2011年09月09日
コンテンツ番号9498
高齢化社会への対応など3議員が質問
(2011.9.9)
平成23年北秋田市議会9月定例会の本会議が9月9日(金)、議事堂で開かれ、3議員が高齢化社会への対応などについて一般質問を行いました。
このうち、一人暮らしや高齢者世帯への援助について「阿仁地域をモデルケースに、行政と福祉事業関係機関及び自治会などがネットワークを構築して、高齢者の日常生活を支援するため、『阿仁地域高齢者世帯安心・安全ネットワーク事業』を阿仁総合窓口センターにおいて開始した。具体的には、本年6月から8月まで、小規模集落における高齢者世帯への支援の実態や、暮らしの実情等を把握するためのアンケート調査を実施し、10月以降にその調査結果を踏まえ、集落の状況や個々のニーズ、そして生活環境の実態を把握する予定。また、世帯訪問の結果をもとに、市と福祉関係機関及びその他の関係機関が、効率よく支援に関わる連携体制等の検討と基本プランの立案を今年度中に行う計画となっている」などと答弁。
また、米内沢診療所の病院棟と空き家となっている医師住宅の有効活用について「現段階では、診療所として改修予定の人工透析棟を除いては、解体を予定している。解体後の跡地利用については、まだ、白紙の状態であるが、議員の皆様や市民の方々から幅広くご意見をいただきながら有効活用に努めたいと考えている。また、医師住宅については、診療所の付帯施設として必要な戸数は行政財産として残し、その他については売却または解体を予定している」などと答弁しました。
各議員の質問と、市長ほか市当局の答弁の要旨は次のとおりです。
久留嶋範子 議員(共産党議員団)
順位:2−1
1.安心して子育てする為の施策について
「少子化対策」から「子ども・子育て支援」へ
子育ての経済的な負担軽減として「子ども手当」は保護者の方々にとっては歓迎されているところですが、財源をめぐっては自治体の負担も伴うという課題もある。子育て支援に対する思い、ビジョンとしては、次世代育成支援対策地域行動計画に基づき、保育園や子育て支援センターの整備による子育て支援サービスの充実、乳幼児等福祉医療の実施による小児医療や母子保健の充実等に努め、安心して子育てできる環境整備の促進に一層努めていきたいと考えている。
小学校卒業までの医療費無料化について
現在、市では小学校入学前までの医療費については、所得制限を設けずにすべて無料としている。小・中学生については、入院医療費を助成し無料化を図っている。 また、母子家庭や父子家庭においては、高校卒業までの医療費を無料、さらに重度心身障害児についても年齢制限を設けず医療費を無料としている。 このように市としても、子育てに対する保護者の負担軽減に努めているところであり、当面は現行制度を維持していきたいと考えている。
出産祝金制度の制定について
出産祝い金制度を設けている自治体もあるが、私の思いとしては、祝金制度のような一時的な財政支援よりも長期的な支援として、子育ての環境整備に重点を置いた市独自の支援策を検討し、充実を図ることで出生率の向上、子育て支援につなげていきたいと考えている。
育児休業制度の利用状況について
北秋田市の状況については、調査を行っていないことから把握ができないが、県内の状況については、県が毎年実施している労働条件等実態調査の平成22年度調査によると、回答があった常用労働者5人以上の民間事業所で、育児休業制度の規定がある事業所は842事業所で、育児休業を取得できる条件に該当した人は女性796人、男性664人、そのうち実際に育児休業を取得した人は、女性が703人で、男性は9人となっており、男性の取得率は非常に低い状況となっている。市内の企業でも育児休業の取得率があまり高くないと伺っているが、市としても就業規則の整備の促進など、企業への啓発を行いながら、育児休業制度の定着と利用促進を図っていきたいと考えている。
2.高齢化社会にどう対応していくのか
一人暮らしや高齢者世帯への援助について
