2011年09月08日
コンテンツ番号9497
放射性物質の対応などについて5議員が質問
(2011.9.8)
平成23年北秋田市議会9月定例会の本会議が9月8日(木)、議事堂で再開され、5議員が放射性物質の対応、少子化と若者定住、改定介護保険法などについて一般質問を行いました。
このうち、放射性物質の農作物への対応、安全宣言について「管内2つのJAが県産農畜産物安全性確保緊急対策事業を導入して、きゅうりをはじめとした16品目を検査対象作物として指定し、出荷期に入った野菜から順次検査を実施しており、両JAとも安全性が確認されている。県やJAと一体となって検査を進め、当市の生産者が自信を持って生産された農畜産物が、消費者に安全に送り届けられる流通体制を整えるとともに、検査結果を市内外に公表することが安全宣言につながるものと考えている」などと答弁。
また、少子化の原因と対策の子育て支援について「次世代育成支援対策地域行動計画に基づき、保育園や子育て支援センターの整備による子育て支援サービスの充実や、乳幼児等福祉医療の実施による小児医療や母子保健の充実に務めていきたい。また、生活環境として、良質な住宅の確保など、子育てしやすい居住環境の整備や、子育てと仕事の両立を支援するため学童保育の充実、そして企業等における支援対策の推進等を実施し、安心して子育てできる環境整備に努め、出生率の向上につなげていきたい」などと答弁しました。
各議員の質問と、市長ほか市当局の答弁の要旨は次のとおりです。
大森光信 議員(きらり)
順位:1−1
1.愛郷心の育成について
小中学校向け愛郷心を育成するような副読本を
副読本「私たちの北秋田市」については、議員ご指摘のとおり、合併前の4町時代には、製本したものを各校に配布し活用していたが、合併後は、電子データ化したものを作成し、CDでの配布や、ハードディスクに入れてパソコンルームで活用できる形にしている。この電子データについては、新たなものを制作したのではなく、それまでの4町のデータを統合する形で制作したので、使用目的や内容等において大きな変更はなく、作成経費も縮減でき、さらには、データも新しいものに更新が可能なもの。学習指導要領では、小学校3年生と4年生の社会科で、「自分の住んでいる地域の地理や産業、歴史や偉人などを学習すること」と定められているが、合併してから他の地域を学ぶ機会や交流が少ないのではないかという指摘もあった。確かに十分とは言えないかも知れないが、各小学校では、年間の学習計画に従い、ふるさと学習推進事業や市民バス等を活用して他の地域についての学習を深めているものと認識している。一部、今年度の実践を紹介すると、小学校では、米内沢小学校3年生が5月に市民バスを利用して、大野台工業団地や市役所、大館能代空港を見学している。合川北小学校の4年生は、6月に市民バスを利用して、鷹巣浄水場を見学している。鷹巣中央小学校では4年生が9月に市民バスと内陸線を利用して,白津山正法院と森吉山ダムの見学等を行っている。また、中学校では、鷹巣中学校の1年生が5月に大型バスで阿仁根子の歴史探訪や熊牧場を見学しており、他の中学校においても、市内各所の事業所において職場体験学習を実施している。現在の市や県の状況を鑑みたとき、地域を愛し、地域に根ざした人材を育成するふるさと教育は学校教育の最も大きな課題であり、柱である。今後もさらに推進の在り方を工夫・改善しながら、ふるさと教育を学校教育の根底に据えて今後とも学習を進めていきたい。
市民歌の制作はどうなったか
現在は、3月定例会での一般質問にお答えしたとおり、県内自治体の制定手法や経費等についての調査を行い、作詞・作曲の制作における問題点などの課題整理を行っているところ。 市民歌は市民の一体感を醸成するために必要なものなので、今年度中に課題の整理を終え、平成24年度には市民歌制定に向けた委員会等を立ち上げたいと考えている。
2.放射性物質の対応について
農作物への対応は
原発事故以降の農畜産物への放射性物質調査区域は、当初14都県が指定され、その後、本県を含む北東北3県が追加となり、計17都県が農畜産物の調査区域となっている。秋田県内においては、夏秋野菜の出荷シーズンに入った7月に、JAの出荷作物を中心に、放射性物質の線量を検査して、消費者に汚染のない新鮮な農作物の出荷に努めているところ。当市においても、管内の2つのJAが県産農畜産物安全性確保緊急対策事業を導入して、きゅうりをはじめとした16品目を検査対象作物として指定し、出荷期に入った野菜から順次検査を実施しており、両JAとも安全性が確認されている。また、畜産物については、高濃度の汚染稲わらを与えた牛が、市場に出荷されたことで、本県産牛には全頭検査を義務づけており、消費者には汚染牛が出回らないシステムが構築されている。現在、管内2つのJAの農畜産物の販売には、大きな風評被害もなく、青果物は市場の品薄状況から昨年より高い取引となっているが、肉用牛については、景気の先行き不透明感から消費の伸び悩みや汚染牛の検査前出荷肉が出回った理由などから、子牛・枝肉市場とも価格が好転しておらず、畜産農家は厳しい経営内容。
