2011年03月08日
コンテンツ番号3817
雇用や産直センター設置などについて4議員が質問
平成23年北秋田市議会3月定例会の本会議が3月8日(火)、議事堂で再開され、4議員がマタギの里観光開発株式会社の解雇予告通知や産直センターの建設などについて一般質問を行いました。
このうち、マタギの里観光開発株式会社の解雇予告通知については「1月7日、取締役会が開催され、正式な決議事項ではないが、指定管理施設の減少で余剰人員が発生することや人件費のアンバランス解消のため『一旦、全員を解雇し、改めて必要人数を募集したい』との話しがあった。 それに対して、疑問と反対の表明をし、社員の理解を得ながら慎重に進めるように申し伝えましたが、結果的に一連の騒動になったことは非常に残念です。市は、全員解雇が取締役会や株主総会の手続きを経ずに実施されたことは誠に遺憾であり、「解雇予告通知」の撤回を求めるとともに、2月24日には、社長に対して厳重注意したところ」などと答弁。
また、産直センターの建設については「設置場所や規模、運営する構成員等の課題や既存施設または空き店舗の有効活用等、様々な視点から考える必要がありますので、慎重に検討したい 」などと答弁しました。
各議員の質問と、市長ほか市当局の答弁の要旨は次のとおりです。
(2011.3.8)
庄司憲三郎 議員(政友会)
(順位:1−1 )
起債と健全財政について
当市の財政規模に対して、どの程度の起債が許されるか
健全化判断比率として最も一般的に用いられる実質公債費比率という財政指標。当市の21年度の3カ年平均値は16.5%で、調査団体選定基準の18%を下回る水準にあり、傾向としては、19年度の3カ年平均17.9%をピークに右肩下がりで徐々に改善している。しかし、これらの数値は、合併特例期間中の普通交付税を分母に置いて算定したもので、特例期間が終了すると、本来の算定方法である北秋田市としての算定に移行し、普通交付税は約20億円の減が見込まれます。このことは、実質公債費比率を2.8ポイント押し上げ、たちまちに19.3%となることから、現在の水準は、決して安堵できる水準ではありません。加えて、平成22年の国勢調査の結果により、人口の減少に伴う交付税の減額も想定される。起債がどの程度許されるかは、交付税算入率に十分配慮する条件のもとに、各年度の元金償還額程度までの起債であれば比率は悪化しません。21年度の一般会計ベースではこれが26億円程度ですが、普通交付税が北秋田市としての算定に移行する歳入構造の劇的な変化を目前に控えるここ数年間は、将来にわたって財政の破綻を招くことのないように、特に、歳出全体に占める公債費の比重を下げるべく財務体質のスリム化に努めなければならないと考えている。また、元利償還額のピークは、一般会計では、病院組合の解散に伴う繰上償還が発生する23年度が、元利償還額33億600万円でピークとなり、それ以降は年々減少していく見込み。
観光振興について
森吉山ダム(四季美湖)周辺開発と、ダム広報館の活用について
森吉山ダムは、奥森吉の入り口でもあり、さらに森吉山麓一帯の観光振興の目玉ともなることから、観光やレクリェーションの拠点と位置付け、自然環境を生かしながら、自然と共生した魅力ある観光資源の整備と誘客に努めたい。森吉山ダム湖周辺の開発は「森吉山ダム水源地域ビジョン」との整合性を図り、財源等も考慮しながら、市の各種計画に登載し、整備を進めることにしており、「北秋田市過疎地域自立促進計画」にも追加しています。広報館は、森吉山ダム工事事務所と協議中で、地元の方々や各種団体などが、森吉山ダム湖周辺の豊かな環境を利活用しながら、主体となって活動する拠点となるよう検討します。
こめつが山荘の譲渡はどうなっているのか
平成17年度に県と譲渡の協議を行いましたが、改修費や後年度の負担への危惧から進展しなかった経緯があります。さらに、平成19年度に、県と事務レベルでの無償譲渡協議が行われました。しかし、現況のままで譲渡を受けるには、市財政にとって多大な負担となる恐れがあるとの思いから、抜本的改修後に改めて協議する旨を伝えた結果、県からは「外装の改修及び屋根を塗装した上で譲渡したい」との回答がありました。その後、県では平成21年度に「こめつが山荘及び園地の改修工事」を行い、改めて譲渡を申し入れてきたところです。
