2011年03月09日
コンテンツ番号3815
地域活性化対策や自殺予防対策などについて2議員が質問
平成23年北秋田市議会3月定例会の本会議が3月9日(水)、議事堂で再開され、2議員が地域活性化対策や自殺予防対策などについて一般質問を行いました。
このうち、地域活性化対策について「当市のアンテナショップ機能として、東京都板橋区のハッピーロード大山商店街が経営する全国ふる里ふれあいショップ「とれたて村」への参加を、商工会や、各JA、森林組合、観光協会及び物産協会等の関係機関と具体的に検討している。加工品のみならず農林水産物も念頭に置きながら、早い機会にその事業化を図りたい」などと答弁。
また、自殺予防対策について「これまでの事業を継続しながら、自殺予防対策の専門家によるボランティア活動研修会や自治会での健康相談、心ふれあいサロン等の実施回数を増やすとともに、老人クラブの地域支援活動としてのふれあい訪問支援等、引きこもり防止対策も併せて実施していきたい 」などと答弁しました。
各議員の質問と、市長ほか市当局の答弁の要旨は次のとおりです。
(2011.3.9)
小笠原寿 議員(きらり)
(順位:2−1)
施政方針について
産業振興について
地域経済活性化対策の取組みについて
プレミアム付き商品券発行に係る「地域振興事業補助金」及び「住宅リフォーム緊急支援事業補助金」については、今議会に提案している新年度予算に計上していますが、そのほかに、当市のアンテナショップ機能として、東京都板橋区のハッピーロード大山商店街が経営する、全国ふる里ふれあいショップ「とれたて村」への参加を、商工会や、各JA、森林組合、観光協会及び物産協会等の関係機関と具体的に検討している。加工品のみならず農林水産物も念頭に置きながら、早い機会にその事業化を図りたい。「とれたて村」では、参加している市町村の商品陳列や販売の他、商品個々に関する消費者動向やニーズ等の調査を行い、その情報を参加市町村側に提供することも行っており、さらには生産地を訪問して消費者と参加市町村の生産者との交流事業も行っている。このことは、売れる商品の開発・改良につながるものであり、物産のみならず観光振興にも寄与できるものと考えている。
地元資源である、秋田杉の活用を促進する取組みは、鷹巣地区の工務店や設計事務所等が中心となって設立した「秋田スギネットワークたかのす」や、北秋田地域振興局を事務局として、地域産木材・地産地消見学ツアーによる新築木材住宅の見学会や地域材利用推進パンフレットの作成配布などによりPR活動を実施している「米代川流域地域材利用推進プロジェクト会議」、公共建築物の木造化や公共土木事業等への県産木材の利用推進のため設立されている「県産木材利用推進協議会」など、様々な取り組みが実施されており、これらの取り組みは、市の産業、林業の振興を図るためにも、重要な取り組みと認識している。市としても、公共施設の建設にあたっては、内装材を始めとして、可能な限り地元木材を使うよう努めているが、今後は、さらに幅広い視点にたっての活用を検討するとともに、一般住宅にも使っていただけるよう、住宅の新築又は増改築する際に秋田杉を使用した場合には一定基準により補助金を交付する制度等も含めて、関係機関と協議していきたい。
珪藻土については、昨年5月に「北秋田市珪藻土等地域資源利活用検討会」を立ち上げ、珪藻土を活用した産業振興の可能性を探っているが、その中でも、珪藻土の農業資材への活用や七輪の作成、珪藻土を繊維に応用した農作業服や介護衣類の開発、さらには「安眠マクラ」や「冷却タオル」の製作など、様々な構想が出されており、今後は市民にも参加していただきながら、具体的な取り組みを行い、産業振興につなげていきたい。
「ふるさと納税のほかに一般税収と違う取り組みがされているか」との質問は、残念ながら、ふるさと納税のほかは特別な取り組みはしていないが、ふるさと納税については、市のホームページでのPRや、鷹巣、合川、森吉、阿仁、それぞれの東京ふるさと会など、様々な機会でPRに努めており、昨年は、10人の方々から55万5,000円の寄付をいただき、まちづくりに活用させていただいている。 市としては、新たな制度を設けるより、このふるさと納税がより充実したものになるよう、一層のPRに努め、多くの方々にご協力いただけるよう取り組んでいきたい。
人口減少の歯止め策について
若者流出・定住促進策
人口の減少は全国的な傾向で、平成22年国勢調査でも全国1,728市町村の76.4%にあたる1,321市町村で人口が減少しているとの結果が出ている。このような時代において、減少率を低く抑えるための特効薬は、なかなか見つからない状況ではあるが、仕事や観光等で来ていただいている方に、市の魅力をPRしながら、定住の働きかけや、地元の良さを首都圏等に売り込むなど、市外から人を呼び込む努力をしていきたい。