コメの放射性物質検査について
原子力災害対策本部の「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」に基づき、県内全市町村が検査対象となっているが、秋田県では収穫前調査を3地区、収穫後調査を旧69市町村の地区で9月上旬から下旬にかけて、2段階で実施し、県産米の安全性を広く内外に公表することとしている。収穫前調査地点には、当市の合川地区と秋田市、それから美郷町の旧仙南村地区の3地域が選抜され、9月5日に県奨励品種のうるち玄米が採取されている。また、当市の旧4町の各地区で実施される収穫後調査は9月18日頃の検査予定で、検査結果が出るのは20日頃になると伺っている。検査結果発表後は、いち早く結果を公表して、北秋田産の安全なコメとして売り込み、農家所得の減少にならないよう関係機関と連絡を密にして対応していく。また、コメの保管場所については、各JAを通じ、各農家に対して その地域の収穫後調査の結果が判明するまで、出荷の自粛をお願いしており、当市としても2つのJAと情報を共有しながら対応していきたいと考えている。
本市も「安全宣言」を
本来、農家が手塩にかけて生産する農作物は、安全・安心が原則であるので、当然、管内の農家が生産する農作物には常に「安全宣言」をすることができる。しかし、原発事故以来、農作物に対する消費者心理は、より安全で、安心して食べることができる物を求めていることは言うまでもないこと。国の安全基準を遵守した農産物の検査については、県やJAと一体となって検査を進め、先ほどお答えしたとおり、既にその安全性が確認できている農産物も多くあるが、牛等の飼養日数が長期に亘る畜産物については時間を要することになる。市としては、短期的な安全宣言は控えるものの、当市の生産者が自信を持って生産された農畜産物が、消費者に安全に送り届けられる流通体制を整えるとともに、検査結果を市内外に公表することが安全宣言につながるものと考えている。
3.グリーンツーリズムの推進について
現在までの取り組みと実績は
当市は「秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会」の一員として、市内の3事業所とともに正会員として加盟している。活動としては、阿仁の湯口内生活研究会グループが、秋田県の「あきた農山村・旬を感じるツアー」実践事業に採択され、今年10月と来年2月に「阿仁の里、まるごと感・食・体験」をキャッチフレーズに、地域に根付いてきた食や伝統、そして文化などをテーマに、30人規模のツアーを実施する予定。また、同じく阿仁地域において、昨年に引き続き首都圏の中学校修学旅行での農家体験の受け入れを実施している。この事業は、仙北市の「たざわこ芸術村」と連携した事業であり、今年は「東京都東久留米市立南中学校」の3年生35名が、9月4日に日帰りで阿仁地区の農家6軒を訪れ、農作業の体験や自然や文化とのふれあい、地元の食文化等、農家の普段の暮らしなどについて体験された。また、国土交通省・観光庁のモニター企画として、「北秋田市雪かきボランティアと交流活動4日間」がツアー化され、関東・関西圏から13名が参加し、県内一高齢化が進んでいる阿仁打当地区の高齢者住宅を中心に雪かきを体験し、地元の人々と交流を深めながらマタギ語りを聞いたり、かんじき歩きや、きりたんぽ作り体験など、北秋田市の自然や文化に触れながら交流しており、このツアーは現在も継続している。
今後の具体的な取り組み方法について
グリーン・ツーリズムは、農林水産業と農山漁村を取り巻く情勢が大きく変化している中で、魅力的な地域産業として発展し、地域の活性化及び雇用創出の場として大きな可能性を持っているものと考えている。そのことから、今後も市としても、現在実施している民間の事業や、秋田県を通じての事業の継続を支援するとともに、新たな要請やニーズの変化に対応しながら、当市の豊かな自然や文化遺産並びに農業資源を首都圏等にPRすることでグリーン・ツーリズム活動を推進していきたいと考えている。しかしながら、議員のご指摘のとおり、まだまだグリーン・ツーリズム自体、地元では認知されていないのが現状なので、今後は地元の受け入れ体制の整備を含め、広報活動やインターネット等の情報発信による積極的なプロモーションに努めるとともに、「とれたて村」の生産地訪問交流などを活用しながら、広く周知し、誘客促進に繋げていきたいと考えている。
