2011年03月01日
コンテンツ番号3828
最後の卒業生92人が巣立つ
市内4高校(県立鷹巣農林、県立鷹巣、県立米内沢、市立合川)が統合し、4月に県立秋田北鷹高校が開校するため、市内4高校では最後の卒業式が行われます。
このうち、4校の最初で3月1日に行われた県立鷹巣農林高校(佐藤英樹校長、生徒数239人)の卒業式では、最後の卒業生92人がそれぞれの思い出を胸に学び舎を巣立ちました。
同校は、明治42年3月に県内初の郡立実業学校となる北秋田郡立農林学校として旧七日市村(現北秋田市七日市)に開校。大正2年4月には県立秋田農林学校として新たに創立し、同年9月には新校舎が現在の伊勢堂岱に完成。大正15年には県立鷹巣農林学校に改称。昭和23年4月には県立鷹巣農林高等学校に改称。昭和25年に町立鷹巣高等女学校の普通科、被服科を併合し、県内初の総合性高校として再編統合。昭和42年には普通科、家政科が県立鷹巣高等学校として分離・独立。その後は農林専門の高校として歩んできました。
平成23年4月には県立の鷹巣高校、米内沢高校、市立の合川高校と共に県立秋田北鷹高等学校として再編統合されるため、今年度が最後の卒業式です。同校の卒業生数は、郡立農林学校時代から数え最後の卒業生92人を合わせ、1万6530人です。
式典では、はじめに卒業証書の授与が行われ、農業科学科は北林明訓さん、森林環境科は畠山雄真さん、環境土木科は加賀貴文さんの各科代表が、佐藤校長から卒業証書を受け取りました。
佐藤校長は式辞で、「鷹農最後の卒業生となった92名の皆さん、卒業おめでとう。皆さんが夢に向かって進んでいくとき、何度も困難な事にぶつかったり、時には大きな挫折感を味わうことがあるでしょう。日頃から基礎基本を大切にして深い根を張っていればどんな困難にも耐えることができるはずです。外から見えなくとも、太くて深い、強い根を張る大切さを学ばなければなりません。本当の強さを見つけ、夢の実現に向けて自分の可能性を信じて前進してください」などと卒業生を激励し、在校生に対しては「今日の卒業式は、卒業生の巣立ちを共に祝いながら、在校生は、卒業生が3年間守り育ててきた本校の良き伝統を統合校へ引き継ぐ日、鷹農魂の引き渡し式です。在校生の皆さんは今日から新しい歴史の担い手を務めて欲しい」と激励しました。
来賓を代表して、津谷市長と佐藤将人同校PTA会長があいさつ。このうち津谷市長は「皆さんは、明治42年の開校以来、百年を超えるこの鷹巣農林高校の長い歴史と輝かしい伝統を締めくくる、最後の卒業生です。この大きな節目の時に卒業できるめぐり遭わせを誇りとして、今後それぞれが大きな可能性に向かって邁進してください。鷹農魂を礎に失敗を恐れず、何事にも果敢にチャレンジし、自らの信じる道を力強く歩まれ、将来の夢を着実に実現されますようお祈りします」などと祝辞を述べました。
在校生の送辞では、生徒会長の浅利帆奈美さんが、「私たち在校生は、何か行事があるたびに先頭に立って指示し率先して働く先輩たちの姿を、当たり前のように見つめただその後ろをついて行くだけでした。しかし、これからは私たちがやる番です。4月からは秋田北鷹高校としてスタートを切ります。鷹巣農林に入学した私たちは、慣れ親しんだ校名校舎と別れることは寂しいことですが、幸い新校舎はこの伊勢堂の森にあります。私たちは自然豊かな学舎で、4校の良き伝統を持ち寄り、新しい歴史をこの地に刻んでいきます。ずっしりと存在感のある学校を創り上げるため、努力する覚悟です」などと新高校への決意を述べ、「卒業生の皆さんが健康で益々活躍されることをお祈りします」とエールを送りました。
最後に、卒業生代表の岩本大幸さんが答辞で、「とうとう私たちを見守ってくれた伊勢堂の森に別れを告げる日がやってきました。私たちは入学当初から最後の卒業生と言われ続けてきました。常に鷹巣農林という名を背負い、責任の重大さを感じながらも、学校行事や部活動、農業クラブ活動など一心不乱に打ち込んできました。それも鷹巣農林の名を全国に轟かせるため、統合校の良き土台を創るため、努力を重ねてきました。鷹巣農林は今年度で幕が下りますが、北鷹高校として新たな幕開けを迎えます。在校生の皆さんは、鷹巣農林と北鷹という二つの名を背負っていくことになりますが、その名を誇れるよう、一生懸命何事にも取り組んでください。そこで発揮されるのは鷹農魂だと思います。この卒業式を境に、卒業生ひとり一人がそれぞれ決めた世界へ歩み出します。この先多くの壁にぶつかり悩み苦しむ時がきっと来ると思いますが、どんなときも鷹農で培った精神力で乗り越え、自分の可能性を信じて未来に羽ばたいていきます。鷹巣農林高校で青春の3年間を過ごせたことに幸せと誇りを感じます。本当にありがとう」と後輩たちに期待の言葉を送り、決意と感謝を述べました。
式典のあと、卒業生や保護者は各クラスで担任らとの最後の別れを惜しみ、3年間の思い出が詰まった学び舎を後にしました。
市内の高校の卒業式は、鷹巣高校が2日、米内沢高校と合川高校が3日に行われる予定です。
(2011.3.1)