2012年09月08日
コンテンツ番号2236
縄文のチカラで街に活力を
(2012.9.8)
国指定史跡「伊勢堂岱遺跡」など市の縄文遺跡と文化をPRする「第12回縄文まつり」が9月8日(土)、旧北秋中央病院跡地で開催され、子どもたちや考古学ファンらが土偶や勾玉づくりなどで縄文時代の文化を体験しました。
縄文まつりは、平成13年に同遺跡が国の指定史跡に指定されたのをきっかけに、伊勢堂岱遺跡に関心を持ってもらい、また子供たちにも体験学習の場を提供しようと始まったものです。今年は伊勢堂岱遺跡の環境整備のため、会場を旧北秋中央病院跡地に移しての開催となりました。
伊勢堂岱遺跡はあきた北空港(大館能代空港)そばの台地上に位置する縄文時代後期前半(今から約4千年前)の遺跡で、平成7年に同空港アクセス道路建設に先立つ発掘調査で発見されました。直径30mを超える4つの環状列石(ストーンサークル)や配石遺構、掘立柱建物跡、土壙墓、捨て場など、多くの祭り・祈りの施設が見つかり、大規模な祭礼の場ではないかと推測されています。
遺存状態がよく学術的価値が高いことから、平成13年1月、国の史跡に指定され、平成19年からは、青森、岩手、秋田の北東北3県と北海道が、伊勢堂岱遺跡や大湯環状列石、三内丸山遺跡など15の縄文遺跡を「北海道・北東北の縄文遺跡群」と名付けて世界遺産登録運動を展開、平成20年12月に暫定リストに登録されています。
この日の開会セレモニーでは、佐藤善寿縄文まつり実行委員長が「まつりを盛り上げるため、各々の持ち場、立場をご理解いただき、終了まで笑顔をもって対応してほしい。一日を笑顔でお客さんを迎えることは、我々がモットーとしているところの世界遺産へ向けての行動といえる」などとあいさつ。
続いて津谷市長が「北海道・北東北の縄文遺跡群として世界遺産登録に向け行政も一生懸命頑張っている。今回は街のなかでの開催となったが、市民の皆さんのなかにも、まだ、伊勢堂岱遺跡の価値や世界遺産登録を目指していることをわかっていない方もいるので、ここで盛り上げていただきたき、たくさんの方々も巻き込んで、世界遺産登録を目指したいと思っている。遺跡はただ保護するだけではなく、それを活用していかなくてはならないと思っているので、皆さんのご協力をお願いします」 などとあいさつしました。
会場では、当時の装飾品だった「勾玉(まがたま)」をつくるコーナーや、土器・土偶づくり、弓矢の的当て、火おこしの体験メニューのほか、縄文時代の衣装を着ての記念撮影など盛りだくさんのイベントで縄文文化をPR。「縄文音楽祭」として縄文をイメージした歌や踊り、また、秋田北鷹高校吹奏楽部の演奏も披露されました。
各コーナーでは、伊勢堂岱遺跡ワーキンググループのメンバーなどがボランティアスタッフとして協力し、まつりを盛り上げていました。