長崎克彦 議員(清和会)
順位:1−2
1.少子化と若者定住について
少子化の原因と対策について
少子化の大きな要因は未婚化・晩婚化であり、また、子育ての経済的負担が大きいこと、仕事家庭の両立の困難さなどが背景として出生率の低下につながっているものと考えている。未婚化、晩婚化については、男女の出会いの場を創出するため、これまでは市のハートフル倶楽部委員会が「出会いの集い事業」を行い、本年4月からは県少子化対策局、あきた結婚支援センターと連携を図りながら、男女の出会いから結婚に結び付くよう事業の推進を図っているところ。 また、子育て支援については、次世代育成支援対策地域行動計画に基づき、保育園や子育て支援センターの整備による子育て支援サービスの充実や、乳幼児等福祉医療の実施による小児医療や母子保健の充実、それから生活環境としては、良質な住宅の確保など、子育てしやすい居住環境の整備や、子育てと仕事の両立を支援するため学童保育の充実、そして企業等における支援対策の推進等を実施し、安心して子育てできる環境整備に努め、出生率の向上につなげていきたいと考えている。
若者の定住を実現するための政策について
議員ご指摘のとおり、若者の定住促進にとって、雇用の対策は必要不可欠であると認識しているが、いわゆるリーマンショック以降、平成21年度は当市に限らず秋田県内進出企業が0件となるなど、非常に厳しい状況が続いている。昨年からは一部業種で回復の兆しが見えはじめたものの、新たな設備投資は、増設・増築という形態が多く、なかなか新規誘致に繋がらない状況。そのため、市としては、既に進出済み企業の支援にも力を入れながら、私自身もトップセールスとして関連会社を訪問するなど、取り組んできた。その結果、秋田工業株式会社の増築では、新規雇用計画10名に対し、14名の雇用になったし、ティディエス株式会社では、新規雇用計画5名に対し、9名が雇用となったほかに、10名のパート社員全員が正規社員に登用された。また、新東北メタル株式会社では、本年度14名を新規に雇用されたほか、来月にはさらに11名の新規雇用が予定されており、本年度で25名の増員。しかしながら、また情勢も変わってきており、史上最高となった「円高」の影響など、国内への設備投資や生産拠点の構築は厳しさを増してきているので、今後も県との連絡を密にしながら、積極的なPR活動を進めていきたいと考えている。 また、働く場所以外についても、趣味や余暇の過ごし方など、若者に魅力あるまちにしていくため、中心市街地活性化策には、そうした視点も取り入れる必要があると考えている。
2.市税、使用料等の未収の現状と収納について
市税、税外収入の滞納繰越額の現状について
平成22年度決算における滞納繰越額は、一般税現年分が6,452万9,000円であり、21年度以前の繰越額1億7,582万3,000円を加えた2億4,035万2,000円を23年度に繰り越している。また、国民健康保険税の滞納繰越額は、現年分が4,486万9,000円であり、21年度以前の繰越額1億5,337万3,000円を加えた1億9,824万2,000円を23年度に繰り越しており、市税全体では4億3,859万4,000円の滞納額を抱えているが、21年度決算の滞納繰越額4億7,891万1,000円と比較すると4,031万7,000円減少している。一方、一般会計の税外収入における収入未済額は4,101万8,000円余りで、21年度決算と比較して340万8,000円(7.7%)の減。減となった主な要因は、保育料等の児童福祉費負担金が93万5,000円(14.1%)の減。住宅使用料等の土木使用料が205万3,000円(15.1%)の減。高校授業料等の教育使用料が13万8,000円(42.9%)の減などで、増となった要因は、行政財産目的外使用料等の総務使用料が10万2,000円(45.0%)の増。ひとり親家庭等住宅整備資金等の民生費貸付金収入が21万7,000円(20.1%)の増など。また、特別会計では、簡易水道特別会計の水道使用料について、22年度分の収納率が97.6%と21年度を若干上回ったものの、滞納繰越額は3,916万8,000円となり、350万7,000円の増となっている。
滞納額を圧縮するための対応策について
