2011年05月11日
コンテンツ番号3896
広い牧場でモリモリ牧草を食べて
(2011.5.11)
鷹巣牧場は平成3年にオープンし、同牧場の利用組合(工藤文一郎組合長、19組合員)によって放牧が続けられています。総面積が87ヘクタール、うち草地部分が約24ヘクタールの林間放牧場で、牧区が5つに仕切られ、牛が効率よく牧草を食べることができます。
この日、放牧されたのは赤牛(褐毛和種)と黒牛(黒毛和種)の成牛28頭(赤牛2頭、黒牛26頭)、子牛7頭(すべて黒牛)の合わせて31頭。昨年は11月8日の退牧日までに成牛61頭、子牛8頭が牧場で暮らしました。
午前11時から監視舎で行われた安全祈願祭には、利用組合の工藤組合長をはじめ、虻川広見副市長、利用組合員、市や県、農協など関係団体が出席。はじめに、拝礼とお神酒による献杯で1年間の安全と生育を祈りました。
続いて入牧式が行われ、虻川副市長が「4月の天候不順で気温の低い日が続き、草地の生育が心配されましたが、高地の牧草地は良い状態のようなので、予定どおり入牧式を行うことになりました。畜産を取り巻く環境は、飼料の高騰や農家の高齢化、口蹄疫ウイルス、福島原発の事故による放射能の風評被害など、現在、非常に厳しい状況にあります。また、先月は、宮崎県において口蹄疫の疑いがある事例が発表されています。当鷹巣牧場では、何よりも衛生管理を行いつつ、生殖牛の生産に力を注いでいただきたい。畜産は当市にとって、重要な位置づけにありますので、6ヶ月間の放牧ですが、事故や病気等の発生が無いように、市も一生懸命取り組みますので、皆さんのご協力をお願いします」などとあいさつ。
工藤副組合長は「今年は1月の大雪、2月の暖冬、3月には震災、4月は天候不順ということで、農作業も大きく遅れています。私たち農家にとって、労力の軽減と思って放牧に期待をしています。放牧は、自然ということと、生き物ということを考えると、いつ何が起きるか想像もつかない。市をはじめ関係機関の協力をお願いし、牧場では、決まりを守り安全放牧に務めていきたい」などとあいさつ。
このあと、11組合員の所有する和牛は組合員の誘導のもと、草地の状態が良い高地の牧区に移動し、囲いの扉が空けられると勢いよく飛び出し、数頭づつの群れになって牧場内を元気に歩き回り、草をはんでいました。
牛の飼育方法は、夏は緩やかな傾斜の山地に放たれて草をはみ、冬は里で舎飼いされる「夏山冬里」の飼育方式。牛の健康と肉質の向上、農家の省力化に適した繁殖経営方式といわれています。
鷹巣牧場の放牧は10月末まで行われる予定です。また、市営高津森牧場は牧草の育成を見ながら、6月上旬に放牧を行う予定です。