2012年11月21日
コンテンツ番号2356
方言は魂のよりどころ
(2012.11.21)
秋田大学北秋田分校教養セミナーが、11月21日(水)、秋田北鷹高校大講堂で開かれ、市民ら約150人が受講し、秋田のことばの現状について理解を深めました。
このセミナーは、北秋田分校と市教育委員会、秋田北鷹高校の共催で、今年度2回目の開催となります。
はじめに濱田純秋田大学北秋田分校長が、「北秋田分校は2年になるが、秋田内陸線をはじめとした地域資源の活用や教育資源の活用、さらには皆さんのご要望に耳を傾けて地域活性化に役立つものを取り上げてきました。こらからも積極的に取り上げていきたいと思っているので、声をお寄せいただければありがたい。今日、講演いただく教授には、私も言葉のおもしろさを教えていただいた。今日は、いろいろな方言がでてくると思うので、楽しみにしてください」などとあいさつ。
セミナーでは、秋田大学教育文化学部日本・アジア文化講座の佐藤稔特別教授が「秋田のことばー老人(シニア)と若者のー」と題して講演しました。佐藤教授は、「額」、「蜻蛉」、「つらら」、「どくだみ」などと書かれたパネルを掲げ、県内でもいろいろな方言があることや、若い人が使っている「やばい」、「うざい」、「めっちゃ」などの若者言葉などを解説。「本来、方言は魂のよりどころ。元々は生まれて自分の身の回りの大人がその言葉をシャワーのように愛情と共に降り注いでくれる母語。これによって人格を形成し、その土地の文化を身につけ、ものの考え方、価値観を身につけてきたが、それが段々、国籍不明みたいになってきている」などど指摘。さらに、「標準語は、どこへ行っても誰とでの通じ合える強みを持っている。しかし、本当に親密になるためには、打ち解けなくてはならない。それは方言の役割である」と述べました。また、現在では「老若」の間でことばに違いが見られ、なかなか通じ合えなくなってきていることについて、「シニアの世界に呼び戻すには、私たちが、できるだけ魅力的な話し手になるしかない。話の中身はそれなりに豊かに持っているので、それを若い人に、これこそは日本語の使い手、方言の使い手だと感心してもらえるように言葉みがきをしていきたい」などと語りました。
参加者は、講師の話に時折うなずいたり、笑ったりしながら真剣な表情で耳を傾けていました。