2011年01月07日
コンテンツ番号3751
教育実践事例の発表で指導方法などを学ぶ
平成22年度北秋田市教育センター(所長:三澤仁教育長)所員発表会が1月7日(金)、北秋田市文化会館で開かれ、市立小中学校の教員ら約250人が参加し、それぞれの教育実践例などを紹介し、指導の進め方などについて理解を深めました。
教育センターは、北秋田市の教育に関する調査研究や教職員の研修により教育振興を図ることを目的とした組織。所員発表会は、各校での実践事例などを発表し合い、互いの教育活動に役立てようと実施されているものです。
開会にあたり、三澤所長は「今の子どもたちは、衣食が満ち足りて生活は豊かだか、すぐあきらめたり、我慢ができなかったり、自分のことを人のせいにしたりする、心が貧しいのではないか。心が貧しいということは、言葉が豊かでないのではと感じる。人と接するときには、感謝やお礼、慰めたりするときには、言葉として心を伝えている。心は言葉でできている、心は言葉そのものであると言っても過言ではない。子どもたちの心を豊かにするためには、言葉を豊かにすること。学校においては、読書や言語活動を積極的に推し進めて、豊かな言葉をもった子どもたちを育ててほしい」などとあいさつ。
続いて、来賓の津谷市長は「皆さんにおいては、スポーツ・文化・学力など多方面から子どもたちの興味を刺激し、向上心を育み、積極的かつ丁寧な指導をお願いしたい。昨年、北秋田市に秋田大学の分校が開設された。これまで、英語や理科の講座が開かれ、参加した先生もいると思う。大学がもっている教育研究資源や学生などの人的資源を大いに活用してほしい。市の将来を担う子どもたちが、地域の活力の源となり、学校が地域活性化の拠点として広く活用されることを期待している」などと祝辞を述べました。
所員発表では、はじめに辻永佳樹教諭(鷹巣小学校)が「電子黒板の活用」と題し、電子黒板の利点や活用事例などを紹介しながら、学習内容定着の時間確保や自分の考えの可視化、比較、書き込み、共有化による新しいかたちの授業展開ができる。それにより、基礎基本の定着や思考力・説明力の向上が臨めるなどとし、電子黒板の活用効果などについて説明しました。
また、桜庭元子教諭(合川南小学校)は「小規模校のよさを活かした活動〜子どもたちの生き生きとした表情を求めて」と題し発表。自分の考えを進んで発表できる、うれしい、楽しいなどの気持ちを表情豊かに表現できる子どもなどを目指す子ども像とし、合川西小との交流やのど自慢大会、凧作り体験などの実践により、子どもたちが自分の目標に向かって生き生きと活動できるようになったなどと、小規模校のよさを活かした実践事例を紹介しました。
続いて、小林陽介教諭(阿仁中学校)は「話型(わけい)を使って学び合う」と題し発表。賛成、反対、提案など12種類の話型図を作成し、生徒への話型の定着を図り、生徒一人ひとりが話型から選ぶ、書く活動を通して自分の考えを持ち、他者とのかかわりの中で説明し合う経験を重ねていけば、学び合う力が育まれるとし、社会や数学、生徒会などの実践例を紹介しました。それにより、よりよい選択能力を磨くことで、生徒一人ひとりがよりよい人生を送れるのではないかなどと説明しました。
このあと、教育講演会も行われ、相澤秀夫・宮城教育大学教職大学院教授が「真の学力を育む〜言語活動の充実を通して」と題し、国の教育改革や全国の教育事例を紹介しながら、言語活動の充実や机間指導、ペア学習の進め方などについて講演しました。
(2011.1.7)