2012年03月18日
コンテンツ番号1695
(2012.3.18)
平成23年度で閉校する合川南小学校(寺田博明校長、児童数35人)の卒業式が3月18日(日)、同校で行われ、最後の卒業生7人が学び舎を巣立ちました。
同校は、明治8年6月に三木田学校として創立され、同24年に下小阿仁尋常小学校、同35年に下小阿仁尋常高等小学校と改称されました。昭和16年に下小阿仁国民学校、同22年に下小阿仁小学校と改称、同24年に現在地に校舎が新築され、同30年に町村合併により合川南小学校と改称されました。同49年には鉄筋3階建ての現校舎が完成。同58年5月26日には、遠足で訪れていた男鹿市加茂青砂海岸で日本海中部地震により津波が発生、児童13人が犠牲となる悲しい出来事もありました。平成5年に山村留学まとび学園が開園し、園の子どもたちが同校に通学。同7年創立120周年記念式典開催。同23年には閉校記念行事「合川南小の思い出を語る会」が開催されています。
現校名となった昭和30年代は、400人を超える児童が在籍していましたが、現在は35人。同校は児童数減などにより、平成23年度を最後に合川西小学校と統合し、合川小学校(校舎は合川西小を利用)が開校されるため、三木田学校から始まった136年の歴史に幕を下ろします。 同校の卒業生数は、集計がある明治41年度から数え、最後の卒業生7人を合わせ3399人です。
式では、国歌斉唱のあと卒業証書の授与が行われ、7人の卒業生が一人ずつ壇上に上がり、寺田校長から卒業証書を受け取りました。 卒業生はそれぞれ、「南小学校で習った部活や勉強を中学校でも活かしがんばります」、「とうとうこの日が来ました。南小学校で学んだことは絶対忘れません。ありがとうございました」、「南小で6年間過ごせたこと、最後の卒業生になれたことを誇りに思います。中学校では勉強と部活を両立できるようがんばります」などと述べ、家族や先生に感謝を伝えました。また、在校生も各学年の代表者が、寺田校長から修了証書を受け取りました。
寺田校長は「皆様のご臨席を得て、本校最後となる平成23年度の卒業式を挙行できますことを、心からお礼申し上げます。本日、この南小を巣立ち行く7名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。この6年間やり通したという自信と満足感が、皆さんの表情から伝わってきました。どこへ出しても自慢のできる卒業生だと思っています。自信を持って進学してください。また、新制合川小の児童として進級される皆さん、進級おめでとうございます。今年はこの学校とどうお別れしたらよいか、地域の人たちにどう感謝の気持ちを伝えればよいかを考え、勉強してきました。9月には加茂青砂海岸に足を運び、慰霊碑の前で閉校となることを西小の皆さんと一緒に報告してきました。2月には、児童、保護者、地域の皆さんの思いを書き込んだ紙風船を上桧木内の祭典で打ち上げてきました。それらも大切な思い出ですが、普段の学習や行事、部活動など仲間や先生、地域の人たちと一緒にがんばったことが何よりも大切な思い出になると思います。また、そう思ってくれることで南小はいつまでも皆さんの心に生き続けると思います。校舎や環境が変わっても、今の南っ子の気持ちを忘れないでください。私たちが住む秋田県、そして北秋田市は物やお金では決して裕福とは言えませんが、人と人とが心で支え合っているすばらしい所です。この地に生まれて学ぶことができることを誇りに思ってください。そして、成長した皆さんが将来いろいろな分野で活躍し、支えてくれることを心から期待しています。皆さんの限りない前途に夢を託します」などと激励しました。