最も大事なことは、新たな滞納額を増やさないことにあると考えている。そのため、市税は特別徴収の徹底を図るとともに、その他使用料等を含めた口座振替の促進による収め忘れをなくする取り組みを進めていく。また、未納している方のところへはよく足を運ぶことが大切であると考える。督促状、催告状などの納付督励は、法に基づいてしっかりと対応し、そのうえで、納税者の状況をしっかりと聞きながら、より良い方法を話し合っていくことで納付に結び付けていくことが必要であると考えている。市では、7月15日に今年度第1回目の債権管理委員会を開催し、22年度決算における滞納繰越の状況等について協議した。その後、債権管理委員会作業部会において、重点的に債権整理を行うため、滞納繰越の名寄せを行いながら、それぞれ滞納している方との折衝状況等を報告し合い、確認をしたところなので、今後は、各部署で統一した認識のもとでの滞納整理にあたっていきたいと考えている。徴収の外部委託については、税金徴収以外の督促状の発行や電話催告は可能とは考えるが、税と税以外の仕訳が必要と思われる。また、競売については、これまで不動産2件の内1件が落札されているし、 ネットオークションについては、平成21年度に実施されているが、差押え物件を判断して進めていきたいと考えている。
3.森吉山ダム完成後の利活用について
ダム湖と、その周辺の新たな資源としての利活用について
森吉山ダムとその周辺は、森吉山麓一帯の観光振興の目玉であり、観光・レクリェーションの拠点である。特にダム広報館は、奥森吉を含む森吉山観光の入り口に位置していることから、地元の皆様や関係する団体等のご協力を得ながら、市の観光拠点として運営していきたいと考えている。また、ご案内のとおり本年3月に「森吉山ダム水源地域ビジョン」が策定され、それと併せた形で市では、3月定例市議会で、過疎地域自立促進計画に「森吉山ダム湖周辺整備事業」を追加している。今後は財源等を考慮しながら、計画に登載している「あずまや整備」や「遊歩道整備」などを行っていきたいと考えているが、市の整備と併せて地元の方々、団体等が主体となって整備・行動していただくものについても、積極的に支援していきたいと考えている。
4.原発事故後の対応について
放射性物質による汚染問題の対応について
本県も放射性物質調査区域に指定さており、夏秋野菜の出荷シーズンに入った7月から、JA出荷作物を中心に放射性物質の線量を検査して、消費者に汚染のない新鮮な作物の出荷に努めているところ。当市においても、管内の2つのJAが県産農畜産物安全性確保緊急対策事業を導入し、きゅうりをはじめとした16品目を検査対象作物として指定し、出荷期に入った野菜から順次検査を実施しており、両JAとも安全性が確認されている。なお、これらの検査結果については、両JAと協議しながら市のホームページへの掲載を検討していきたいと考えている。また、空間放射線量については、秋田県が測定した市内の公共施設である北秋田地域振興局及び阿仁総合窓口センター、そして、市の施設であるクリーンリサイクルセンターの飛灰の測定において、いずれも通常レベルであると発表されている。市では、今までは特に市民の皆様に対して放射線量についての説明や啓発等は行っていなかったが、今後も長期間にわたって線量の監視が必要と考えられることから、放射線測定器を購入して各庁舎を基本として空間放射線量を測定し、市民の皆様に数値でお知らせしながら、安全性の確保に努めている。
節電計画と実施後の効果について
5月13日の国の「夏季の電力需要対策について」の公表を受け、市有施設でも6月15日の全県一斉節電行動の消費電力15%抑制の試行を経て、7月1日から9月30日までは節電行動の本実施期間として「事務室内の点灯を制限する」、「電気ポットの使用を控える」、「外出時にはパソコンの電源を落とす」、「エアコンの温度設定を上げる」などの取り組みを実施してきた。その結果、7月の最大需要電力実績を昨年と比較しますと、本庁舎が41%の減、分庁舎が26%の減、森吉庁舎が30%の減、そして小中学校では平均で17%の減などとなっており、職員の節電への意識改革、取り組みへの成果が表れているものと受け止めている。
5.8.17災害のとりくみについて
査定基準額に達しない箇所と、それにたいする対応について
今回の大雨による農地・農業用施設の被災箇所は、農地78箇所、農業用施設76箇所で、その内、査定基準に達しない小災害箇所は農地28箇所、農業用施設34箇所。本来、田・畑の農地は道路や河川と違い、受益者が特定される個人財産であり、個人で復旧することが原則だが、昭和25年に「農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律」が制定されている。この法律は、1箇所の工事費が40万円以上で都道府県、市町村等が行うものを対象に、その事業費の一部を補助するというもので、これまでも、これに該当するものを復旧事業の対象として実施し、査定基準額に達しない小災害については、昨年度も数十箇所あったが、受益者の皆様の理解をいただきながら、個々に対応してもらった。今年度についても昨年度と同様に個々に対応していただきたいと考えている。
