水害の被害を意味し、凶作とされています。
今年は、稲刈りした16束のうち、稲が直立して“しなり”が悪く実入りが不十分な束が7本、適度に曲がっていて実入りの期待できる束が5本、折れてしまいっている束が4本でした。また、田に見立てた雪の田が半分溶けて傾斜ができていました。
畠山さんは「平らに植えたはずのものが、片方だけ雪が溶けることは今までなかったのでは。これは、洪水や大雨などの災害、稲が転んだりすることが考えられる。稲自体もいい年とは言えない。まったく米が採れないわけではないが、今年は残念ながら“やや不作”だろう。今年の占いは外れてほしい」と、稲作の豊凶を占いました。
(2010.2.1)