さらに、地元に住んでいる我々一人ひとりがこの地域を愛し、この地域を誇りに思う心を育む教育や、地域づくりも、市民の皆様とともに行っていきたい。 しかしながら、この若者流出、定住促進の問題を考える上で最も重要となるのは、やはり雇用の問題です。現在、市が行っている「緊急雇用事業」の多くは一時的な雇用で、また、このような不況下において、企業の新規誘致も依然として厳しい状況にある。しかし、市内企業の中には、増築等を決定している企業もありますし、設備投資はしないものの雇用拡大を図る企業も見受けられるようになってきた。市としては、このような動きを積極的に支援するため、従来の「北秋田市工業振興促進条例」による支援に加え、「北秋田市緊急雇用奨励金交付要綱」を制定し、本年1月から施行している。この「北秋田市緊急雇用奨励金」は、従来の工業振興促進条例による支援とは違い、設備投資を交付要件とせず、純然たる常時雇用のみを要件に奨励金を交付するものであるので、企業には本制度も積極的に活用いただき、雇用安定に繋げていきたい。 さらには、トップセールスにより少しでも多くの雇用の場が確保されるよう、積極的に取り組みたい。
まちづくり行政について
北秋中央病院跡地について
購入は決定したのか
厚生連との交渉はいかようなものか
跡地の購入については、取得を前提として当初予算に不動産鑑定委託費を計上し、1月末に委託先の不動産鑑定士より取引事例比較法を用いての鑑定結果が出されており、その評価額は1億1,800万円です。市としては、この金額を前提に厚生連と協議をしているが、厚生連も独自に不動産鑑定を行っており、鑑定に当たっての事例・要因のとらえ方が違っていることから、現状では双方の評価額に開きがある。当初は、年度内の取得を考えていたが、このような状況なので、年度内にこだわらず双方が納得した価格で決定できるよう協議を続けていきたい。また、交渉については、これまでの経緯から医療推進課を窓口に進めてきたが、新年度からは、本来、普通財産を所管している財務部財政課を窓口に進めていきたい。
計画予定について
「中心市街地活性化ビジョン」策定にあたり、なぜ、住民参加型ができないのか。また、市職員の参加人数及び担当課は、との質問ですが、当市の中心市街地を形成する鷹巣地区、とりわけ鷹巣駅前商店街及び銀座通り商店街は、かつての賑わいが失われてきている。その要因は、大型店の郊外進出や後継者不足など、様々あると思われるが、中心市街地の衰退は、市勢そのものの衰退にも繋がる重要な課題であることから、平成23年度に、商店街を中心とした地域活性化を図ることを目的に「中心市街地活性化ビジョン」を策定することにしたもの。
このビジョンの策定は商工観光課が行うが、策定にあたっては、大きく3段階に分け、進めていきたいと考えている。その第1段階が今回広報で募集した「中心市街地活性化検討委員会」の設置です。この委員会は、策定委員会ではなく、あくまでも「活性化策のアイデアを出していただく検討委員会」との位置付けであり、委員には地元商店街の他、商工会青年部及び女性部、青年会議所、高校生、大学生、さらに今回募集している一般市民の15人で構成する予定で、その中に市の職員は入っていません。 若い方々を中心に、活性化策のアイデア等を出していただきたいと考えている。
第2段階は、市役所内の庁内会議の設置であります。 この会議は、検討委員会で出されたアイデア等の実現性や実行性を政策的な観点や、産業振興、住民福祉及び都市計画など、様々な観点から具体的、そして専門的に検討する会議で、ビジョンの原案を作成する機関となる。
第3段階は、ビジョン原案に対する検討委員会や市民の方々からの意見聴取である。 ビジョン原案を検討委員会に提示し、委員会から出されたアイデア等がどのように反映されているかなどを検証していただくとともに、広く公開して市民の方々からも意見や提案をいただきたい。「中心市街地活性化ビジョン」は、このような段階を経ながら策定していきたい。
スポーツ振興について
ジュニア育成について
市内の小学校でスキー大会に参加する児童が激減しているとの指摘ですが、今年度の小学生の各種スキー大会の参加状況をお知らせします。1月17日の大館能代空港ふれあい緑地で行われた、第10回あきた北空港学童クロスカントリースキー選手権大会では、能代山本、大館北秋、鹿角から合わせて393人が参加し、市内では15小学校すべてから参加している。2月6日の大館能代空港ふれあい緑地と阿仁スキー場で行われた、第56回北秋田学童スキー大会では、市内15小学校と上小阿仁小学校が参加し、クロスカントリーに203人、アルペンに78人が参加している。