福岡由巳 議員(共産党議員団)
順位:1−3
1.改定介護保険法について
介護予防・日常生活支援総合事業について
本事業は、要支援者と二次予防事業対象者に対し、利用者の状態像や意向に応じて、介護予防や配食、見守り等の生活支援、それから権利擁護や社会参加も含め、市町村が主体となって総合的で多用なサービスを提供するもので、国が本年6月に地域支援事業に新たに追加した事業である。事業を行うかどうかは市町村の判断となるが、行う場合は、要支援1と2の対象者について、従来どおり介護予防サービスを受けるのか、総合事業としてのサービスを受けるのかを、地域包括支援センターが判断することになる。いずれにしても、国からは、まだ大まかな内容しか示されていないので、事業の実施については、今後の情報を踏まえながら、現在策定中の第5期介護保険事業計画の中で検討していく。本制度は、境界線上の方々に対する新たな制度であって、利用者の意向が十分尊重されるものでなければならない。この事業が創設された背景には、二次予防事業の対象者に対して、提供出来るサービスが少なく、予防に向けた取り組みが進みにくいこと等が挙げられている。
介護職員の医療行為について
国では、介護職員等による「たんの吸引」や「経管栄養の実施」については、当面のやむを得ない必要な措置として特別養護老人ホーム等において、一定の行為を実施することを運用により認めている。全国の各施設において医療的なケアに対するニーズが高まっている状況に対応するため、本年6月22日に公布された「介護サービスの基盤強化のための介護保険等の一部を改正する法律」により、「介護職員等によるたんの吸引等の実施」につきましては介護福祉士及び一定の研修を受けた介護職員等は、一定の条件の下に、その行為を実施できることになった。なお、実施できる「介護職員等の範囲」や「研修期間等」の具体的な内容や対応については、今後国が定める省令に基づくことになると考えている。
「24時間地域巡回型訪問サービス」について
本事業は、医療と介護の連携の強化を目的に、新たに制度化された事業でありますが、主に単身・重度の要介護高齢者の在宅生活を支えるために、日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護が密接に連携しながら1日数回の短時間の定期巡回訪問と、必要に応じての随時の対応を行うというものであり、自宅にいても施設にいるような介護が受けられるというものであります。 本事業を、来年度からスタートする第5期介護保険事業計画に盛り込むかどうかは市町村の判断となりますが、本事業は、住宅密集地や施設が不足している大都市型の事業の意味合いが強いものと認識しております。 北秋田市では、訪問介護についてはすでに多くの事業所が24時間対応を行っておりますし、訪問看護の事業所でも深夜において緊急対応できる体制を整備しております。 さらには、施設もある程度整備されていることから、採算面での問題や利用者ニーズがどの程度あるのか、また、新たな事業参入者がいるのかどうかどうかなどの動向を見極めながら、今後開催されます介護保険事業運営委員会で検討していく。
介護保険料・利用料について
現行の介護保険制度上においては、自己負担の1割を除き、公費負担は50%、保険料が50%で、介護給付費が増え、財源不足になったとしても一般会計からの繰入は原則として行うことができないので、保険料をアップするか、県の財政安定化基金から借入することになる。北秋田市では、第4期計画においても介護保険財政調整基金1億5,000万円を取り崩して保険料の軽減を行っているが、介護給付費が年々上昇する中にあっては、これ以上高齢者の方々にさらなる負担をお願いするのは、難しい状況にあることから、国に対して、今後とも秋田県市長会を通して継続的に国庫負担増の要望を行っていく。
2.松ヶ丘団地内の地盤沈下等について
市道、およびその周辺の地盤沈下について
松ヶ丘団地については、団地造成から26年が経過しており、この間に盛土部分が自重により自然に固まったことにより、市道の一部が波状になったものと思われるので、道路補修については、今後の変化量を見極めながら対応していきたいと考えている。
雨水の下水道管への逆流について
