2011年11月09日
コンテンツ番号9536
地域を結ぶ・人を結ぶ・夢を結ぶ
(2011.11.9)
日沿道を活かした秋田県北部地域づくりフォーラムが11月9日(水)、市文化会館で開催され、参加者約500人が日沿道の早期全線開通に向け熱意を高めました。
日本海沿岸東北自動車道は、新潟市から山形県・秋田県を通過して青森市に至る延長約322の高速道路で、二ツ井白神IC〜あきた北空港IC(仮称)間は未事業化区間となっています。8月の計画段階評価に係る東北地方小委員会において既存道を活用する方針が決定されています。
フォーラムは、大館商工会議所、能代商工会議所、秋田県北地区商工会連絡協議会が主催し、日沿道の必要性を訴え、その活用で秋田県北部の発展を目指して開催されました。
開会にあたり、広幡信悦能代商工会議所会頭が「高速道路は全線がつながってこそ十分な効果が発揮できます。国全体としても日沿道は必要不可欠なインフラ。この地域に生活基盤をおく私たちにとって最も大事なことは、この道路は地域とって何のために作るのか原点に帰って再度確認しなければならない。日沿道完成後は地域産業と物流に与える効果ばかりでなく、あきた北空港、能代港をリンクさせた観光や農業などを含めた地域のあらゆる産業の振興発展につなげるため具体策をスピードをもって行う必要がある」などと主催者を代表しあいさつ。
続いて、共催者を代表して津谷市長が「ミッシングリンクの解消に向けた地域の機運はこれまでにないくらい高まってきていると実感しています。この盛り上がりを引き続き高め、早期着工、開通へのより一層の進展へとつなげてまいりたいと強い思いをもっているところです。本日は基調講演やパネルデスカッションに参加していただいたみなさんに感謝申し上げるとともに、日沿道全線開通に対するみなさんの熱い思いをいただきますよう期待します」などとあいさつしました。
来賓を代表して大里祐一秋田県議会議長のあいさつの後、主催者及び共催者、来賓が紹介され、基調講演とパネルデスカッションが行われました。
はじめに、川瀧弘之・国土交通省東北地方整備局道路部長が「道路に関する最近の話題」と題して基調講演が行われました。川瀧道路部長は、3月11日に発生した東日本大震災の被災状況などをビデオで紹介しなが大震災での教訓として情報の共有や関係機関との連携の重要性や日本海沿岸自動車道のミッシングリンクの現状などを説明しました。
続いて、「日沿道を活かした秋田県北部の地域づくり」をテーマに、折田仁典・秋田工業高等専門学校環境都市工学科教授がコーディネーター、佐藤肇治・(株)能代資源代表取締役、花下智之・アキモク鉄工(株)代表取締役社長、石垣勝康・石垣鐵工(株)代表取締役、菊池豊・二ツ井町商工会長、千葉潤一・(社)十和田八幡平観光物産協会長、加賀谷美由樹・秋田内陸線観光アテンダントの5人がパネラーとなりパネルディスカッションが行われました。
輸送で日沿道を使う佐藤さんは「コストにも反映するので貴重な社会資本である。災害時の物資輸送や道路を造ることで企業誘致にもアピールできる」、花下さんは「早くつける時間効果だけでなく安全に走る効果もあるのでは。ビジネスチャンスとして開ける道として」、階段をつくる石垣さんは「秋田港から舟で運んでいるので日沿道がつながれば陸路の選択肢もあるのでは」、菊池さんは二ツ井白神ICの開通から経過を報告しながら「町民が秋田北空港まで間の未開通期間の早期実現にきわめて熱意がある」、千葉さんは「交通体系の変化は環境を大きく変える。日沿道の全線開通を得て新しい観光の枠組み作りにも期待する」、加賀谷さんは「観光には道路だけでなく鉄道とリンクさせるなども重要」などとそれぞれの日沿道との関わりや地域づくり対しての意見を述べました。また、折田教授が「救急医療や災害時の代替性でも社会資本の整備は無駄でなく、命に関わっていることを十分認識する必要がある」などと述べました。
最後に、「一日も早い『二ツ井白神〜あきた北空港』間のミッシングリンクの解消及び日沿道の早期全線開通に向け、沿線地域が一丸となって取り組む」とした宣言を採択しました。