2011年01月23日
コンテンツ番号3734
みんなで守ろう地域の貴重な文化財
文化財防火デー(26日)を前に1月23日(日)、北秋田市綴子地区で防火訓練が行われ、地区住民らがバケツリレーやで初期消火活動を展開、防災意識を高めました。
文化財防火デーは、昭和24年1月26日に、国宝・法隆寺の金堂が炎上し貴重な文化財が失われたことを契機に、1・2月が1年のうちで最も火災が発生しやすい時期であることなどから昭和30年に定められ、全国各地で防火訓練などの文化財防火運動が行われています。
この日行われた綴子地区の想定訓練には内館文庫があり、自治会、市消防本部、鷹巣第4分団・第5分団など約100人が参加しました。
内館文庫は、綴子神社の武内家が営んだ私塾である内館塾に関わる土地・建物、蔵書、塾用器物などを含む史跡の総称で、江戸時代の庶民教育施設がまとまって残っている貴重な史跡として昭和35年3月1日に秋田県より指定を受けたものです。
訓練では、綴子地区の内舘文庫から漏電による火災が発生し、関係者が初期消火を試みたが火勢を抑えきれず延焼拡大したとの想定で、火事ぶれ、文化財の搬出などを行いました。住民らは互いに協力しながらバケツリレーで初期消火、消防署・消防団が到着すると、連携して放水で延焼防止にあたりました。
また、消火器の取扱い、住宅用火災警報器設置の説明が消防署員より行われ、地域住民が消火器や消火栓からの放水体験を行いました。
閉会行事では、三澤仁教育長が、「寒い中、今日はたくさんの方に参加いただき防災意識、文化財に対する関心の高さや思いが強いと思いました。内館文庫には大変貴重な資料がたくさんあります。みなさんの力でもって貴重な文化財を守っていただきたい」などとあいさつ。市消防本部の藤島孝雄消防長は「今日の訓練は初期消火、重要な資料の搬出、消火防御訓練と大切な活動であり、大変スムーズにできた。今日の訓練を踏まえ有事の際には万全な体制で現場活動をしていただきたい。今年に入り市内では4件の住宅火災が発生して死傷者も出ており、地域をあげて高齢化ケアをしていただきたい」などと講評しました。
最後に、上町自治会の高橋忠俊会長が「1年の中で一番寒い大寒の中、文化財を守るということで訓練をしていただきありがたく思います。今日のみなさんの行動を見てこれで文化財が守れると安心しました。万が一の時、地域が何をすべきか、何ができるのかなどをいろいろ考えさせられる機会になった」などとお礼のあいさつをしました。
(2011.1.23)