2012年08月14日
コンテンツ番号2155
ふるさとで夏の夜を楽しむ
(2012.8.14)
第41回合川まと火、第32回合川ふるさとまつりが8月14日(火)、合川橋付近と健康広場を会場に開催され、市民や帰省客らが「まと火」と「通り踊り」、「スペシャルステージ」などで行く夏の夜を楽しみました。
「ふるさとまつり」は、午後5時に地元のアマチュアバンド「ナックル」と「スガワラビッツ」の演奏で始まり、続いて合川太鼓保存会の迫力ある呼太鼓と続き、婦人会や合川中学校女子生徒など約150人による華麗な踊り「通り踊り」が披露され、会場の集まった観客から盛んな拍手が送られました。
通り踊りの後に行われた開会セレモニーでは、実行委員会を代表して合川ふるさとまつりの金森勝三実行委員長が「合川まと火は、各世帯からひとつづつダマを出して一緒にご先祖様を供養しようという思いで始まり、今年で41回目を迎えることになりました。今年も昨年に引き続き、東日本大震災で犠牲になった方も合わせて合川まと火で供養できればと思います。また、32回目を数える合川ふるさとまつりは、この地域にもこんな楽しいことがあると感じていただき、地域の方々をはじめ、帰省した方々もこのまつりを楽しんでほしいと思います。今日は皆さんで多いに盛り上がりましょう」などと歓迎のあいさつ。
続いて、来賓を代表して北秋田市産業部の中川真一部長が「国指定無形民俗文化財は、全国で590件あり、秋田県では18件あります。このうち北秋田市では、根子番楽、綴子大太鼓、猿倉人形芝居、そして春彼岸に小阿仁川流域で行われる万灯火の4件があります。昔ながらの集落構造がどんどん崩壊していく中で、国指定無形民俗文化財がひとつの市町村に4件も伝承されている例は非常に珍しいようです。その国指定無形民俗文化財の万灯火を、お盆の時期に開催し41回を重ねる合川まと火、そして32回目の合川ふるさとまつりのように、長きに渡り地域の伝統行事を大切に継承されている合川地区の皆様並びに関係各位に敬意を表します。今日のまと火とふるさとまつりがご来場の皆様にとって夏の良き思い出になりますよう祈念します」などと祝辞を述べました。
この後、会場の健康広場では合川太鼓保存会のみなさんによる「合川太鼓」が披露されたほか、ゆかいな仮装で踊る「タント節」が観衆の笑いを誘い、スペシャルステージでは、ものまねタレントのマロン陵さんが、美空ひばりや松山千春など数多くのものまねを披露して会場を盛り上げました。
一方、阿仁川堤防が会場となった「合川まと火」は、午後7時30分から合川橋を挟み堤防約1.5にわたる水平まと火、20機の車まと火、「41回合川マトビ」の文字を浮かび上げる仕掛けまと火が、合川中学校男子生徒の手によって次々に灯されました。川面に写るまと火は幻想的な光景を一層引き立て、その光景を見物客らは写真を撮りながら楽しんでいました。
カメラスケッチ
合川太鼓
平成元年6月、合川町で県連主催の和太鼓講習会が行われたのをきっかけに、同年8月の生涯学習講座の中で合川太鼓として発足しました。大曲太鼓道場、現在、秋田県太鼓連盟専務理事、鈴木孝喜氏の指導により、合川囃子を修得し、その後、合川太鼓保存会として住民とのふれあい、地域の活性化をめざして活動しています。
通り踊り
合川中学校の女子生徒、婦人会など約250人で踊る通り踊りは、大勢にもかかわらず息のピッタリとあった踊りです。合川ふるさと音頭、合川まとび音頭にあわせ、まと火をイメージした先が赤い棒を鮮やかに操ります。
タント節
タント節の由来は旧合川町の旧大野村、現在の東地区の辺りで月明かりの夜、若者達が藁打ち作業で歌った「わら打ち唄」が現在は酒席で歌われるようになったものです。1から10までの数え唄式のような語りで、本来ならば「イロハ口説き」といって非常に長いものです。このタント節は合川が発祥の地として言われており、後に縁があり仙北地方に伝えられたものとされています。そして、平成5年度から7年度にかけて行われた合川町商工会「中小企業活性化事業」実施の際に、伝統・伝承文化の掘り起こしとして、この「タント節」を取り上げたことをきっかけに、ふるさとまつりのイベントの1つとして披露されます。
合川まと火
「まと火」は古く奈良時代から行われていた記録があり、灯明(とうみょう)は煩悩(ぼんのう)の闇を照らす仏の知恵に例えられ、仏前にともすことは香をたいたり、花を献じたりするとともに功徳(くどく)のあるもので懺悔(ざんげ)、滅罪(めつざい)となるとされています。合川では、古くから下小阿仁地域を中心に、春彼岸の中日の伝統行事として、墓地に灯かりをともすとともに、山の尾根づたいや沢づたい、あるいは川原にたいまつを灯し先祖の霊を我が家に迎えてもてなし、供養とともに豊年満作、家内安全を祈ってきたと言われています。そして、このまと火を更に継承発展させ、人々がふるさとに帰省するお盆の14日夜に阿仁川堤防に 延々と灯かりをともし、先祖の供養と郷土愛を培う伝統行事として行っています。また、まと火に使うダンポは合川住民総参加のもとに合川地区内全世帯で1個ずつ作られ、中学生の協力を得て阿仁川堤防約1.5に設置され点火されます。