続いて、津谷永光市長が「この歴史ある合川南小学校の最後となる、記念すべき年に巣立って行かれる7名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。今日の皆さんの姿はとても堂々として頼もしく、まさに有終の美を飾るにふさわしく、最高学年として立派に見えます。4月からは中学生として、責任ある大人となるための第一歩を踏み出しますが、これまで学んできたことを活かし、失敗や困難を恐れず、努力と挑戦を重ねながら大きく成長されるよう、心から願っています。また、在校生の皆さん、これからは合川小学校の児童としての毎日が始まります。合川西小学校からのたくさんのお友達と一緒に、元気いっぱいで楽しく賑やかに学校生活を過ごしてください。これまで子どもたちを優しく、そして時には厳しく教え導いた校長先生をはじめ教職員の皆様、更には温かい眼差しで見守ってくれたPTAや地域の皆様には、これまでの格別なご尽力に心からの敬意と感謝を申し上げます。 どうか、これからも地域の宝である、未来を担う子どもたちのさらなる成長を支えていただきますよう、特段のお力添えをお願いします」などと式辞。
来賓祝辞では、三澤仁教育長、成田純子PTA会長がそれぞれ祝辞。卒業、進級祝い品授与のあと、最後は卒業生と在校生が向き合い、別れの歌を交えながら、お別れの言葉を贈り合いました。在校生が卒業生一人一人の思い出を披露しながら、「協力して努力することの大切さを、みんなと仲良く遊ぶ楽しさを教えてくれた6年生の皆さん、本当にありがとうございました」と贈り、卒業生も在校生と過ごした合川南小最後の1年を振り返りながら、「先生、地域の方、在校生、家族の皆さん、本当にお世話になりました。たくさんの思い出を胸に、ぼくたちはこれからもがんばっていきます。さようなら皆さん。さようなら合川南小学校」とお別れの言葉を交わしました。
卒業式のあと、同校で閉校式典が行われ、卒業生、在校生、教職員、関係者のほか、地域住民など約160人が出席しました。
式典では、国家斉唱のあと、津谷市長が「本校は、明治8年に三木田小学校としての創立以降、何度かの名称 変更を行いながら、昭和30年の町村合併によって現在の合川南小学校が誕生し、その歴史が積み重ねられてきました。この間、子どもたちの教育の場としてはもちろんのこと、地域の発展・賑わいの中心としても、とても大きな役割を果たしてきました。 また、その歴史の中では、13名の尊い命が失われた昭和58年の日本海中部地震のような、忘れることのできないとても悲しい出来事も乗り越えてきたところであります。 本校は、在校生、卒業生そして地域住民にとって大事な心の拠り所であるとともに、市にとりましても地域文化の発展をもたらしてくれた重要な拠点でありました。そのような思いの詰まったこの学校とのお別れには大変寂しいものがありますが、これまでに、子どもたちと先生方、そしてご家族や地域全体で築き上げてきた合川南小学校の歴史と伝統は、これからも永遠に引き継がれていくものと私は確信しています。 これまで本校を支えてくれた全ての皆様に、設置者として改めてお礼を申し上げます」などと式辞。
続いて、寺田校長のあいさつ、来賓の福田眞県教育庁北教育事務所長、佐藤吉次郎市議会議長の祝辞のあと、6年の伊藤岬さんが「平成18年4月に入学したその日から今日まで、家族や地域の方々、多くの先生方に見守られ、小学校の6年間を無事に終え卒業することができました。そして今日、この大好きな学校が閉校する日を迎えました。この校舎では、僕のお母さんやおじいさんも勉強しました。僕たちにとって掛け替えのない南小学校に感謝の気持ちでいっぱいです。学校が閉校になることはとても寂しいことですが、僕たちの心の中にはずっと生き続いていきます。136年間続いた伝統ある南小学校で学んだことを誇りに、これからも新しい環境でもみんなと協力していろいろな困難を乗り越えていきたいと思います。僕たちを育ててくれた合川南小学校、今までありがとうございました。そして、さようなら」などと児童を代表してあいさつ。
このあと、寺田校長から津谷市長に校旗が返納され、最後は全校児童でお別れの言葉を述べ、出席者全員で校歌を斉唱し合川南小学校136年の歴史に幕を下しました。
閉校式典後、校庭では閉校を記念して建立された記念碑の除幕式も行われました。