松ヶ丘団地の汚水は、団地の中央付近に自然流下後、中継ポンプ施設により流送しているが、大雨が降ると、短時間で計画した汚水量以上に流入量が増えることから、下水道管内で滞留し、一部の家庭からの汚水がスムーズに流れない状況になっているものと考えている。市としては、降雨時に、自治会から要望されている箇所を重点的に巡回するとともに、マンホール内部の目視確認により、マンホールの躯体組み合せ部からの流入を調査したが、異常な箇所を特定できなかった。そのため、現在は、これまで検討していたテレビカメラ調査を実施しており、その調査結果により原因を特定したうえで必要な対策を検討したいと考えている。
小笠原寿 議員(きらり)
順位:1−4
1.施政方針について
トップセールスについて
6ヶ月経過の中、市長自ら動いた成果とまた、副市長2人体制になっての効果と今後の取り組み
1つ目の、とれたて村で北秋田市の商品をどのようにしてPRし、展開して行くか。との質問ですが、小笠原議員にはとれたて村を視察していただきありがとうございました。ご案内のとおり店舗そのものは小さく、議員ご指摘のとおりキャベツやトマトなどの野菜が売れ筋となっていることから、各説明会の段階から「主婦が毎日の食材を買い求めるところ」「売れ筋は、米、野菜、惣菜、漬物、山菜、農林水産物加工品」と説明しながら、出店者を募ってきたが、残念ながら野菜での応募者が無く、現在も出店の呼びかけをしている状況。とれたて村では、店舗での販売のみならず、契約市町村を訪問し、生産者と交流する事業や板橋区の小中学校への給食材料の提供事業にも取り組んでいる。生産地訪問事業については、市町村の祭りへの参加や野菜の収穫体験、そして地元小学校との交流など、契約市町村の特徴を生かしたメニューのようだ。当市の正式参加が7月であったことから、まだ具体的協議は行っていないが、とれたて村側からの一つの案として、内陸線での「雪見列車」やマタギに関する体験なども上がっているようだ。また、板橋区の学校給食材料提供についても、提供が可能な農産物のリストを求められているので、現在、JA鷹巣町とJAあきた北央に検討していただいている。なお、店舗で「じゅんさい」が売られていたとのことですが、とれたて村より、『秋田県の「顔」となる特産品は「じゅんさい」「いぶりがっこ」「しょっつる」であり、商店街を利用している消費者も良く知っており、秋田県内で契約しているのは北秋田市だけなので、契約している北秋田市の業者を通して納品できないか。』との強い要請があったことから、その要請に応えると共に、市内業者の売上増にも繋がればと納品しているもの。売り上げは、契約を締結した7月15日から7月31日までの半月間(7月分)で49商品の発注があり、23万5,000円の売上。いずれにしても、とれたて村は、単に店舗販売のみならず、生産地訪問や学校給食材料の提供、更には板橋区との交流などの北秋田市のPRの常設拠点としても活用を図っていきたいと考えている。次に、トップセールスで企業誘致に関してどういう動きがあったかという質問ですが、トップセールスについては、先の6月議会の一般質問での答弁で私の考えを話しましたが、産業振興のみならず医師確保など市政全般にわたり市を売り込んでいきたいと、これまで積極的に取り組んできた。その成果としては、市内企業3社において48名の雇用人員の増員が行われている。中でも、新東北メタル株式会社については、最大株主である会社2社を訪問させてもらい、当初14名であった新規雇用を10月1日よりさらに11名を新規に雇用していただけることになっており、合わせて25名の雇用拡大に繋がっている。また、「ニド」というライフスタイル雑誌で、10数ページにわたり北秋田市を中心に内陸線沿線を紹介する特集ページを組んででいただけることになっており、市のPRに大いに期待しているところ。このような形で少しずつではあるがトップセールスの効果が表れてきていると実感している。そしてこのような結果につなげることができているのも、虻川副市長の広い人脈と地ならし、それから私の留守中も業務に支障をきたすことなく事務を処理していただける工藤副市長の2人の副市長のバックアップがあってこそであり、トップセールスの効果が、副市長2人制の効果とも言えるのではないかと考えている。
人口減少の歯止め策について
市では東京都内で行われる定住促進イベント「ふるさと回帰フェア」に参加し、来場者に対して移住に向けた相談や情報提供を行うことにしている。また、イベント時に限らず、通年で相談者に対し、求人情報、不動産情報などの提供やインターネットを活用し、総務省所管の交流居住ポータルサイト「交流居住のススメ」に参加し、市の観光情報、体験メニュー等を紹介している。その中で、今年4月からは北秋田市へ移住された方の移住体験談を月1回程度のペースで連載しており、移住を希望される方にとっては、実際の移住者の声がもっとも参考になるのではと期待をしているところ。また、U・I・Jターンや二地域居住、田舎暮らしをサポートする「ようこそ秋田移住促進会議」という団体から移住希望者の相談活動等に対する協力の申し出もあることから、連携した取り組みについて今後検討したいと考えている。