市は、こめつが山荘が森吉山を中心とする自然観光の「中核施設」の一つであり、さらには様田コースの起点でもあることから、登山客の休憩施設として、最終的には無償譲渡を受ける方向で検討している状況です。
秋田岩手広域観光について
秋田岩手広域観光推進協議会は、当市のほか、仙北市及び岩手県雫石町の2市1町で構成しており、今までも合同パンフレットやポスターの制作、インターネットを活用したPR、首都圏観光エージェントへの合同キャンペーンの実施、広域観光ルートづくりとそのPR、そして、広域写真コンテストや写真展の開催など、様々な事業を連携して進めている。
当市は国道105号や秋田内陸縦貫鉄道に見られるように、県内陸部を南北に結び付ける「縦軸」の地理的役割を担っている。 従って、県内北部の市町村及び、この秋田岩手広域観光推進協議会を構成する仙北市、雫石町との連携を密にして、南北間での人の流れを活性化させる取組みが必要と考えている。今後も更なる連携を取りながら、北秋田市と仙北市が、一つのエリアとした観光推進ができないか協議を進めたい。
新庁舎の建設について
新市まちづくり計画期間内に新庁舎を建設する考えがあるのか
市の財政状況は、今のところは国の地域活性化交付金事業や雇用対策事業などにより、おおむね順調に推移してきているが、今後は市税や地方交付税の減少が見込まれ、財政状況は非常に厳しくなると認識している。 新市まちづくり計画の期間は平成26年度までで、地方交付税は約20億円の減額が見込まれており、さらには人口の減少による減額も考えられる。このように、新庁舎の建設は、市の収入の重要な部分を占める地方交付税が大幅に減ることなどから、財政的な見通しも含めた慎重な検討が必要と考える。
市民歌の制定について
部内で検討されているか
内自治体の制定手法や経費等についての把握に努めているが、作詞や作曲を公募にするか委託にするかによっても手法が大きく異なっており、公募する場合は、選定委員会の構成や、採択された作詞・作曲を補う専門家の人選など、また、作詞・作曲を委託する場合は、委託先の選定方法や委託金額など慎重に検討すべき課題が存在する。合併当初、市民歌の歌詞を公募した際には応募数が少なく、採択に至らなかったことも踏まえ、市民に愛される市民歌を制定するためには、どのような手法が適当なのか、望ましいあり方を模索している。
福岡由巳 議員(共産党議員団)
(順位:1−2 )
市長の政治姿勢について
憲法をくらしに生かす市政について
雇用について
-
解雇予告通知について
米内沢病院職員の分限免職に関しては、係争中の事案であり、答弁は差し控えさせていただきます。マタギの里観光開発株式会社の解雇予告通知については、1月7日、取締役会が開催され、正式な決議事項ではないが、指定管理施設の減少で余剰人員が発生することや人件費のアンバランス解消のため、「一旦、全員を解雇し、改めて必要人数を募集したい」との話しがあった。それに対して、疑問と反対の表明をし、社員の理解を得ながら慎重に進めるように申し伝えましたが、結果的に一連の騒動になったことは非常に残念です。市は、全員解雇が取締役会や株主総会の手続きを経ずに実施されたことは誠に遺憾であり、「解雇予告通知」の撤回を求めるとともに、2月24日には、社長を呼び出し、厳重注意したところ。
-
希望退職者が少なかったが、今後どのように進めるのか
2月25日から27日に渡って、各施設の部門毎に説明会を開催しています。その結果、正社員5名、パート社員24名の希望退職者があり、在籍する社員数が正社員で24名、パート社員で19名の計43名となり、今後はこの体制で運営する予定となっている。なお、退職者のうち、新しい指定管理者への就職を希望する方々は、それぞれの団体に対して、採用をお願いして、既に具体的な協議に入っている。今回の騒動は、市の観光振興にも重大な影響を及ぼすことで、今後も強力に指導していきたい。
-
国民健康保険税にかかわる問題について
収入が少なくて払いたくても税金、保険料、医療費が払えないという人たちが増えている現状、憲法25条の趣旨から、本市でも1世帯1万円引き下げるべき