市内でも特に高齢化の進行率が高く、一人暮らしや高齢者のみの世帯の多い阿仁地域をモデルケースに、行政と福祉事業関係機関及び自治会などがネットワークを構築して、高齢者の日常生活を支援するため、「阿仁地域高齢者世帯安心・安全ネットワーク事業」を阿仁総合窓口センターにおいて開始した。具体的には、本年6月から8月まで、小規模集落における高齢者世帯への支援の実態や、暮らしの実情等を把握するためのアンケート調査を実施し、10月以降にその調査結果を踏まえ、集落の状況や個々のニーズ、そして生活環境の実態を把握する予定。また、世帯訪問の結果をもとに、市と福祉関係機関及びその他の関係機関が、効率よく支援に関わる連携体制等の検討と基本プランの立案を今年度中に行う計画となっている。災害時要援護者避難支援制度については、これまでの「手上げ方式」では援護が必要な方々からの自主的な申請であったことや、支援の必要性や制度の中身について十分に認識されていなかったこともあり、登録者がたいへん少ない状況であり、現在の「同意方式」に移行し、民生児童委員の方々を始め、自治会長さんや町内会長さんの協力を得ながら、積極的に登録の働きかけを行っている。この制度では、随時、新規の申請登録を行うとともに、年1回以上は登録台帳の更新を行い、関係する皆様に常に確実な情報を提供しながら、制度の円滑な運用を図っていきたいと考えている。
地域における行政協力員、民生・児童委員のあり方について
市の民生児童委員については、現在150名の定員に対して、2名が欠員となっており、その補充については、地区の自治会や町内会の会長と協議しながら、地区から推薦して頂き、市の推薦委員会を経て、県・国へ具申する運びとなっており、現在、2名の欠員について、該当地区の自治会長と協議中です。民生児童委員の選出基準については、「地域の実情に通じ、かつ、社会福祉及び児童福祉の増進に熱意のある者」とされているほか、生活経験の豊富さや健康状態の良好な方、そして委員として活動に必要な時間を割くことができる方となっている。また、新任の教育については、県や県社会福祉協議会主催の新任研修会に参加していただき、民生児童委員の役割についての研修を受講いただいているほか、毎月の定例会において、市の福祉関係職員等から各種福祉制度について説明を受けるなど、積極的に制度の把握に努め、民生児童委員としての研鑽を高めて頂いているところです。
地域見まわり隊について
市では、民間企業と行政が協働しての高齢者の見守り事業は実施していないが、孤立する高齢者の一人世帯や高齢者世帯については、民生児童委員の訪問や、地域の老人クラブの友愛訪問活動、並びに、登録者への配食サービスなどで定期的な訪問がなされている。 併せて、健康面で不安な世帯に対しては、あんしん電話を市内477世帯に無償貸与しながら、地域的な見守り活動を継続的に行っている。しかしながら、市内には25の限界集落も存在していることから、新たな取り組みとしては、先ほどご紹介した「阿仁地域高齢者世帯安心・安全ネットワーク事業」等を市内全域に普及させながら、よりきめ細かな支援体制を構築していきたいと考えている。
町おこしに高齢者の力を
元気な高齢者の方々には積極的に社会参加していただき、それぞれがお持ちの知識や経験を地域のために活かしていただくことは、まちづくりを進める上でたいへん重要なことと考えている。特に農産物を活用した特産品の開発や伝統文化等の伝承などの分野や、生涯学習やボランテア活動などの分野では、その豊富な知識や経験を活かしていただくことで、若い方々にはよい刺激となるのではと考えている。 市としても、高齢者の方々が積極的に社会参加できる環境整備に取り組んでいきたいと考えているし、こうした取り組みを進めることが、高齢者が生き甲斐をもって元気で健康に暮らせる環境づくりにもつながるものと考えている。
板垣淳 議員(共産党議員団)
順位:2−2
1.米内沢診療所について
病院が診療所になったことによる地域経済への影響ならびにその対策
地域経済への影響として、病院の病床数の変化に伴う地元からの調達状況について、経常経費の主なものとして給食材料費、燃料費、消耗品費の決算の状況から報告します。平成18年は、稼働病床数が202床であり、給食材料費が1,836万7,000円、燃料費が2,422万7,000円、消耗品費が296万7,000円の合計で4,556万1,000円を地元業者に支払っている。また、平成20年は、稼働病床数が125床となり、給食材料費が1,260万2,000円、燃料費が1,623万8,000円、消耗品費が178万5,000円の合計で3,062万5,000円、診療所としては、当年度の予算となるが、給食材料費は0円、燃料費は683万5,000円、消耗品は151万3,000円で合計834万8,000円となっており、確かに地元経済へ影響はあると認識している。この影響への対策については、特定の地域への経済対策ということになると非常に難しく、市としては、市全体の経済浮揚のため鋭意取り組んでいるところであり、ご理解をいただきたい。