2.まちづくり行政について
北秋中央病院跡地について
北秋中央病院跡地における厚生連との交渉については、市民病院の指定管理料等と切り離して考えたいとの思いから、4月以降、交渉の窓口を医療推進課から財政課に移して断続的に行っている。交渉の内容については、相手があることなので具体的な発言は控えるが、3月議会で申し上げた市の鑑定評価額をベンチマークとして交渉を進めているところ。いずれにしても、この土地の取得については、議会の議決が必要な案件になるので、交渉がまとまり次第、議会にお諮りする。また、中心市街地活性化検討委員会の今後のスケジュールと「まちづくり」に関して市民講座等を開くべきではないか。との質問ですが、去る3月議会でも申し上げたとおり、中心市街地活性化ビジョンは、大きく3段階に分けて策定することにしており、その第1段階が検討委員会の設置である。この委員会は、「活性化策のアイデアを出していただく検討会」なので、去る7月12日開催した第1回検討委員会でも「検討委員の皆様には、実現性に縛られることなく、色々なアイデアを出してほしい」とお願いしており、今回のアンケートは、検討委員の皆様がアイデアを出すための参考となるよう実施するものである。アンケートの協力をお願いすることになる市民や高校生の皆様には、日頃の実態を記載していただき、検討委員の皆様には、それを参考に自由にアイデアを出していただきたいと考えているので、現段階でのまちづくりに関しての講演会や市民講座の開催は考えていない。なお、今後の作成スケジュールは、10月中旬にアンケート結果を検討委員会へ提示し、アイデアをいただき、並行して検討委員会より出された活性化策のアイデアの実現性・実行性を検討する庁内会議を開催し、来年1月上旬には原案の公表とパブリックコメントの受付に繋げていきたいと考えている。
歴史的景観条例の制定の動きについて
昭和43年に全国で最初に金沢市が「伝統環境保存条例」を制定し、国が平成5年6月に「景観法」を全面施行して以来、景観行政団体である地方公共団体は、条例で景観問題に対し大きな役割を果たすことが可能になった。秋田県では平成5年3月に施行しており、県内では、秋田市、仙北市も条例化を行っている。この条例は、歴史的景観の保全・伝統建造物群の保存の景観形成に関する基本的な事項を定め、自然と歴史と調和した美しい街並みや風景を創造または保全をして、魅力ある景観の形成を図ることを目的としており、全国の各市では、都市計画法と併せて一定の歯止めをかけるために条例化を行っている現状である。市としては、国のモデル事業で作成した「北秋田市歴史文化基本構想」における文化財保存活用計画を踏まえて、根子集落を含む基本構想上の代表的な景観について、今年度から市内文化財関係団体とともに、各地区でワークショップを開始し、市民の皆様の意見を伺いながら進めたいと考えている。文化財や遺跡の景観保存や規制は、都市計画法等のそれぞれの法改正等が関連してくることから、各課とも協議し、さらに、その地域で暮らされている方々の意向も尊重しながら、将来展望を見据えた取り組みが必要と考えている。
3.観光資源開発について
観光資源開発には総合的な取組みを
議員ご指摘のとおり、それぞれの分野では頑張っているものの、横の連携が強いとは言えない状況だと認識している。議員からは専門業者に依頼するという提案もいただいたが、6月議会でも申し上げたとおり、今年秋にはミニDC(デスティネーションキャンペーン)が開催され、上野、有楽町、品川などの首都圏の主要駅でPR活動が行われ、来年はプレDC、そして平成25年度には、JR6社共同の「DC」が開催される。そのため、市としては、受入れ態勢の整備が急務となるので、この機運をとらえ、市内の宿泊、輸送、特産品販売など関係する全ての団体等と連携した組織体制づくりに万全を期して取り組んでいきたいと考えている。
4.集中豪雨災害の対応について
8/17の集中豪雨災害の被害状況について
被災者に対しての今後の対応は
「8/17の集中豪雨災害の被害状況について」との質問については割愛するとのことなので、次の「被災者に対しての今後の対応は」との質問に答えます。今後の対応としては、住家への浸水に関する消毒作業は、ほぼ終了しているが、床上浸水の被害にあわれた方に対しては、県の制度による見舞金が支給されるので、その手続きを進めていくとともに、道路や河川、それから農地・農業用施設については、国の災害復旧事業により、早期復旧を図っていく。
武田浩人 議員(公明党)
順位:1−5
