2019年01月26日
コンテンツ番号2988
魅力ある観光地を目指し広域連携を
国際樹氷サミット北秋田市が、1月26日(土)に阿仁ふるさと文化センターで行われ、北秋田市、山形市、青森市の市長らが参加し、連携を図りながら樹氷の魅力を国内外に広く発信していくことを誓い合いました。
国際樹氷サミットは、世界的な絶景として知られ、東北地方の冬季山岳観光の大きな魅力となっている樹氷原を活かした観光を創造するため、日本を代表する三大樹氷形成地の青森市(八甲田連峰)、山形市(蔵王山)、北秋田市(森吉山)が、広域的に連携して国内外へ広く発信し、東北地方の良さが際立つ魅力ある観光地づくりを目指すために3市が持ち回りで開催しているもので、今回で3回目を迎えます。
この日は、午前の部に樹氷観賞ツアーが行われ、海外の旅行業者や招待客約40人が参加し、森吉山の樹氷を観賞しました。午後から行われたサミットには、青森市の前多正博副市長、山形市の佐藤孝弘市長、津谷市長をはじめ、関係団体の代表者、海外の旅行業者や報道関係者など、約180人が参加しました。
開会にあたり、主催者を代表して津谷市長が「サミットを通して、樹氷という世界的に貴重な地域資源を冬季観光の柱とし、自然の大切さ等にも理解を深めながら、関係機関の皆様とともに国内のみならず、外国人客のさらなる誘致に結びつけたい」などとあいさつを述べました。
続いて、JTBグローバルマーケティング&トラベル営業企画部デスティネーション開発担当部長の阿部昌孝さんが「最新のインバウンド状況~訪日外国人旅行客の趣向・特徴~」と題して基調講演を行いました。阿部さんは「東北地方に多くのインバウンドが訪れる時期は4月の桜と10月の紅葉の時期。今後の展開として、桜や紅葉の時期だけでなく、年間を通してインバウンドに来てもらうことが重要となる。各県の祭りなど東北地方ならではの個性と樹氷を活かした広域連携をすべき」などと考察を述べました。
このあと「個性・連携・樹氷の未来について」をテーマにパネルディスカッションが行われました。パネリストとして3市長のほか、関係団体の代表ら計8人が参加。北秋田市からはNPO法人森吉山の片岡信幸理事長と秋田内陸縦貫鉄道株式会社の吉田裕幸代表取締役社長が参加しました。
はじめに、それぞれの樹氷の個性や特徴について述べ、山形市の佐藤市長は「蔵王は樹氷観賞だけでなく、温泉やスキーなども含めた総合型リゾート。課題である冬季以外の観光客を増やす対策として桜を植え始めている」などと、青森市の前多副市長は「インバウンドの受け入れ態勢づくりとして、ロープウェー山頂でインターネットにつなぐことができるよう実証実験を行っている」などと紹介しました。
また、津谷市長は「樹氷観賞期間中は、樹氷案内人を配置し、案内のほかスノーシューの貸し出しや樹氷教室などを行っている。また、ゴンドラを降りて徒歩5分くらいのところに樹氷平があり、アクセスが良いことに加え、天候不良時には山頂駅舎に隣接しているビジターセンターの中から樹氷を観賞することができ、いつでも誰でも気軽に樹氷観賞をすることができる。このほか、秋田犬とのふれあいはインバウンドにとても好評である」などと森吉山における樹氷観賞の特徴を紹介しました。
関係団体からは「スノーモンスターという言葉がよく使われるが『樹氷』という言葉でブランド化すべき」「3市で樹氷についての情報共有をもっとしていくべき」「樹氷という資源が持続するよう、環境に配慮した取り組みも行うべき」などと活発な意見交換が行われました。
閉会にあたり、次年度開催地である山形市の佐藤市長が「本日のサミットを通じていろんな課題が見つかった一方で、より良い方向性も見えてきた。今回でサミットは一巡したことになる。来年は、蔵王で皆様と顔を合わせながら、より議論を深めていける機会を作りたい」と来年の再会を呼びかけました。