2011年09月10日
コンテンツ番号9500
平成27年の世界遺産登録に向けPR
(2011.9.10)
国指定史跡「伊勢堂岱遺跡」など市の縄文遺跡と文化をPRする「第11回縄文まつり」が9月10日(土)、伊勢堂岱遺跡を会場に開催され、子どもたちや考古学ファンらが遺跡見学や勾玉づくりなどで縄文時代の文化を体験しました。
縄文まつりは、平成13年に同遺跡が国の指定史跡に指定されたのきっかけに、伊勢堂岱遺跡に関心を持ってもらい、また子供たちにも体験学習の場を提供しようと始まったもので今年が11回目。
伊勢堂岱遺跡はあきた北空港(大館能代空港)そばの台地上に位置する縄文時代後期前半(今から約4千年前)の遺跡で、平成7年に同空港アクセス道路建設に先立つ発掘調査で発見されました。直径30mを超える4つの環状列石(ストーンサークル)や配石遺構、掘立柱建物跡、土壙墓、捨て場など、多くの祭り・祈りの施設が見つかり、大規模な祭礼の場ではないかと推測されています。
遺存状態がよく学術的価値が高いことから、平成13年1月、国の史跡に指定され、平成19年からは、青森、岩手、秋田の北東北3県と北海道が、伊勢堂岱遺跡や大湯環状列石、三内丸山遺跡など15の縄文遺跡を「北海道・北東北の縄文遺跡群」と名付けて世界遺産登録運動を展開、平成20年12月に暫定リストに登録されています。
この日の開会セレモニーでは、同遺跡のガイドやPRを務めるボランティアグループ『伊勢堂遺跡ワーキンググループ』の佐藤喜美男会長が、「この遺跡は世界に例のない遺跡。今日は遺跡を知っていただき、楽しんでほしい。また、今日は北秋田市に避難されている被災者の方々も市役所を通して案内させていただいた。今日一日、4千年前の文化を体験し、縄文時代を感じてほしい」などとあいさつ。
続いて、来賓の三沢仁教育長と近藤健一郎県議会議員が「縄文時代は自然と共生し人々が力を合わせ、争いのない平和な暮らしを続けた時代と言われており、人が生きていくうえで最も大事なこと。伊勢堂岱遺跡は、市議会でも話題になり、道路や駐車場、PRについて議論され、平成27年の世界遺産登録を目指し準備が進められてる。世界遺産登録のため、皆さんのご協力をよろしくお願いします」、 「4千年前もの歴史を実際に見て触れることができることは、本当に素晴らしいこと。県議会でも道路整備など、多くの方々に来ていただけるよう環境整備を進めていく」 などとあいさつしました。
会場では、ボランティアガイドによる遺跡見学会が行われたほか、体験コーナーとして土器や当時の装飾品だった「勾玉(まがたま)」づくりコーナー、弓矢の的当て、火おこしコーナー、縄文時代の衣装を着ての記念撮影など盛りだくさんのイベントで、縄文文化をPR。また、お昼にはサケが焼かれ、来場者に振舞われたほか、「縄文音楽祭」として縄文をイメージした音楽の演奏や踊りが行われました。
各コーナーでは、伊勢堂岱遺跡ワーキンググループのメンバーなどがボランティアスタッフとして協力し、訪れる人たちの指導や遺跡のガイドでまつりを盛り上げていました。