国民健康保険事業は、原則、国庫支出金以外は保険税で賄うこととされている。当市の国保会計は、高齢者が多く加入し、医療費が年々高騰しているし、低所得者も多く、加入者の約57%の方々が保険税の軽減を受けている現状です。加えて、農業やその他自営業の所得の減少により、保険税の調定額が 前年度に対して約5000万円程度下がり、本来であればその減少分について1世帯当たり8000円程度を引き上げる税率改正を行って、医療費に当てなければならないが、国保運営協議会に諮り、繰越金をその財源に当てることで、税率を平成18年度から据え置いたままで運営している。県内13市の中では、下から2番目に低い保険税となっている。 保険税の引き下げは、財源的に余裕がないことをご理解いただきたい。なお、国保財政で最も重要な国の負担率の引き上げは、市長会を通じて今後も強く要望したい。
また、減免は分割納付や徴収猶予、それから納期限の延長などを行ってもなお納税が困難であると認められる場合の救済措置として随時相談を受け付けており、相談者の状況を把握しながら適正な対応に努めている。
国保税は、税収のほとんどが被保険者の医療費の支払いに充てられることから、賦課や収納のみならず、減免の取り扱いも、他の納税者との公平性を重視しながら、的確な審査や速やかな判定に努めている。
指定管理者制度の運用について
昨年の総務省自治行政局長通知を受けて、あらためての検証という形では行っていない。「北秋田市公の施設に係る指定管理者の指定の手続きに関する条例施行規則」第10条の規定では、指定管理者は「事業報告書」を毎年度終了後に提出することになっており、これに基づいて、それぞれの施設の担当課において状況を確認している。今後も「指定管理者制度の運用について」の通知を踏まえ、適切な運用に努めます。
北秋田市新医療整備基本構想について(内容が不備と思われる基本構想の中身を確認するとともに、地域医療を充実するための展望を問う)
医師確保について(医師数は何人必要か。診療科毎の常勤医師数は。当面、確保すべき診療科の医師等を明記すべき。また、当面の医師確保はどうするのか)
医師数等は、平成19年6月に構想の見直しを行った時点での医師数31名、及び診療科毎の医師数に変わりはない。また、現状では、救急医療体制の充実を図る観点から、科にとらわれず常勤医師は必要であると感じている。当面の医師確保は、昨年9月に1人、10月に1人市民病院へ医師が配置され、さらに4月より整形外科2名、内科1名の配置が予定。今後も、関係団体と協力しながら1人でも2人でも医師確保できるよう努力します。
療養病床について(療養病床をどうするのか目処を立てる必要あるのでは)
当地域に療養病床は必要であると感じ、市民病院の設置条例を見直し、今年4月から療養病床48床をオープンする。これは、1人の担当医師で48人の利用者を診ることができることから48床としたもので、現実的な稼働として40床からスタートする。 新構想では、10年後60床を目指す計画となっているが、担当医の関係もあり、どの段階でということは申し上げることはできないが、目標に向かって取り組みます。
在宅医療について(在宅医療は、医師不足とベッド数不足のつじつま合わせ)
現実的に広範な面積と高齢化が進む当地域において、通院距離の長さや降雪の関係から、自宅において医療が提供される体制が望ましいと考えている。 そのためには、在宅医療としての訪問診療の充実は、重大な課題であると認識している。
-
「かつら」はなぜ廃止しなければならないのか
一部事務組合が運営母体となっている事業は、解散に伴い、すべて廃止となることによるもの。 訪問看護事業は、今回予算に計上している訪問看護体制強化事業により、地元の民間事業者の機能の充実を図ることで対応可能と考えている。
-
阿仁地区への設置計画
阿仁診療所の医師住宅の1棟を改修して、訪問看護ステーションのサテライトとして、希望する民間事業所に貸与する予定。具体的な開所時期は、阿仁診療所長とも協議して、7月から8月を目処に進めたい。
-
1日の訪問看護の対象者は最大で何人とみているか。また、職員と医師は
訪問看護の対象者は、病状によって週に1回の方、2回の方、月に1回の方など様々で、一概に1日最大何人ということは想定していない。75歳以上の高齢者人口が平成26年度まで増え続けることから、人口に比例し訪問診療は増えると予想している。単純に、利用されている方を人口の増で試算してみますと、市内の訪問看護事業者3者の看護師12名で、1日約50名の利用者を訪問することができる見込みです。今後、現状以上の需要が発生した場合には、各訪問看護事業者が行う職員の確保について、県の地域医療再生基金を原資とした人件費分の補助金を交付する予定。また、訪問診療における主治医の訪問件数を増やすためには、医師の確保が前提になり、例えば、市民病院の常勤医師を増やしながら、週に1回あるいは月に1回、市民病院から診療所に外来応援をしながら、診療所の医師の訪問診療の体制を拡充するなどが考えられ、病院長や診療所長と協議しながら対策を講じます。