病院棟と空き家となっている医師住宅の有効活用を
昨年、民間医療法人から病院施設の移譲等の打診があり、民営化も視野に検討した経緯もあるが、最終的には民間医療法人の進出がなくなり、結果として今後病院としての運営はできなくなった。また、医療施設以外の活用も想定されるが、当施設は、昭和54年に建設され32年が経過していることから、利用には給排水設備の整備や耐震等の関係で多額の費用が発生する可能性があり、費用対効果に優れた長期活用の方策を見いださない限り活用は難しいと考えている。 このようなことから、現段階では、診療所として改修予定の人工透析棟を除いては、解体を予定している。解体後の跡地利用については、まだ、白紙の状態であるが、議員の皆様や市民の方々から幅広くご意見をいただきながら有効活用に努めたいと考えている。また、医師住宅については、診療所の付帯施設として必要な戸数は行政財産として残し、その他については売却または解体を予定しており、売却する場合には、土地の登記が分筆されておらず、道路はすべて構内道路という状態となっているので、現状のままでは売却することができない。そのため、売却するとした場合の手順として、まず、旧病院敷地全体の利活用方針の決定し、分筆計画・市道認定計画を確定させ、そして予算措置、分筆測量業務の発注などが最低限必要となりますので、今年度中の売却は難しい状況ではあるが、なるべく早い時期に公売できるよう取り組んでいく。
2.消防について
広域合併の進捗状況は
平成18年6月の消防組織法改正によって示された市町村消防の広域化については、同年7月の消防庁長官告示によって、各県では平成24年度までの広域消防運営計画の策定と広域化の実現が求められている。平成20年3月にまとめられた「秋田県消防広域化推進計画」では、当市は、鹿角市、小坂町、大館市、上小阿仁村の5市町村を管轄する広域化計画が提示され、これまで数次にわたる各市町村総務部局・消防本部等の関係者協議や、平成21年8月に行われた市町村長会議で協議してきたが、同年10月の消防本部課長会議以後、協議は行われていない。消防の広域化は、過疎化の進行、それから災害や事故の多様化、大規模化に対応して、その必要性が述べられているが、5市町村の協議では、運営方法を一部事務組合方式とするか委託方式とするかについての意見の隔たりが大きく、今後の協議についても端緒が見い出し難い状況となっており、結論に至るまではまだまだ時間を要すものと考えている。
住宅用火災警報器未設置家屋への対策は
行政報告でも触れたが、市では本年6月1日からの義務化に対応して、8月まで各世帯を訪問するなどして重点的に設置推進を図ってきたところであり、今後も、市広報の活用や啓発パンフレットの配布、それから訓練やイベント等での呼びかけなど、継続して設置徹底に努める。 また、消防団活動と連携した地域での取り組みや、高齢者団体や婦人団体の活動と連携した呼びかけにも、さらに引き続き取り組んでいく。
中嶋洋子 議員(政友会)
順位:2−3
1.ふるさと踊りと餅っこまつりについて
この祭りの位置づけは
交通規制について
来年度に向けて
このイベントは、鷹巣地区で夏のイベントが無かったことから、米の消費拡大を図ることや、鷹巣地区の商店街に「賑わい」を創り出すこと等を目的に企画、開催され、これまで婦人会や自治会、それから企業などの各種団体が協力しながら継続されてきた。 また、地域住民の皆様のご努力により運営されていることから、観光振興のみならず地域の活性化にも大きく貢献しているイベントであると認識しており、来年度以降も継続して開催していただきたいと考えている。ただ、新たな課題として、県道大館鷹巣線の「松葉町交差点」の占用が出来なくなり、今年は区間を短くしての開催となった。実行委員会の事務局でもこれまでどおりの開催に向けご尽力されたようですが、市民の安全や交通事故防止を第一に考えてのことであったことから、いたしかたなかったと聞いている。この課題は来年度以降も続くものと予想されるので、このイベントがこれまでと変わらず、むしろこれまで以上に地域の活性化に繋がっていくイベントとなるよう、実行委員会の皆様には、内容も含め、今からでもご検討いただければと思っている。
