2013年09月14日
コンテンツ番号1337
伊勢堂岱遺跡を後世へと繋ぐ
(2013.9.14)
国指定史跡「伊勢堂岱遺跡」など市の縄文遺跡と文化をPRする「第13回北秋田市縄文まつり」が9月14日(土)、旧北秋中央病院跡地で開催され、子どもたちや考古学ファンらが土偶や勾玉づくりなどで縄文時代の文化を体験しました。
縄文まつりは、平成13年に同遺跡が国の指定史跡に指定されたのをきっかけに、伊勢堂岱遺跡に関心を持ってもらい、また子供たちにも体験学習の場を提供しようと始まったものです。今年も伊勢堂岱遺跡の環境整備のため工事中であることから、北秋中央病院跡地を会場に開催となりました。
伊勢堂岱遺跡はあきた北空港(大館能代空港)そばの台地上に位置する縄文時代後期前半(今から約4千年前)の遺跡で、平成7年に同空港アクセス道路建設に先立つ発掘調査で発見されました。直径30mを超える4つの環状列石(ストーンサークル)や配石遺構、掘立柱建物跡、土壙墓、捨て場など、多くの祭り・祈りの施設が見つかり、大規模な祭礼の場ではないかと推測されています。
遺存状態がよく学術的価値が高いことから、平成13年1月に国の史跡に指定され、平成19年からは、青森、岩手、秋田の北東北3県と北海道が、伊勢堂岱遺跡や大湯環状列石、三内丸山遺跡など15の縄文遺跡を「北海道・北東北の縄文遺跡群」と名付けて世界遺産登録運動を展開し、平成20年12月に暫定リストに登録されていましたが、平成25年8月に世界文化遺産への推薦候補を決める文化審議会が行われ、先送りされることが決定しました。
この日の開会セレモニーでは、佐藤善寿縄文まつり実行委員長が「今回は世界遺産登録への推薦となりませんでしたが、今日を再出発の日とし、我々としても出来る限りのバックアップを図り、PRのために皆で力を結集することが大切だと考えます。どうか末永くこの伊勢堂岱遺跡を愛していただき、ご協力をお願いします」などとあいさつ。
続いて津谷市長が「伊勢堂岱遺跡を後世に繋げるため、活動を続けていただき感謝申し上げます。ボランティアガイドやワーキンググループの皆さんの活動、さらには本日行われる色々な催しなどにより、私どもの大切な宝である遺跡の素晴らしさを市内外へ伝えていきたい。残念ながら27年度の世界遺産登録に向けてのユネスコの申請には漏れてしまいましたが、28年度の登録申請を目指して見学環境整備を行い、ガイダンス施設をしっかりと作り、この遺跡が世界遺産登録の縄文遺跡群の一つとして当たり前だと思えるような整備をしてまいりたい」 などとあいさつしました。
会場では、当時の装飾品だった「勾玉(まがたま)」をつくるコーナーや、土器・土偶づくり、弓矢の的当て、火おこしの体験メニューのほか、縄文時代の衣装を着ての記念撮影など盛りだくさんのイベントで縄文文化をPR。「縄文音楽祭」として縄文をイメージした歌や踊りが披露されました。
各コーナーでは、伊勢堂岱遺跡ワーキンググループのメンバーなどがボランティアスタッフとして協力し、まつりを盛り上げていました。