2010年01月20日
コンテンツ番号7641
森吉山ダム完成に向けて最終段階に
森吉山ダム湛水式が1月20日(水)、森吉山ダム管理庁舎で地権者や行政関係者ら約40名が出席して行われ、小又川が流れる排水路のゲートを閉鎖し、試験湛水が始まりました。
森吉山ダムは、洪水調節や流水の正常な機能維持、灌漑・水道用水の供給、発電などを目的に建設が進められています。昭和47年の大洪水を契機に、昭和48年に阿仁川ダム調査事務所を開設。平成3年度に一般補償に関する協定締結、平成13年度にダム本体工事開始、平成19年度にはダム堤体の盛立てすべてを完了しました。その後、ダムの管理に必要となる設備工事を進めてきましたが、これらの工事も完了となることから、試験湛水を開始することとなりました。また、湛水し貯水された湖の名称は、「森吉四季美湖」と決定されています。ダム工事は、これから取水塔からの導水管工事などを経て、平成23年度に完成。平成24年4月1日より供用を開始する予定です。
試験湛水は、ダムの本格的な運用を始める前に、貯水位を上昇及び下降させ、ダム堤体、基礎地盤、貯水池周辺の地山などの安全を確認することを目的に行われます。
森吉山ダムの試験湛水は、現在小又川の水が流れている仮排水路トンネルを締め切ることで湛水が開始されます。降水量が例年通りならば、2月下旬には常時満水位(深さ:約47メートル)となり、その後4月から10月までは一度水位を下げて、12月頃には最高水位(サーチャージ水位、深さ約68メートル)に達します。さらに平成23年1月には最低水位(深さ約33メートル)まで下げて試験を行い、2月には試験湛水が終了する予定です。
湛水式で津谷永光市長は「平成元年の工事開始から21年間の歳月を経て、湛水式を迎えることができましたのは、先祖伝来の貴重な土地を提供していただきました地権者の方々を始め、関係機関の協力のおかげ、皆さまに深く感謝を申し上げます。平成19年9月には、阿仁川流域で総雨量300ミリを超える豪雨となり、尊い命が奪われ未だ行方不明の方もおられます。小又川と阿仁川の合流点にお住まいの方々も床上浸水などの多大な被害を受けました。地域の健全な発展には、安全で安心して住める国土の基盤整備が必要。災害から地域住民の生命財産を守るためには、洪水の防御、被害軽減のための河川改修とともにダムの整備が重要です。森吉山ダムは、米代川流域の安全安心の確保、北秋田市への水道や灌漑用水の供給並びに発電を目的として計画され、自然と調和したダムづくりを目指して事業が進められて、いよいよ完成が間近となりました。湛水式を契機に地域の皆さまの期待と協力をいただき、一日も早くダムが完成することを願います」などとあいさつ。
三浦政彦東北電力秋田支店長は「森吉山ダムの建設と合わせて、弊社が進めている森吉発電所は最大出力1万1000キロワットの発電所です。平成23年度5月には営業運転を開始する予定。水力発電所は地球温暖化の原因である二酸化炭素が排出せず、環境にやさしいクリーンエネルギーです。発電所を一日でも早く完成させるよう努力して参ります。また、森吉山ダムが安全に完成することを願います」などとあいさつ。
続いて、関博之国土交通省東北地方整備局副局長、来賓の齊藤滋宣能代市長、加藤修平秋田県建設交通部長のあいさつのあと、佐藤清森吉山ダム工事事務所長からダム工事の経過報告が行われました。
湛水の儀では、北秋田市長、能代市長ら5人がスイッチを押すと、小又川が流れる排水路現場でゲートが閉まる様子がモニターに映し出され、試験湛水が始まりました。最後に吉岡興市議会議長が音頭をとり、全員で万歳三唱をして湛水開始を祝いました。
その後、催事として「五味堀餅搗踊り」披露され、関係者らは興味深く鑑賞していました。踊りの最後に餅が出席者らにまかれると、会場が賑やかとなり、湛水式に花を添えました。
(2010.1.20)