2.公民館使用料について
説明会の反応は
今後どうするのか
平成23年の3月議会で各地区の各公民館で異なっていた使用料を公民館条例の一部改正で統一し4月より運用してきた。一方使用料に減免についても取り扱いが統一されていなかったことから、利用者負担の原則に基づく減免要綱を作成し、6月から各地区説明会を開催して利用者のご理解を得られるように進めてきた。説明会では、今まで数十年来無料で使用したところについては値上されたとの認識がつよく、負担については高齢者グループや構成人数が少ない団体は大変であるというご意見があった。そのため、登録制度を設けて半額減免を行い負担の軽減を図っている。ただ、個人の趣味や教養活動での使用については、条例に基づき使用料負担をお願いして行きたい。今後も、これまで同様、公民館の生涯学習に対する「学習者の底辺拡大」や「学習機会の提供」を図り、よりよい社会、地域づくりを目指して行きたいと考えている。(教育長)
3.市民歌はいつできますか
検討した結果は
現在、県内自治体の制定手法や経費等についての調査を行い、作詞・作曲の制作における問題点などの課題整理を行っているところ。市民歌は市民の一体感を醸成するために必要なもので、今年度中に課題の整理を終え、平成24年度には市民歌制定に向けて委員会等を立ち上げたいと考えている。
4.市民病院玄関前薬局の新設について
業者の選定方法は
条件はあるのか
市民病院玄関前への薬局誘致については、妥当な解決策を見つけるに至らず市民病院玄関前に薬局を誘致する方針へと変更したことから、開院当初から設置されている現在の2つの薬局について、十分配慮する必要があると考えている。また、誘致する薬局数については、将来的な人口減少と連動して、利用者の減少が想定されることや、2カ所の薬局体制でなんら支障がないことから、市としては、現在の2つの薬局を玄関前に誘致する方向で、9月1日に双方に対しての説明会を開催したところ。条件としては、基本的には、現在、駐車場となっている病院の正面玄関前の市有地を貸付けし、薬局の建設費については、薬局側が負担することにしている。 また、貸付け地としては、薬局建設地と薬局専用駐車場用地とし、市の財務規則に基づく使用料を支払っていただくこととしており、このほか、変更時の条件等も付けている。 説明会では、今申し上げた市の条件を示した上で、進出する意志があるかどうかの回答を書面でいただくことにしており、市としては、来年10月のオープンを目指して手続きを進めたいと考えている。
今年の冬はどうするのか
手法としては、昨年同様車両運行を考えている。運行主体についは、市が運行するのか、あるいは、第三者にお願いするのか、ただいま検討しているところ。昨年は、北秋田市社会福祉協議会の独自事業として車両を運行していただいたことに改めて感謝申し上げる次第ですが、今年も市民の皆様に不安を与えないよう良い方向に進めていきたいと考えている。
5.世界遺産をめざす「伊勢堂岱遺跡」
まず、やるべきことは何か
今後の具体的方策は
行政としては発掘調査・環境等の整備・遺跡のPRの3つである。 発掘調査については、昨年度に終了し、発掘調査報告書をまとめ、文化庁に提出した。この提出した成果報告書をもとに環境整備に移ることができるので、待望の遺跡周辺の環境整備及び保存計画を作成して具体的取組を検討しているところ。PRについては、地域の子ども達によるサケの稚魚放流「カムバック・サーモン」や「北秋田市縄文まつり」、歴史学習の一環として子どもたち、成人の現地学習、ポスターやリーフレットの配布をしている。さらに、県外においては、國學院大学内での特別展示等も行っている。最近は地元企業の伊勢堂岱遺跡に係わる商品開発や、市民主体のフォーラムの開催などもあり、世界遺産登録に向けたPR活動は着実に進んでいると認識している。さらに市を上げて運動が展開できるよう関係者と連携して気運を盛り上げたい。今後、市として独自に行うこと、4道県が連携して行うことがあるので役割分担を落ち度なく進めていきたい。下市としては、今年度から史跡整備の補助を受けられるようになり、文化庁から指導をいただきながら、見学環境の整備に取り組んで行きたいと考えている。世界遺産登録推進については、4道県が協同で進めているので、国際会議の開催や世界遺産委員会への推薦書作成を引き続き連携して進める。 なお、東西アクセス道については、県と協議を進めている。(教育長)