このうち、第56回北秋田学童スキー大会の参加人数の内訳は、 クロスカントリーに4年生が77人、5年生が60人、6年生が66人の合計203人。アルペンに4年生が36人、5年生が23人、6年生が19人の合計78人。両方合わせると281人で、北秋田市・上小阿仁村の小学生4年生以上全体の約33%の参加であった。したがって3人に1人の小学生がスキー大会に参加していることになる。クロスカントリーに関しては減っているとは思っていない。全体的に児童が減って分母が小さくなっているが、ますます活気を取り戻しているのではないかと思う。一方アルペンは激減状態である。雪国に育つ子どもたちには、スキーに親しませて冬期間の体づくりを行いたい。学校では、体育の時間やスキー大会、スキー教室を開催してすべての子どもがスキーに取り組むような時間を設けている。
ジュニア育成と指導者育成については、現在・スポーツ少年団は19団(学校団13・種目団6)、団員774人・指導者124人が登録されている。また、北秋田市体育協会に加盟している団体が25団体、そして、地域総合型スポーツ団体が3団体あります。昨今の、児童数の減少にもかかわらず、こうしたスポーツ少年団員の数は減っておらず、地域で、子どもたちを指導してくれている方々に厚くお礼申し上げたい。ジュニア育成、指導者育成は、関係団体の連携が重要となるので、今後更に、地域団体と連携して指導者の掘り起こしを図りながら、指導者登録の方法等について、体育協会の加盟団体や総合型スポーツに加盟している方々と協議を進めるとともに、各種団体、学校、行政等が一体となった体制づくりに向けて、取り組んでいく。
阿仁スキー場について
阿仁スキー場については、市が無償譲渡を受けることを決定した段階から、市の総合計画に登載し、さらには、今議会に変更のご提案をしている「北秋田市過疎地域自立促進計画」にも追加して、財政的にも有利な財源を確保しながら、年次計画で整備を進めていきたい。 阿仁スキー場は当市の重要な観光資源であるので、予定される指定管理者との連携を密にし、さらには市民の皆様や県などの積極的な支援をいただきながら、運営していきたい。
武田浩人 議員(公明党)
(順位:2−2)
外部による事業評価・政策評価制度の実施と事業仕分け制度の導入について
行革大綱に明記されている平成22年度から実施を目標にしていた「外部評価委員会」が設置できなかった理由はなにか
内部評価だけでは評価の客観性や透明性を確保するのは難しいことであり、そこには専門的な識見を持った方や、市民の方が参画することで、はじめて市民のニーズを反映させた市政づくりへとつながるものと考えている。現在は、事務事業評価を含めた内部評価の試行段階ですが、まずは内部評価をしっかりと形づけ、それを外部評価へとつなげる必要があったことから、平成22年度の目標であった外部評価委員会の設置に至らなかった。今後は内部評価を本格実施しながら、しっかりと形づけた上で、早期に外部評価委員会の設置につなげていきたい。
「事業評価・政策評価」制度と合わせて「事業仕分け」制度を導入する考えはないか
いわゆる「事業仕分け」という手法は、行政の政策や予算の客観性や透明性を確保するためには、私自身、有効な手法と思っており、大変関心を持っている。しかしながら、メンバーの選定や判断基準等については課題も指摘されていることから、今後の検討にあたっては、様々にある事業仕分けの手法や考え方について、紹介いただいた事例を参考にしながら研究してみたい。
自殺予防対策について
昨年、秋田県の自殺者のなかで高齢者が増えている状況を踏まえ、ボランティア活動に対する支援なども含め自殺予防対策の今後の取り組みは
これまでも、専門家による対面型相談や電話相談、そして各地域での「心ふれあいサロン」の実施、また、ボランティア団体の「コーヒーサロン」や「いのちのコンサート」の共催事業等の各種の自殺予防対策に取り組んできたが、その中でも、議員からお話があった「高齢者」と「健康問題」への対策と、それに関わるボランティア活動につきましては特に重要と認識している。市としても、そういった悩みを抱えている方々が相談しやすい環境をつくることが重要と考えており、具体的には、これまでの事業を継続しながら、自殺予防対策の専門家による「ボランティア活動研修会」や自治会での「健康相談」、それから「心ふれあいサロン」等の実施回数を増やすとともに、老人クラブの地域支援活動としての「ふれあい訪問支援」等、引きこもり防止対策も併せて実施していきたい。また、関係団体への支援体制は、今まで以上の助成と連携を図りながら自殺予防対策を進めていきたい。
高齢者の介護支援ボランティア活動のポイント制導入について
高齢者がボランティア活動を通して社会参加や地域貢献を行いながら、健康増進や自身の介護予防を図っていくボランティア活動に対してポイント制の導入ができないか
元気な高齢者が社会参加や地域貢献に積極的に関わりながら、自身の健康増進も図っていくことは意義あるものとの議員のお考えには、私も同感であり、重要であると認識している。市では、平成23年度に第5期介護保険事業計画を策定することにしているので、その中で、議員からのご提案について時間をかけて検討したい。