2013年09月01日
コンテンツ番号1397
自助・共助の姿勢で有事に備え
(2013..9.1)
平成25年度秋田県消防協会大館北秋田支部総合防災訓練が9月1日(日)、阿仁前田地区で実施され、消防団員や市民ら約350人が参加し、消火活動や人命救助などの訓練が本番さながらに行われました。
同訓練は、北秋田市防災訓練計画に基づき、大規模地震による災害等の発生を想定し、各防災関係機関の緊密な連携、協力のもとに実践的な総合訓練を行い、市民と防災関係機関が一体となって連絡、協調体制を確立し、迅速・的確な応急活動を実施するとともに、広く市民に防災思想の普及・啓発を図ることを目的に実施されました。
この日の訓練は、9時35分、森吉山を震源とするマグニチュード6.9の地震が発生し、北秋田市では最大震度6強を観測。阿仁前田地区周辺では、火災発生や家屋の崩壊、ライフラインの寸断、土砂崩れによる河川のせき止め、決壊により甚大な災害が発生したため、直ちに北秋田市災害対策本部を設置。被害情報等の収集に努めるとともに、市町村からの応援が期待できない中での消火活動や人命救助等に対応することを想定し行われました。
9時36分に災害発生が確認され、市長を統監とする災害対策本部を設置。情報収集と被害状況の把握に努めるとともに防災計画に基づき各部・各課へ災害支援活動を指示。また、甚大な被害が想定される阿仁前田地区の前田公民館に現地災害対策本部を設置し、本番さながらの訓練が始まりました。
八幡森地区では、住民が参加したバケツリレーによる初期消火訓練や水幕ホースによる火災防御訓練が、また、阿仁前田駅前地区では、土砂決壊による住民避難誘導訓練が行われました。
阿仁川と小又川の合流地周辺では、釣り人3人が流され救助が必要と想定した訓練が行われ、救助艇及び水中スクーターで検索したり、救命索発射銃を使って救出したり、更には、中洲に取り残された人を防災ヘリ「なまはげ」で吊ったまま近くに待機中の救急車へ引き継ぐ訓練も実施されました。
クウィンス森吉で行われた多数傷病者発生によるトリアージ(治療や搬送の優先順位をつけて、負傷者を分類すること)・応急手当・ドクターヘリ搬送・救助及び救出訓練は、建物内収容物が倒れ、建物内に多数の負傷者が発生したと想定。従業員や駅前住民が協力し、負傷者の搬出、応急手当てを実施するとともに、担当隊員がトリアージを行い、重傷者をドクターヘリへ引き継ぐ訓練や、3階から1箇所を吊り担架で救出する訓練も行われました。
また、日赤奉仕団の炊き出し訓練や応援協定を結んでいる事業所からの支援物資の搬入訓練、消火器による消火訓練、煙体験など有事に備えた多彩な訓練が繰り広げられました。
閉会式で、統監を務めた津谷市長は「地域の皆さんの真剣な訓練への取り組み、消防本部はもとより消防団の皆さんの俊敏さ、県消防防災航空隊、県ドクターヘリとの高度な連携活動を拝見し、大変心強く思うとともに、この訓練が有事の際に大きな備えとなることを確信しました。この地域では、平成19年に大水害を被りました。私どもは、このように恐ろしいことが、この北秋田市で2度と起こらないよう、自らの命は自らで守るという自助の気持ちと、今日皆さんが見せてくれましたお互いを地域で支える共助の姿勢、それを行政としてしっかりサポートし、なんとかがんばっていただくよう応援していかなければならないと強く思いました。地域住民、そして北秋田市民が有事の際にしっかり元気に生きのびていけるように力を入れて頑張りましょう」などとあいさつ。
長岐順一消防長は「訓練を行うと、色々な課題が見えてきます。この課題を解消するためには、繰り返し、繰り返し訓練を行うことが必要です。災害が発生したならば、一人、或いは自治会でできる範囲を超えたら、安全に、安全な場所に、迅速に避難していただくことをお願いします」などと講評をしました。