-
利用者が再入院する場合の、満床であった時の対策
主治医が入院を必要と判断した際に、市民病院が満床となっている場合は、当然ほかの医療機関への入院が検討される事になる。その際でも例えば、あと2〜3日でベッドが空くとした場合で、その2〜3日を在宅で何らかの医療行為で対応できると主治医が判断すれば、2〜3日後の入院も可能かと思います。いずれにしても、利用者の入院については、あくまでも主治医の判断によります。
-
老々看護の対策
現実として主看護者たる高齢者への負担は非常に重くなっている状況と認識している。訪問看護は、利用者だけではなく、主看護者の健康管理にも配慮しながら、状況によっては主看護者の体調面を考慮したうえで、介護老人保健施設への短期入所や、人工呼吸器など医療行為が必要な方には、市民病院へ期限付き入院を検討しながら、在宅での老々看護の対策としています。 新年度には、訪問看護事業者の協議会を組織する予定で、その中で利用者の声を吸い上げ、状況によっては更なる対策も必要であると感じている。
市民病院、3診療所にかかわる問題について
市民病院への無料バスは、既存のバス路線等にも影響することが予想され、長期的な路線の維持ということからも、実施は困難であると考えている。 また、実証運行を行った乗合タクシーは、運行結果を検証中ですが、既存路線バスの再編等により対応できないか、国や県の補助制度の活用を含め、事業者と検討している。
合川地区の振興策について(北秋田市全体で地域の衰退が見られるが、特に合川地区の振興策について問う)
合川地区を発展させるための方策について
合川支所の職員を増やすことについて
市では、内陸線合川駅前の賑わい創出に向けた取り組みとして、平成23年度も駅ターミナルパワーアップ事業で内陸線合川駅の有人化を継続するとしている。これまでも合川駅では、各種団体等による物産販売等が行われて、本当のまちの賑わいや活気というのは、その地域の方々による主体的な取り組みに行政がサポートすることで、より一層その地域に根付いていくものと考えている。
また、合川庁舎総合窓口センターを含め、各総合窓口センターの職員配置は、平成21年度の機構改革により定められたもので、現行の機構を検証のうえ、行政改革の見地も踏まえ判断する必要がある。市としては、その地域に賑わいや活気をもたらすために、地域の方々による主体的な取り組みに対して、各種のサポートを行う、自助、共助、公助を基本とした取り組みを進めたい。
堀部壽 議員(みどりの風)
(順位:1−3 )
農業振興について
転作における不作付地の改善に対する市としての対応策について
市内農地の不作付地面積は約7ヘクタール程度と推測している。その解消は、北秋田市地域耕作放棄地協議会が中心となり、国の耕作放棄地再生利用緊急対策事業を導入して取り組み、昨年は2地域で約1.6ヘクタールの農地を再生している。しかし、不作付農地の出し手と受け手の調整作業を始めとした、新たな担い手の確保が、この事業を円滑に推進していくうえで大きな課題となっている。市は、課題を着実に解決するために、関係機関との綿密な連携に努め、互いの情報を共有しながら、放棄地の未然防止や不作付地の再生に向け努力します。
水田の有効活用について
水田を有効に活用し「安全で安心な国産農産物」の安定供給のためにも、産業としての持続性を速やかに回復し、農業・農村の再生を図ることが、農業者戸別所得補償制度の大きな柱になっている。 嵩上げも、農業者の所得安定に繋がる一つの手法と認識しているが、市としては、現在の主食用米と飼料用米の価格の推移を見極めながら、水田の活用による自給率向上を目指して、加工用米や新規需要米を積極的に取り入れるとともに、国の産地資金と県単の政策転換型農業支援事業を有効的に活用することによって、農業者の所得安定と担い手確保に繋げたい。
青果物作付振興について
