2019年02月17日
コンテンツ番号3013
燃え盛るご神木に無病息災を祈願
七日市葛黒(くぞぐろ)集落に伝わる小正月行事「葛黒火まつりかまくら」が、2月17日(日)に同集落で行われ、地域住民や子どもたちが赤々と燃え盛る神木に向かって「おーいかまくらの権五郎」と叫びながら、五穀豊穣や無病息災を祈願しました。
この行事は、高さ10メートルほどの栗の木を切り出し、それに稲わらや豆がらを巻きつけて、雪が覆う田んぼに住民や参加者らが協力して起ち上げます。そして火を放ち、燃え上がった木を火の神「不動尊」になぞらえて無病息災や無火災、五穀豊穣を祈願するもので、燃えさかる神木のまわりで子どもたちが「おーい、かまくらの権五郎」と叫んで厄払いをします。
祭りは、約250年前に始まったといわれており、葛黒では代々小正月行事として旧暦1月14日の夜に行われていました。神木に巻き付ける稲わらなどが不足したことから、平成11年に実施されたのを最後に途絶えていましたが、平成26年に15年ぶりに復活し今年で6年目を迎えています。
この日は、集落の人たちが山から高さ約10メートルの栗の木が切り出し、それに稲わらや豆がらを巻きつけました。そのあと、地元住民をはじめ鷹巣南小の児童や鷹巣南中、秋田北鷹高校の生徒、ボランティアスタッフ、一般サポータが協力して、木の幹に括り付けた縄を少しずつ引き、神木を起ち上げました。
また、地元葛黒集落のテントでは、秋田北鷹高校家庭クラブがアレンジした「ケイポンスープ」や自家製「ノンアル甘酒」が無料提供されたほか、七日市女性会が神木をイメージして商品化した「ごんごろう餅」や「おしるこ」、「ご神木の台座セット」などが販売され、多くの人たちが温かい食べ物や地域の特産品を買い求めていました。
日が暮れて辺りが暗くなり始めると、会場内につくられたミニかまくらや絵灯籠の火がやさしい光を放ち、幻想的な雰囲気につつまれるなか開会セレモニーが行われ、葛黒火まつりかまくら実行委員会の堀部栄一委員長が「秋田北鷹高校、鷹巣南中学校、鷹巣南小学校の子どもたち、たくさんのボランティアの皆さんのおかげで、小さな集落の大きなかまくら行事になった。ご協力に心から感謝したい」などとあいさつ。
続いて、来賓を代表して津谷市長が「250年以上前から続いてきた火まつりかまくらは一度は途絶えたが、これを集落の皆さんはじめ、たくさんのボランティアの方々の力で見事に復活した。このたくさんの人の熱い思いをこれからの北秋田づくりに生かしていきたい。多くの方々のご協力に感謝します」などと祝辞を述べました。
このあと、小中学生や地域の代表者らが堀部会長から種火を分けてもらい、神木の下に巻きつけられた稲わらに点火すると、炎は神木へとまたたく間に燃え広がり夜空を真っ赤に焦がすと、来場者が一斉に「おーいかまくらの権五郎」と何度も叫びながら、一年の無病息災や無火災、五穀豊穣を祈願しました。
焼け残った神木を持ち帰り、祀っておくと無火災のお守りになると言われており、まつりの最後に倒された神木はチェーンソーで切り分けられ、来場者に配られました。