1.豪雨時の避難情報について
8/17の豪雨で綴子川が「氾濫危険水位」を超えたのにも関わらず周辺の住民に対し、避難に関する情報を出さなかったのはなぜか
8月17日の豪雨は、16時から18時までの極めて短時間に、鷹巣北部地域に集中して降水量が記録されたものだった。市では、短時間の豪雨による綴子川の水位上昇により、谷地川の水位上昇も予想されたことから、水防団及び市職員により河川の状況を注視するとともに、17時30分には交流センターを避難所として準備したほか、学校施設も避難所として準備することを関係機関に指示をした。そして、18時30分に災害警戒部を立ち上げ、水位の状況や18時以降の降雨の状況、それから住家への被害の想定などを総合的に勘案した結果、避難勧告を発令するには至らないと判断したもの。この度の豪雨は、局地的、局所的に集中して発生しており、特に住家被害、避難という観点から考えると、影響範囲が自治会や町内会といった地区単位の「面」ではなく、さらに細分化され住宅の立地場所や条件に左右されるといった「点」の災害であったことから、避難等にいては、個別の対応としたもの。また、これまでのような水位の上昇に、ある程度の時間的余裕があるものとは異なり、局地的、かつ、短時間で発生したことから、そのような災害時の初動、情報伝達、避難における困難さを痛感するとともに、教訓として、今後の災害に備えたいと考えている。
2.ドクターヘリの場外離着陸場の設置について
市民病院以外の場外離着陸場(臨時ヘリポート)の設置は何箇所を予定しているのか
設置場所は旧町単位で選ぶなどの地域割は考慮するのか
ドクターヘリの臨時ヘリポートについては、現在、県の医務薬事課で県内約300カ所の候補地について検討中と伺っている。先に県から市に対して適地の照会があり、現在、防災ヘリの臨時ヘリポートとして指定している34箇所が旧町ごとにバランスよく配置されていることから、鷹巣地区の9箇所、合川地区の10箇所、森吉地区の7箇所、阿仁地区の8箇所の計34箇所を届け出しており、県では現在これらについて検討しているものと思われる。ドクターヘリの臨時ヘリポートが正式に決定されるのは、11月と伺っているので、決定されしだい報告したいと考えている。
3.福祉避難所の設置について
福祉避難所の設置はいつごろを目処に進めていくのか
福祉避難所が未設置の状態で災害発生時にその機能を避難者などから求められた場合の対処の方法は
市では、現在、福祉避難所の設置はないが、本年5月に策定した「北秋田市災害時要援護者避難支援プラン」に基づき、同意方式による災害時要援護者登録の整備を進めているところ。質問の福祉避難所については、現在、三つの形態を考えているところ。 一つ目は、一般避難所に福祉用具等を配備し、室内を間仕切ることで福祉的避難所として活用する。 二つ目は、施設全体の要援護者を対象とした福祉避難所として整備する。 三つ目として、介護施設等と協定を結び、比較的重度の要援護者の方を受け入れてもらう。という三つの形があり、これらについて順次整備を図っていく必要があると考えている。また、現在のように福祉避難所が未整備の状況下にあっては、災害時には要援護者の方々も一般避難所へ避難していただき、避難者の状況によっては福祉用具等を配備しながら福祉避難所として活用を図り、それでもなお避難所生活が困難な状況の方には医療機関や介護施設等との連携を図りながら対応していきたいと考えている。幸い、先般、市内の福祉施設や介護施設の経営者の方々が北秋田地域福祉施設経営者協議会を設立されたので、協議をさせていただきながら、有事の際には協力いただける体制づくりに努めていきたいと考えている。
4.高齢者への聴覚チェックで認知症予防を充実させることについて
認知症予防のため、当市でも特定検診に聴力検査を導入する考えはないか
現在、国の特定検診項目には聴力検査は対象でないことから、市でも実施はしていないが、この聴力検査には5分程度の検査時間を要することから、現在の集団検診での待ち時間等を考慮すると、実施については、時間的に困難な状況である。しかしながら、個別医療機関方式において検診項目を追加することは、医師会との合議が得られれば可能と思われるので、今後、協議検討をしていく。
聴力検査導入前の準備期間に簡易チェッカーを使って聴覚チェックを実施する提案についての見解を
現在、市では、65歳以上の方々全員を対象に基本チェックリストによる生活機能評価を実施しており、その評価により、健康支援及び介護予防の各種事業へ参加を呼び掛けている。議員提案の簡易チェッカーによる聴覚チェックについては、健康相談や健康教育において希望者に実施することは可能と思われるが、医師会の指導を仰ぎながら今後検討していく。