産地資金による転作作物への助成単価は、鷹巣地域水田協議会、阿仁部地域水田協議会において協議を重ね決定しているもの。市として転作作物全体に対する独自の嵩上げ助成は行っていないが、地域の特産野菜の生産振興や青果物作付振興を図るため、平成23年度は、きゅうり・山の芋・スイートコーン・セリ・ごぼう等に対する特産野菜振興事業費補助金1120万円と加工用トマト・ブロッコリー・ミニカリフラワー等に対する新規作物栽培取組事業費補助金300万円、有機堆肥利用による土作りを推進するための地力増強推進事業と土作りによる食味、品質向上対策事業費補助金440万円を市単独助成として予算提案をしている。
特産品開発について
農産物の生産から販売、加工品等の商品化は、観光振興に対しても重要な取り組みと認識している。特産品の開発は、JAあきた北央が比内地鶏関連の商品開発に取り組んでおり、JA鷹巣町は毎年「山の芋料理コンクール」を開催し、山の芋消費者拡大の取り組みを行っている。また、県の「ふるさと雇用再生臨時対策基金事業」を活用した2事業体が、特産商品の開発や販売などを行っており、その成果にも期待をしているところです。今後は、原材料確保の対策や生産拡大の事業等の情報を提供しながら、特産品の生産拡大を進め、さらには参加を検討している東京都板橋区のアンテナショップ「とれたて村」が行っている生産地訪問交流などにより、観光とタイアップした取組みを進めたい。
産直センターの建設について
鷹巣地区への農産物直売所または産直センターなどの設置は、JA鷹巣町を通じて要望されている事項。市には「道の駅あに」や観光案内施設「四季美館」、「道の駅たかのす」等のほか、農家が独自に販売を手掛けている小規模直売施設数カ所や大手スーパーでの直売店があるが、市全体の商品を販売単位としている施設は設置されていない現状。 しかし、産直センター等の設置を考えた場合、設置場所や規模、運営する構成員等の課題や既存施設または空き店舗の有効活用等、様々な視点から考える必要がありますので、慎重に検討したい。
市の基盤整備事業負担の嵩上げについて
農地集積加速化基盤整備事業では、総事業費の17.5%が地元負担となっていますが、市ではそのうちの10%を嵩上げする支援を行っており、残りの7.5%を地元受益者等の負担で実施している。事業の目的は、農地集積の加速化による、大規模耕作農家の育成とされており、面積集積率の取り組みによっては、地元受益者負担が大幅に軽減となることから、少しでも受益者の負担を軽減するためには、農地の借り手が耕作しやすい環境づくりへの取り組みが重要。
担い手確保について
農業基盤促進法に基づく認定農業者数は
経営指導の必要性は
認定農業者数は、昨年12月末現在で335名。認定期間は5年間ですが、中間年の3年目並びに最終年の5年目に該当する方々には、毎年「経営改善状況調査」を実施して経営指導を行っている。担い手確保の対策は、新規農業従事者確保に向け、県と市が希望者に対して、月額10万円を最大2年間助成し、農業試験場等に派遣して農業の実践を研修する「未来農業のフロンティア育成研修事業」により、新たな担い手確保の取り組みを推進します。
鳥インフルエンザ予防対策について
鳥インフルエンザ予防対策は
高病原性鳥インフルエンザは、これから渡り鳥が北方に移動を始めることから、徐々に感染地域が北上してくることが懸念されている。県の防疫対策は、家畜保健衛生所による飼養農家の巡回が行われ、不具合箇所の点検や衛生指導とともに、消毒用の錠剤が全戸に配布されている。また、補修用防鳥ネットが全戸配布される予定となっている。当市は、比内地鶏の一大産地であることから、県と連携し、市主催による防疫対策講習会を開催し、飼養農家や生産法人に対して「防鳥ネット」の設置や破損部分の早期補修、それから鶏舎出入りの際の消毒の徹底や敷地出入り口での車両消毒の徹底など、鶏舎周辺の衛生管理の徹底について、意思統一を図ったところ。このほか、飼養農家等に向けては、発生状況と併せ防疫措置等の情報について、管内JAを通じて随時周知しているが、ペットの鳥にも感染する恐れがあるため、市の広報及びホームページで、防疫に関する留意事項を啓発し、防疫対策に取り組みます。
TPP(環太平洋連携協定)について
TPP(環太平洋連携協定)に反対を
