2012年08月16日
コンテンツ番号2151
山河に響く体感花火が半世紀
(2012.8.16)
「第50回記念阿仁の花火と灯篭流し」が8月16日(木)、阿仁河川公園で開かれ、市内外から訪れた大勢の見物客が灯籠の光と夜空の花火が織りなす幽玄の世界に浸りました。
花火大会の主催は阿仁の花火実行委員会(菊地忠雄委員長)。この日は時折雨が降る、あいにくの天候となりましたが、会場には、山河に響く音が特徴の阿仁の花火を見ようと観客が詰めかけました。
灯籠流しは、お盆に帰ってきた死者の魂を現世からふたたびあの世へと送り出すために、死者の魂を乗せた灯籠を流す行事。阿仁地区では、花火大会に合わせ阿仁仏教会(佐京寛定会長)と同会灯籠流し奉賛会(梅井繁司会長)が中心となって開催しており、午後6時すぎから会場入り口付近に設けられた仮設の祭壇で、祖先の霊を招霊し供養する儀式「一代供養」が行われました。
式典には、善導寺、専念寺、善勝寺、耕田寺、法華寺、福厳寺の6寺院から檀家代表と住職らが参加。表白を読み上げ、祭文、物故者への追悼文朗読などの後、僧侶による読経と檀家代表の焼香で祖先の霊を供養しました。
あたりがお香の匂いと読経の響きに包まれる中、灯籠流しが始まり、各檀家から持ち込まれた灯籠が係員により1つずつ火が灯され、阿仁川に流されました。流された灯籠は約700個。夕暮れの薄明かりの中を川面に影を映しながらゆらゆらと流れ、川辺で見守る見物客らもその幽玄な美しさを堪能しました。
午後7時30分、慰霊として「精霊(しょうりょう)に祈りを込めて」と題した、スターマインと4号玉10発の慰霊花火が打ち上げられて始まった花火大会では、はじめに主催者を代表して菊地実行委員長が「阿仁の花火も会を重ね、半世紀を迎えることができました。阿仁の花火と灯籠流しは、市はじめ地域住民、各自治会の皆さん、協賛いただきました企業の皆さん、商店、商工会などのご支援により開催できたもので、心から感謝とお礼を申し上げます。阿仁の花火は山河に響く体感花火ですので、ぜひ体感してください。秋田県では、DCキャンペーン、東北博、全国国民文化祭などがあり、地域活性化につながるものと期待している。市では市長が先頭になり観光PRに努めていますが、阿仁地区は観光の中心であり森吉周辺の観光に力を入れなければなりません。実行委員会としても地域振興に努力する所存ですので、今後も一層のご指導、ご協力をお願いします」と開催宣言のあいさつ。
続いて、来賓として虻川広見副市長が「阿仁の花火の醍醐味は、山にこだまし、体全体をゆさぶるような打ち上げ花火の轟音と間近に開く大輪の花火のパフォーマンスです。迫力ある花火を体感いただき、清流を流れる灯籠の美しさを存分に楽しんでいただけると思います。皆さんも存分に阿仁の花火を堪能していただきたい。ご来場のみなさんにとって、この花火大会がこの夏の日のよき思い出となることをご祈念します」などと歓迎のあいさつをしました。
開始号砲が鳴り響いたあと、「開幕を祝う彩のキラメキ」と題した大スターマインをはじめ、御祝いや慰霊のメモリアル花火など、4号から6号の割り物花火、色とりどりのスターマイン、花や蝶をかたどった造形花火が次々と打ち上げられました。
川幅約100mほどの阿仁川をはさんで対岸から打ち上げられる数々の花火は、間近に迫ってくる光のきらめきと山間に共鳴する轟音で迫力満点。フィナーレの「明日への希望の花が咲く」と題した小型煙火付スペシャルスターマインが夜空を焦がし、今年の大会を締めくくるまで、見物客は、美しい灯籠絵巻と山峡にこだまする花火との競演を堪能していました。
また、50回を記念したアトラクションが、午後4時から阿仁庁舎駐車場で行われ、秋田大学生による「よさとせ歌舞輝」、阿仁合小学校有志 による「よっちょれ」、阿仁中学生有志による「ニューソーラン」、比立内青年会による「比立内獅子踊り」等が披露されました。 観衆は、あいにくの雨にもかかわらず、一生懸命踊る子ども達や、華麗に力強く演じる青年達に盛んに拍手を送っていました。