2011年11月12日
コンテンツ番号9539
二人の若き音楽家が聴衆を魅了
(2011.11.12)
バイオリニスト加登萌々子(かとうももこ)とピアニスト加畑嶺(かばたれい)のデュオリサイタルが11月12日(土)、北秋田市文化会館で開かれ、二人の若き音楽家が感性豊かな演奏で詰めかけた聴衆を魅了しました。
加登さんは、東京都在住。4歳からバイオリンをはじめ、東京都立芸術高等学校を卒業後、ロシア・チャイコフスキー記念国立音楽院に留学しました。留学前の2004年には、おばあさんが北秋田市出身(材木町、元鷹巣中教諭)であることが縁で、本市で初のリサイタルを開いています。2010年、同音楽院を首席で卒業し現在は国内外を問わず精力的に演奏活動をしています。本市での演奏会は2005年に続き3回目となりました。
ピアノの加畑さんは、東京音楽大学附属高等学校作曲科を卒業後演奏活動を展開。また、ロシアやオランダなどで学び、ソロ、室内音楽等広いジャンルで活躍している期待の音楽家です。
この日のプログラムは第1部を「ヨーロッパの音楽」、第2部をヨーロッパほかアフリカ、アメリカなど5大陸にわたる「各国の音楽」とし、曲目を前もって告知せず、二人が楽しいトークを交えながら演奏曲を解説してゆく形式で進められました。
第1部で演奏されたのは、「美しくロスマリン(クライスラー作曲)」「愛の悲しみ(同)」、「タイスの瞑想曲(マスネ)」などクラシックの名曲6曲。加登さんの繊細で情感のこもったバイオリンの響きが加畑さんの伴奏で一段と表情豊かになって、ホールに響き渡りました。
また、2部では、カメルーン出身のジャズベーシスト、リチャード・ボナの曲や、中国の民族楽器の二胡で演奏される曲「二泉映月」、さらにはボサノバなどなどジャズや民族音楽と融合したユニークな試みで演奏され、聴衆は、クラシックにとらわれない音の変化を楽しみました。
プログラムの最後に演奏されたのは、アメリカの作曲家ジョージ・ガーシュインのオペラ「ポーギーとベス」を元に作曲されたジャズ要素のある曲。「サマータイム」などよく知られている曲も挿入されており、演奏後、聴衆は加登さんと加畑さん幅広い音楽性に培われた熱演に大きな拍手を送っていました。
2時間半にわたる演奏会の最後には、加登さんが留学中、たまたまドイツで耳にし、懐かしさから涙がこぼれたという「浜辺の歌」を演奏、会場の歌声とともに演奏会をしめくくりました。留学を経て一段と成長し、演奏技術や音楽性はもちろん、大人びた容姿で会場を魅了した加登さん、北秋田市でもますますファンが増えそうです。