2011年01月27日
コンテンツ番号3762
森吉山ダムの未来構想図について話し合う
「森吉山ダム水源地域ビジョン」シンポジウム(主催:森吉山ダム水源地域ビジョン策定委員会)が2月27日(日)、森吉コミュニティセンターで開かれ、市民ら約120人が参加し、ダム水源地域の未来構想や地域の活性化などについて理解を深めました。
同委員会は、森吉山ダム周辺の豊かな自然環境、歴史、文化、観光資源、人材等の地域資源を活用し、水源地域の自立的・持続的な活性化を図るため、「森吉山ダム水源地域ビジョン」を策定することを目的に設立されました。
開会前には、本城奈々さん(北秋田市出身・シンガーソングライター)が地域応援ライブとして、米代児童公園をテーマにしたシングル曲『きかんしゃ公園の町』や北秋田市のローカルヒーロ「山刀(ながさ)霊神アニアイザー」のテーマ曲『タ・カ・ラ』を浜辺の歌音楽館少年少女合唱団の子どもたちと一緒に歌い、会場の参加者からは大きな拍手が送られました。
開会にあたり、木村一裕・委員長(秋田大学工学資源学部土木環境工学科教授)は「今年度は、ビジョン策定に向けて、自然・生活系、歴史・文化・スポーツレクリエーション系、産業・観光系の3つの分科会を立ち上げて、各テーマについて検討を重ねてきた。10月には、各テーマの具体的な検討に資するためリーディングプロジェクトとして、森吉山ダム「四季美湖」まつりを開催し、ダム湖でのカヌー乗船やダム堤体内の見学会を実施し、参加した方々には好評を得た。ビジョン策定は最終段階をむかえており、今日の議論も踏まえて最終的なものを完成させたい」などとあいさつ。
続いて、基調講演として秋田内陸縦貫鉄道の若杉清一・代表取締役社長が「地域の力の活かし方」と題し講演しました。若杉社長は「人口減少は、成長要素を破壊している。2人の夫婦から3人以上の子どもが生れないと、人口を維持できない。沿線地域の人口減少により、内陸線の通勤・通学・通院などの生活利用が減っていることが、経営が苦しい一因となっている」とし、「皆さん、『私は乗らないけど、残してほしい』では、内陸線は残りません。24年度までに赤字が2億円以内にならないと廃止も含めた大幅な改善が求められる。もう5000万円足りない状況にあります。なくなったら困る人がたくさんいる。本当にそれでいいか一人ひとりが真剣に考えてほしい」などと内陸線の実情を訴えました。
そのうえで「定住人口は、全国どこの地方でも減少している。定住人口の減少を交流人口の増加でカバーすることが大切。また、訪れた方に地域の良さを伝えてほしい。そのことを、自らが地域に生きる喜びと楽しみにして、交流を深めてほしい。地域の自立と連携を進め共有化することで、活性化に繋がる。そして、地域の意思・暮らし・経済のために観光で地域を元気にしよう」と呼びかけました。
そして「最近、台湾から冬に内陸線で旅行するお客様が増えている。台湾では、雪が珍しいことから日本の花見のように、雪が降るとお祝いしお酒を飲んだりする縁起のいいもので、非常に興味を示す。そのような文化の違いも理解しながら、外国のお客様の誘客に繋げていきたい。また、足元の素材は逃げない、地域の文化や歴史はもちろんのことだか、自分の内部にある真実・光こそが真の素材。そこに気づいてほしい。観光振興で地域が活性化するのではなく、活性化された地域が観光化される」などと様々な工夫やアイティアを提案しました。
このあと、同ビジョン策定委員によるパネルディスカッションも行われ、それぞれの立場からダム水源地域の利活用や活性化の方法について、意見を交換し理解を深めました。
(2011.2.27)