2013年08月02日
コンテンツ番号1323
交流が日韓のかけ橋になることを期待
(2013.8.2)
韓国木浦市(もっぽし)にある児童養護施設「木浦共生園」の一行12人が8月2日(金)、市役所を表敬訪問し、津谷市長らと懇談しました。
木浦共生園は、1928年、キリスト教伝道師の尹致浩(ユンチホ)が7人の孤児たちと生活を共にしたのが始まりです。博愛精神に徹した日本人 田内千鶴子さんが尹さんと結婚し、終戦後も残って孤児たちの養育に専念しました。韓国動乱で夫が行方不明になってしまいますが、田内さんは、あらゆる困難を乗越え、生涯2000名の孤児を育て、「韓国孤児の母」と慕われました。韓国民間社会事業の中では最も古い歴史を持ち、現在まで 3700名が共生園を巣立っています。 田内園長の生涯は日韓合作映画「愛の黙示録」で映画化され、日韓両国に多くの感動を伝えています。
七日市の吉野郷にある児童養護施設陽清学園の児童が、平成16年に木浦共生園を訪問したのを契機に交流が始まり、17年に秋田北・日韓交流協会(中嶋修三会長)が設立され、毎年交互に訪問し合いながら、日韓交流を深めてきました。
今年は、木浦共生園が北秋田市を訪問。田内千鶴子さんの孫の鄭愛羅(チョン・エラ)園長はじめ、中学1年生から高校3年生の子どもたち9人、職員2人が8月1日に来日しました。
この日の表敬訪問では、一行12人と陽清学園の釜田一園長、津谷市長、三澤教育長が出席。
はじめにお互いの出席者を紹介した後、津谷市長が「 市民の代表として皆さんを心から歓迎します。日本では、東日本大震災という悲しい出来事があったことで、皆さんの訪問が一時中断していましたが、現在は、日本全体、特に東北で復旧復興に向けて頑張っております。原子力発電所の放射能の問題では、日本の建物の影響が心配されましたが、全く心配ありませんので安心してください。これから、色々な行事やイベントがあると思いますが、たくさんのおいしい食べ物を味わったり、日本の文化や景色を楽しんでください。たくさんの日本の、そして北秋田市の良いところを見つけて、また、機会があったら訪れてください。陽清学園の皆さまとも仲良くなり、これからの日韓のかけ橋となるよう心から期待しています」などとあいさつし一行を歓迎しました。
続いて鄭園長は「2009年以来、4年振りに北秋田市にまいりました。2代目の田内千鶴子の精神を受けて、韓国と日本の民間大使としての心で交流しています。私たちを招いてくれた皆さま、陽清学園の皆さま、すべての関係者に感謝しています。これからも、この交流が末永く続くことを願っています」と述べました。
市長、教育長への質問コーナーでは「市の人口は」、「市内に中・高学校は何校あるのか」、「通学はどうしているのか」、「韓国では、暴力、いじめが凶悪化しているが、日本ではどうか」などの質問があり、このうち、市の人口について津谷市長は「3万5千人位で、面積は1152.5Km。一人当たりの面積が広く、心も豊かになります。きれいな山と川、滝などの自然が自慢です」と答えました。また、いじめについて教育長は「日本でもいじめが大きな問題になっています。あらゆる機会をとらえて、いじめがないよう子どもたちに指導しているが難しい問題です。大事なことは、家庭でいじめをしてはいけないと教えることが必要」などと答えました。
最後にプレゼント交換が行われ、一行が「世界に一つだけの花」を日本語で歌い、歓迎に応えました。
一行は5日まで滞在し、市内外の観光施設を訪れるほか、日韓交流会や市内の児童生徒との交流会に参加し、懇親を深めることにしています。