2011年02月22日
コンテンツ番号3770
仲間たちと健康でいきいき学ぼう
北秋田市高齢者大学全体講座が2月22日(火)、北秋田市文化会館で開かれ、市内の高齢者大学の学生約300名が参加し、相続や遺言書などについて学習しました。
高齢者大学は、地区ごとに高鷹大学(鷹巣地区)、合川ことぶき大学(合川地区)、森吉大学(森吉地区)、阿仁生き活き大学(阿仁地区)などの名称で高齢者を対象とした通年の生涯学習講座が設けられ600人近い「学生」が趣味や世代間交流、研修旅行、健康講座などで学び活動しています。
はじめに、斉藤彦志・生涯学習課長が「恒例となった全体講座も、皆さんが関心が合って生活に役立つ事柄を学んでもらいたい。楽しく学びながら、学生同士の交流を深めてほしい。今年度は、あと少しとなるが、来年度も健康で多数の講座に参加してもらい、様々なことを学んでほしい」などとあいさつ。
続いて、秋田地方法務局大館支局の渡部政勝・支局長補佐と赤塚祐・民事専門官が「相続のあれこれ」と題し、相続や遺言について説明しました。
渡部支局長補佐は「相続とは、人が死んだときに、その人が持っていた財産を、その人と一定の身分関係にある人が受け継ぐこと。財産には、現金や不動産などプラスの財産と借金などマイナスの財産があり、原則的にはマイナスの財産も受け継ぐこととなる」とし、「相続人は、血族相続人の第1順位が被相続人の子、第2順位が被相続人直系尊属(父、母等)、第3順位が被相続人の兄弟姉妹となる。また、被相続人の配偶者は、常に相続人となる。ただし、内縁関係にある者については相続人は認められない」などと法定相続人について解説し、家族構成や被相続人の死亡時期による事例について紹介しました。
引き続き、赤塚民事専門官は「遺言は、人の生前における最終の意思に法律的効果を認め、死後にその実現を図る制度。自分が生涯をかけて築き、かつ守ってきた大切な財産を、もっとも有効・有意義に活用してもらうために行う、遺言者の意思表示である」とし、「遺言には、普通方式による自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言、特別方式による危急時遺言、隔絶地遺言の種類があるが、特別方式は緊急を要するときや外国など離れた土地にいる場合に適用されるもので、ほとんどが普通方式から選択される」などと制度について説明しました。
そのうえで「自筆証書遺言は、自分ひとりで全文を書く遺言で、遺言の存在や内容を秘密にでき、費用もかからず、いつでも書き換えや変更ができる利点がある一方、遺言書の滅失や他人による隠居・偽造・変造のおそれがあるほか、死後に遺言状が発見されない場合もある。公正証書遺言は、公証人役場で公証人に作成してもらう、もっとも確実な遺言。公証人が作成するので、まず無効にならない。存在と内容が明らかなため、隠居や偽造のおそれがないなどの利点がある一方、立ち合う2人以上の公証人には、遺言書の内容が知られてしまうなどの難点がある。秘密証書遺言は、遺言の内容を秘密にして存在のみを公証人役場で証明してもらう。内容を秘密にできるほか、存在も明らかにできる一方、公証人を利用するため費用と面倒な手続きが必要となる、遺言状の滅失・隠居の心配があるとなどの難点もある」などとそれぞれのケースについて詳しく解説しました。
このあと、北教育事務所の遠藤元博・主任社会教育主事が北秋田市の小学校への学校支援ボランティア制度について「今、学校では『地域の元気の源となる学校』、『地域と共に歩む学校づくり』を目指し、地域とよりよい関係を築くことを大事にする学校が多くなっている。子どもたちを人間性豊かに育てるために、皆さんの力を、ぜひかしてほしい」と呼びかけました。
そのうえで「学校支援ボランティアとは、『地域の学校への応援団』といってもよいと思う。皆さんの持っている知識や技術、特技などを子どもたちに役立てるものと、特技などがなくても、学校や子どもたちのために何か手伝いをするものの2種類がある。知識や技術、特技を持っている人は、授業のなかで先生たちと一緒に、習字の指導補助や正課クラブ(お茶、生け花、将棋、ダンス、手芸など)の指導、昔遊びの指導交流、戦争中のお話など、特技がない方でも、調理実習のお手伝いや校外学習の見守り、発表会などのお客さん、校内の飾りつけ等の手伝いなど協力してもらいたい事項がたくさんあり、皆さんの協力を必要としています」などと学校の実情を説明し、「学校とかかわりをもって子どもたちを元気にして、自分たちも元気になってほしい」と学校支援ボランティア制度に協力を呼びかけました。
(2011.2.22)