TPPは、関税撤廃が原則であるため、仮に参加することになれば、国産志向の強い消費者であっても一部は安価な輸入品に流れ、国の支援措置があったとしても、当市の農業への影響は計り知れないものと思われる。加えて、農家所得の減少が購買力の低下を招くことにより、地域経済に与える影響はさらに大きくなると考えられる。新たな食料・農業・農村基本計画では、平成23年度までに食糧自給率50%の達成を目指すとしているが、TPPを締結すれば、我が国の食糧自給率は14%まで低下するという試算もあり、食料安全保障と両立できるものでは決して無く、現時点では国の基本的な方向性や具体的な対策が何ら示されず、日本の農業全体の将来像を思い描くことは極めて困難であり、このような先行き不透明な中での、前のめり的な姿勢には反対せざるを得ないと考える。今後は、国民的議論を深め、国の基本的な考え方と自立可能な農業への具体的対策を示し、農業・農村への影響等を考えながら対応していただきたい。
中嶋力蔵 議員(清和会)
(順位:1−4)
伊勢堂岱遺跡他について
伊勢堂岱遺跡他、市内用地から出土された遺跡活用と取り付け道路の整備等について
昨年12月に、秋田県が保管していた森吉山ダム遺跡群からの出土品3143箱が市に移管され、その移管出土品や伊勢堂岱遺跡、それから藤株遺跡の出土品1500箱及び鷹巣農林高校博物館からの移管資料は、現在、合川地区にある大野台ハイランド体育館に一時保管している。さらにダム湖遺跡群や白坂遺跡などの出土品は、前田及び米内沢保管庫に約6000箱がある。これらすべてを一括で保管し、展示公開することは困難なので、現状の保管体制を維持し、既存施設や空きスペースを展示公開などでの利活用を検討していきたい。
また、伊勢堂岱遺跡の発掘は終盤にきており、文化庁の指導も「今後は全面発掘調査よりも保存整備管理に重点を置くべき」としている。そのため、世界遺産登録推進委員会の活動によって、ようやく世界遺産暫定一覧表に記載され、平成27年度の本登録に向けて4道県12市町が強力に推進している「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」についても、その登録過程において保存管理や緩衝地帯の設定が急務である。
加えて、取付け道路の整備についても、その必要性については認識しているが、現在、県において伊勢堂岱遺跡を迂回した形で、あきた北空港東西線の整備計画を進めているので、その進捗状況と路線を見極めた上で、駐車場を含めて検討した方がより効果的であると考えいる。いずれしても、市内の遺跡出土品や貴重な資料を後世に伝える必要性は認識しているで、全体的な動きを見据えて進めたい。
市内の4校統合後の跡地他について
市内の高校4校の統合後の跡地と合わせ校舎の活用について
「鷹巣高校跡地について県に無償譲渡を求めるべき」との質問ですが、鷹巣高校の敷地と旧鷹巣町の関わりについて調べたところ、昭和37年度に「秋田県立鷹巣農林高等学校第2校舎移転に伴う敷地買収費特別会計」が設けられ、その歳入予算は沢口財産区からの寄付金500万円と役場庁舎新築特別会計繰入金300万円の、合わせて800万円、そして歳出予算は、農林高校第2校舎移転敷地購入費800万円であった。
この予算を持って約5ヘクタールの土地を購入して鷹巣農林高校へ寄付し、昭和42年の鷹巣高校の開校へ至ったという事実は確認することができた。このことをもとに、秋田県教育庁に問い合わせたところ、土地を寄付する段階で用途廃止後の返還を条件とした事例があり、この事例については返還したということであるが、鷹巣高校の場合には、こうした条件は付されていないということから、もし北秋田市に公共目的で取得したい考えがあるとすれば、割安な価格での譲渡は可能だろうとの回答であった。以上のことから、市としては、前々からの経緯はあるにせよ、県に対して無償譲渡を求めることは困難であると考え、建物についても、再利用するには耐震補強が必要となることから、活用する計画は現在持ち合わせていない。
また、「資料館や博物館的な施設に再利用できないか」との質問については、合川高校校舎を市民の来館が想定される施設として転用するには、先ほどの鷹巣高校と同様に、耐震補強が必要となるし、米内沢高校校舎も同じような状況。 加えて、鷹巣と米内沢両高校については、順次、解体を前提にした取り組みが進められていると承知している。中嶋議員提案の、市の資料館や博物館的な施設については、今後、さらに検討したいと考えているが、統合後の校舎の転用は考えていない。
秋田内陸縦貫鉄道の存続について
