2011年03月03日
コンテンツ番号3825
夢に向かって学び舎巣立つ
県立米内沢高校(佐々木潤子校長、生徒数109人)の卒業証書授与式が3月3日(木)、同校体育館行われ、28人の卒業生が恩師や保護者らに見守られて、思い出の詰まった学び舎を巣立ちました。
同校は、昭和20年に秋田県立大野岱女子農業学校として開校したのが始まりで、同22年に男女共学の秋田県立米内沢農業学校と改称。同23年に学制改革により秋田県立米内沢高等学校にとなり男女共学総合高等学校として、農業、普通、家庭の3課程を設置。同24年定時制課程を設置され、そのあとは時代のながれとともに家政科、機械科、電気科など数々の学科の変遷、学級の増減を経て、これまでの卒業生は1万421名を数えます。65年の歴史と伝統に幕をおろし、 4月には鷹巣農林高校、鷹巣高校、合川高校とともに、秋田北鷹高校に統合されることになっています。
式典では、国歌斉唱のあと卒業証書の授与が行われ、卒業生一人ひとりが佐々木校長から卒業証書を受け取りました。
佐々木校長は「人生は問題解決の連続です。皆さんは高校で困難から逃げないことを学んでくれたと思います。挑戦することのない生き方は楽そうですが、小さな壁から逃げていては、大きい壁はもちろん足元の小さい石ころも乗り越えられなくなってしまいます。困難をひとつずつ乗り越えていくことで、人間は成長することができます。教育の原点は、自立を目指すことです。自立した人とは、自分で考え 自分で判断し 自分で行動し、その行動に責任をもつことができる人、そして自ら学ぶ人。学ぶことによって自分の可能性を広げ成長できる人ではないでしょうか。これからは、自らが学ぶ時代です。周囲の人々や自身の経験や失敗から、あるいは身の回りの自然や過去の人類の遺産からなど、私たちが学ぶことは数限りなくあります。日本の社会には、先が見えない閉塞感がただよっていますが、決して恐れることはありません。愚直に誠実に一歩一歩歩み、信頼される社会人になることによって、豊かな人間関係に恵まれ、豊かな人生を歩むことができます。皆さんは、多くの先輩たちのように、生涯にわたって学び続けてください。そして、社会で活躍している1万421名の卒業生の一員として、易きに流れず堂々と力強く歩んでいってください」などと式辞を述べました。
来賓の佐藤唯直・副市長は「皆さんは、高校生活において学業や部活動など様々なことに積極的に取り組み、時には喜び、時には悩み苦しみながらも、一生懸命に頑張ってきた3年間を振り返り、感慨もひとしおと思います。これから、進学される方、社会人として出発される方、それぞれの志す道は違いますが、前途洋々たる大きな夢と希望を抱いている皆さんの凛々しく輝いている姿を目のあたりにし、大変心強く思っています。これから、新たな時代を築き上げる大きな原動力となるのは、若い皆さんがもつ、柔軟な思考力や熱意溢れる行動力です。失敗を恐れず自らが信じる道を力強く歩まれ、将来の夢を着実に実現されますことをお祈りいたします」などと祝辞を述べました。
在校生送辞では、2年生の板垣彩さんが、先輩たちとともに活動した森吉山清掃登山やホームカミングデーなど一緒に取り組んだの思い出を語り、「先輩方には、2年前に緊張とともに入学した私たちに、様々な行事で優しく指導していただきました。そのおかげで、私たちは米高生らしく成長することができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。先輩方からもらった感動は一生忘れません。これから、お互いに新しいスタートを迎えるわけですが、在校生も新しい学校で精一杯頑張ってまいりますので、卒業生の皆さんも米高生らしく、自分らしく夢に向かって頑張ってください」などと激励しました。
最後に、卒業生代表の笠井大勢さんが答辞で「本日、地域の方々や先生方、保護者の皆さん、在校生の皆さんに見守られ、卒業式を迎え、喜びと感謝の気持ちで胸がいっぱいです。私たちは65年の伝統と、1万人を超える卒業生の思い出の詰まった米内沢高校を、最後の卒業生として旅立とうとしています。高校生活をとおして、多くの人たちとの交流やさまざな経験から、周囲の人たちと協調し合うことや目標に向けてあきらめずに努力し続けること、誠実に生きることの大切さを学びました。このことを糧として、社会の荒波に負けずにそれぞれの道を歩んでいきます。在校生の皆さん、伝統ある米内沢高校の生徒として誇りを持ち、秋田北鷹高校になっても、よりよい学校生活が送れるよう頑張ってください。長い間にわたり、米内沢高校の発展のために、暖かく支えてくださった地域の方々、先生方、そして18年間愛しみ育ててくれた、かけがいのない家族には、今まで大変お世話になりました。私たちは今日という日を胸に刻み、日々精進してまいります」などと決意を表し、後輩や恩師、家族に感謝の言葉を送りました。
式典のあと、各教室では保護者も交えて最後のホームルームが行われ、担任の先生から卒業生一人ひとりに卒業証書が手渡されました。卒業生一人ひとりが卒業証書を手に、友人や恩師、家族に向かって感謝のことばを述べるとともに、自らの目標や夢を語りました。このあと、恩師や在校生と最後の別れを惜しみ、高校生活の思い出とともに、学びやを巣立ちました。
式典後、各教室で最後のホームルーム
(2011.3.3)