2012年02月06日
コンテンツ番号1633
市の生活習慣病予防事業「第5回すこやか健康講座」が2月6日(月)、市保健センターで開かれ、参加した市民約70人が高血圧症のしくみと動脈硬化について理解を深めました。
講座は、市民の生活習慣病予防を目的に開かれているもので、毎回テーマを変え、今回が今年度最後の5回目となりました。
今回の講座は、「知っておきたい高血圧症のしくみと動脈硬化」と題して、北秋田市鷹巣出身で秋田大学医学部附属病院第二内科の小坂俊充氏が講師を務めました。
小坂氏は「血圧は上がっても体はなにも警告してくれません。血圧が上がるから肩がこる、頭が痛くなるのではなく、何かの理由で肩こりがあり、何かの理由で頭が痛くなり、それがストレスになって血圧が上がるのが順番。本来血圧が200あろうが250あろうが症状がない。ある日突然、バンと亡くなってします。糖尿病もコレステロールが高くても症状がない。症状がないのにバンとくるのが生活習慣病の怖いところです」と話し、高血圧症や動脈硬化についてスライドなどを使って説明しました。
治療法がなかった頃の話では、リンゴをいっぱい食べると血圧が下がるのではないかと考えられたのが今から約60年前のこと。それまではカリウムを摂ると食塩も摂らなければならないとされていたが、疫学的研究がさかんに行われるようになり、「カリウム摂取は食塩の害を打ち消す」という考え方が一般的になっている。尿中の塩分の量、カリウムの量が非常によく血圧と関連していることを説明しました。
続いて、高血圧のしくみとしては、血圧はナトリウム(血管の中を流れるている血液中のナトリウムの量)と動脈硬化(血管の径)と関連している。ナトリウムの量が多くて血管が狭ければ血圧は上がる。血圧には数字が2つあり、上の血圧は心臓が縮んだ時に心臓から血液が送り出され、動脈の壁を押し広げる時の血圧(収縮期血圧)、下の血圧は心臓がもとにもどり一番拡張した時の血圧(拡張期血圧)。年を取ると上の血圧は上がっていき、下の血圧は60歳を過ぎると下がっていく。血管が硬くなっていき、上と下の差が大きくなっていくことはよくないこと。高血圧症の90%は原因がわからない。体質、遺伝、環境などいろんなものが合わさっているなどと話しました。また、外来では正常だが家で測ると高い「仮面高血圧」は注意しなければならないので、家庭での測定を勧めました。
次に、自覚症状がないまま病気は進んでいる(サイレントキラー)ので、血圧の治療は血圧の数字を下げることが目的ではなく、病気になる前に予防することが目的として、高血圧がもたらす怖い「血管病」の脳血管疾患(脳卒中)、冠動脈疾患(虚血性心疾患)、閉塞性動脈硬化症、動脈瘤などを説明しました。
最後に予防として、塩分を減らすことや運動療法としてのウオーキングを紹介しながら、血圧を正常に保ち、健康な生活をおくるために▽喫煙をしない、▽飲酒は適度にするか、全くしない、▽定期的な運動、▽適正体重を保つ、▽7ないし8時間の睡眠、▽毎日朝食をとる、▽不必要な間食をしない、のBreslowの7つの習慣を勧めました。
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北秋田市健康推進課 電話0186-62-6666