秋田内陸縦貫鉄道のさらなる存続を願い
昨年2月、県、北秋田市、仙北市、会社による「秋田内陸線の持続的運行に係る基本合意」が結ばれ、会社として平成22年度経常損失2億円以内にすることを目標とし、平成24年度までに経常損失2億円以内を達成できない場合は、経営の抜本的な見直しを行うことで平成25年度からは経常損失額を2億円以内に収めることとしている。
平成22年度12月期までの関連事業収入等を除いた収支状況は、輸送人員33万人、収入1億4500万円で、前年度と比較すると人員が3万4000人、収入が1400万円ほどのマイナス。これは、北秋中央病院の閉院や、温泉施設の休業などに伴い沿線住民の生活利用の減少が影響していると考える。また、経費は豪雪による除雪費の増加や燃料費の高騰などにより前年を上回る見込みで、人件費などの縮減に努めてはいるが、経常損失は、前年度の2億5100万円を上回る見込み。
会社としても経費の削減はもとより、高校統合に合わせたダイヤ改正をはじめ、県外からの誘客を図る着地型旅行商品の造成やJRと連携した企画列車の運行など経営改善に取り組むこととしているが、市としても、高校生通学定期補助事業の実施など、利用者の増大に向け取り組んでいく。
また、「全国からインターネット等を使って駅長を募集したらどうか」、との質問ですが、平成21年6月議会でも同様の質問をいただき、会社と協議し、検討したいと答弁していたが、協議の結果、会社として実施すべく、全体の経営改善計画の中でその実施方法と時期を検討しているところ。
市民病院に対する考え方について
市民病院用地内に市道認定を早期に図り薬局の設置を
市民病院用地内の薬局設置については、開院当時からの課題であり、今冬期間は、暫定的な対応として車両運行を行っているが、厚生連への指定管理期間が30年であることから、何らかの恒久的な対策が必要であると認識している。
また、当初、薬局の関係者からも敷地内に設置したいとの要望が寄せられ、県とも交渉の機会を持ったが、県と交わした売買契約、あるいは用途指定の変更の関係から、難しいということで今日に至っている。
いずれにしても、利用者の利便性を考慮すれば敷地内に薬局の設置が望ましいことであるので、今後もご指摘の点を踏まえて関係機関と協議していく。
北秋田市住宅リフォーム緊急支援について
北秋田市住宅リフォーム緊急支援について
大館市では、23年度に50万円から30万円に対象事業費の引き下げを予定しており、また、鹿角市では、23年度より対象事業費20万円以上で20万円を上限とした10%の補助を実施予定と伺っている。本市では、今年度、対象事業費が50万円以上の事業につき、20万円を上限とした10%の補助を実施したが、3月1日現在で292件の申請があり、補助金額が4119万1000円、補助対象事業費総額が6億614万7000円と、地域経済に大きく貢献しているものと考えている。
質問では、「当市においても対象事業費を20万円に引き下げることができないか」とのことですが、本事業は県の基準に準じたものであり、今年度において対象額の50万円に満たずに対象外となった方々との公平性を保つ意味からも、23年度も現制度の下に公平に実施したい。
市長の政治姿勢について
市長の政治姿勢について
私の「トップセールスにかける意気込みは」との質問ですが、 当市は、森吉山を中心とした豊かな自然と景観、マタギに代表される歴史文化、日本一の産出量を誇る珪藻土、世界遺産登録を目指す国指定の伊勢堂岱遺跡などに加え、空の玄関口である大館能代空港、秋田内陸線とJRによる鉄道網など多くの資源を持ちながら、活かしきれていない現状がある。こうした地域資源を活かせるように、旅行代理店やマスメディア等と連携しながら、私自身が観光を売り込み、交流人口を増やす取り組みを進めたい。
また、企業誘致はもとより、既存企業等の本社を訪問し、情報交換を行いながら、当市の優位性を売り込むとともに、当市の不足している点などの情報収集に努め、これらを活かした誘致環境の整備や制度の充実等を図っていく。
さらには、市の特産品や農産物等についても、首都圏の市場や商社等の流通関連会社を積極的に訪問し、知名度の向上と販路の開拓、市場ニーズにあった商品の開発につなげ、地域産業の振興を図っていく。いずれにしても、あらゆる企業や団体に、私自身が積極的に足を運び、この北秋田市の優位性をPRしていきたい。