2011年03月13日
コンテンツ番号3813
夢に向かい羽ばたく
好天に恵まれた3月13日(日)、市立中学校5校のうち2校で卒業式が行われ、卒業生がそれぞれの思い出を胸に学び舎を巣立ちました。
市立中学校全5校の卒業式は3月12日(土)に行う予定でしたが、3月11日(金)に発生した三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震の影響で、卒業式の期日は変更されました。変更後の3月13日(日)に行われたのは、鷹巣中学校と合川中学校の2校。また、鷹巣南中学校は3月14日(月)に、森吉中学校と阿仁中学校は3月19日(土)に卒業式の期日が変更されています。
今年度の卒業生は鷹巣中が112人、合川中50人、鷹巣南中50人、森吉中65人、阿仁中18人の計295人。このうち、鷹巣中学校(伊東篤校長、生徒数239人)では、卒業生、在校生、教職員、来賓、保護者合わせ約500人が出席、体育館を会場に式典が行われました。
はじめに、伊東校長が一人ひとりに卒業証書を授与した後、「1日遅れの卒業式となりましたが、鷹巣中学校を巣立つ112名の卒業生の皆さん卒業おめでとう。皆さんには、明治、大正期の小説家である森鴎外の次の言葉を贈ります。『日の光を借りて照る大いなる月たらんよりは、自ら光を放つ小さき灯火たれ』。この言葉は、夜空の月はとても美しく私たちを照らしてくれるが、その光は太陽の光を反射しているだけ。小さくても自分自身の光で周りを照らす存在、自分の力で輝くことができるような人間になってほしいという意味がある。4月から皆さんは、自らの意志で選んだ道をそれぞれ歩むことになる。その道は今回の地震のように予期せぬ事に出会うこともあるかもしれない。どのような困難にぶつかっても的確に判断し、決してくじけることなく、その困難に立ち向かい自分の力で自分の道を切り開いてほしい」などと式辞を述べました。
来賓を代表して、藤原高司市教育委員、津谷市長、笹森亮平同校PTA会長があいさつ。このうち、津谷市長は「皆さんも長い停電と余震が続く中で、不安な時間を過ごしたことでしょうが、一昨日の大地震により全国各地で被災された多くの方々にお見舞いを申し上げ、一日も早い復興を皆さんとともにお祈りします。卒業生の皆さんは、自らの未来に向かい、自ら選択した道を本日より歩み始めるわけですが、たくさんの良い経験を積み、自信をつけながら夢や目標を実現させるべく切磋琢磨し続けることを切に願います。地震というアクシデントもありましたが、卒業という記念すべき今日の日に、これまで皆さんを育てくれた家族や先生方をはじめ、お世話になったすべての方々に、あらためて感謝の気持ちを「ありがとう」と言葉で表して欲しい。これから皆さんが立派に成長し、悔いのない自分らしい人生を送っていくことが、その方々への恩返しになっていく」と激励しました。
来賓祝辞のあと、在校生を代表し2年の桜庭和矢さんが「皆さんが築きあげた繋がりは、これからもずっと残り続けます。皆さんが居なくなる寂しさは消えることはないでしょうが、それでも私たちは皆さんを超えることができるように繋がりを進化させていきたい。人生の新たなる第一歩を踏み出そうとしている皆さんと同じように、私たちも今のこの時を、皆さんとの繋がりの思いを大切にして、次へのスタートとすることをお約束します」と誓いの言葉を贈りました。
答辞では、卒業生を代表し津谷健介さんが、体育祭や学校祭、全校合唱コンクール、部活動など3年間の思い出一つひとつを振り返り、在校生、保護者、教職員、保護者にお礼を述べ、「私たちの目の前には新たな世界が広がっています。進む道は違えども同じ学舎で過ごした3年間の思い出は、皆共通のものです。私たち鷹巣中学校3年生112名、あふれる涙を力に変えて、まだ見ぬ世界へ舟をこぎ出します。ありがとう鷹巣中学校。そしてさようなら」と決意を述べました。
式典の最後には卒業生が全員で「いつまでも」「仰げば尊し」の2曲を心一つにして歌い上げ、全校合唱の鷹中賛歌「翼にのせて」では感極まって目頭を押さえる卒業生や保護者の姿もありました。式典のあと、卒業生や保護者は各クラスで担任らとの最後の別れを惜しみ、3年間の思い出が詰まった学び舎を後にしました。
(2011.3.13)